福島旅行記3 こけしの里 土湯温泉を訪ねる旅 | 晴れのち曇り時々Ameブロ

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晴れのち曇り時々Ameブロ-花見山の桜

2日間、桜をめぐる散策を予定していたのですが、初日はあいにくの雨模様ということもあり、ちょっと気分を変えて“こけしの里 土湯温泉”を訪ねてみることにしました。
今回は、とくに旅のテーマは設けていないのですが、しいて言えば「雨」というテーマにさせてもらいます。

雨の日というと、気分的にトーンダウンしてしまったり、外出するのがおっくうになってしまったりと、あまり良いイメージは無いのですが、昔を思い出すと雨の日というのはそんなに嫌いじゃなかった記憶があります。
子供の頃に住んでいた家は、小さいながらも庭や軒先があり、屋根の上から落ちてくる雨の雫を窓越しに一人眺めているのが好きでした。
そんなことを考えながら、福島駅からバスに揺られること40分、山間にまるで箱庭のような小さな温泉街が見えて来ました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-土湯温泉

降り立ってみた第一印象は、どこか懐かしいジブリ映画の舞台にでもなりそうな・・・そんな空気が漂う町並み。
昭和の雰囲気なお店あり、ちょっとお洒落なカフェもあり、裏山の小さな山神様とか、まるで過去と現代が混在しているような、なんとも不思議な感じがしました。
そんな土湯の温泉街、今回は散策するというよりかは、探検するという感覚で歩いてみたいと思います。

晴れのち曇り時々Ameブロ-土湯温泉街の大きなこけし

まず目に留まるのは、温泉街の入口にある大きなこけし。
雨の停留所、こけしがバスを待っているようにも見えませんか?

晴れのち曇り時々Ameブロ-土湯の温泉街

街角にある「こけし型提灯」、夜になると灯りが点き、とても幻想的に映りました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-足湯「月のゆふじぇ」

温泉街には、4箇所の足湯があり、こちらの足湯の横にもありました。>こけし型の提灯

晴れのち曇り時々Ameブロ-土湯温泉街

懐かしい円筒型の郵便ポストは、未だに現役で活躍中です。

晴れのち曇り時々Ameブロ-聖徳太子堂

裏山へと続く細い階段、上ってみると聖徳太子堂という小さな御堂もありました。
雨の中、よく子供たちとすれ違ったのですが、後で聞いた話によると福島県観光交流課の主催で、宝探しイベントを開催しているとのこと。
簡単に言うと、子供向けのウォークラリーみたいなものですね。
クリアすると特典がもらえる上、また抽選で当たる景品が凄い!
温泉宿泊券を始め、Wiiや3DSなど魅力的なものばかり、基本は子供向けのイベントなのですが、大人気なくしっかりパンフレットを頂いてきました。(^_^;)

晴れのち曇り時々Ameブロ-薬師こけし堂

子供たち、なにやら宝箱を探している様子、もしかしてヒントはここかな?

晴れのち曇り時々Ameブロ-熊野神社(土湯温泉)

いや、こちらかもしれない!
それとも・・・(謎
おっと、今回の目的は宝探しではなく、伝統こけしの絵付け体験レポでした。

晴れのち曇り時々Ameブロ-まつや物産店

ということで、お邪魔したのはこちらの「まつや物産店」。
事前予約は必要なく、その場で申し出れば、すぐに参加することができます。
指導してくれたのは、まつや物産店のご主人。
実は、まつや物産店の主人とうのは世を忍ぶ仮の姿で、本当は土湯こけし七名家のひとつ、阿部家五代目の阿部敏道先生。
まるで、忍者の隠れ里のような物言いになってしまいましたが・・・小さな子供たちは喜びそう。(笑

実際に、土湯こけしを伝承している工人の家柄は、斎藤家・西山家・佐藤家・阿部家・渡邉家・佐久間家・土湯工人系の七系統あり、其々の家が代々その技を受け継いでいます。
土湯工人系というのは、町の工人組合のことのようです。
観光協会に行くと、土湯こけし工人名鑑というのが配布されていて、現在受け継いでいる工人の紹介や系統略図も詳しく掲載されていました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-こけしの絵付け体験

さっそく、先生の指導のもと下絵から始めてみることにしました。
人形に直接塗る前に、まずは紙に下絵を描くことから始めます。
納得がいくまで、何度も何度も描いて練習します。
とくに時間制限は無いので、ゆっくりやってもよいとの話でした。

晴れのち曇り時々Ameブロ-こけしの絵付け体験

絵が完成したら、下絵通り人形に顔を描いていくのですが、わたくしの場合は初心者だったので、まずは鉛筆を使って下書きすることを薦められました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-こけしの絵付け体験

下書きに沿って顔を描いたら、今度は轆轤(ろくろ)のような道具で回しながら胴体の絵付けをします。
絵の具は、「赤・黒・青・緑」の4色が用意されているのですが、くれぐれも赤用の筆を黒い絵の具に突っ込んだりしないよう気をつけましょう!
ティッシュでよく拭き取っておいたので、たぶんバレてないとは思いますけど・・・(^_^;)

晴れのち曇り時々Ameブロ-こけしの絵付け体験

そして、出来上がりはこちらです。
“初心者にしては上出来”先生からもお褒めの言葉を頂きました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-こけしの絵付け体験

陳列されている商品と見比べてみても、とくに遜色ありませんね!(謎
さすがの伝統工芸品、難しいところもありましたが、私のような初心者でも頑張れば出来ますので、ぜひ皆さんもトライしてみてください。
貴重な体験、旅の思い出、地元の人とも触れあえて、これで料金1000円以下というのはお値打ちだと思いませんか?
多少失敗しても、それはそれで個性ということで・・・

晴れのち曇り時々Ameブロ-まつや物産店にて

絵付けの後は、ご主人がお茶をいれてくれました。
とても美味しい薬草茶だったのですが、そろそろ次へ行こうとすると「もっとゆ~っくりしてきなせぇ」と、わんこそばのように間髪要れず注いでくれる上、仕舞いには泊まっていけぐらいな勢いになりそうだったので、適当なところで失礼して来ました。(笑
できれば、もっと長く居たかったのですが、他も周らないと散策記事にならないので、本当にごめんなさい。
別れ際の寂しそうな表情が、今でも目の中に焼きついています。
福島の人たちは、いつも家族のように優しくしてくれて、なんか好きだな。

晴れのち曇り時々Ameブロ-ほほえみがえし

まつや物産店で、ちょっと注目すべきこけしを見つけました。
“微笑みがえし”というこけしなのですが、伝統的なこけしとは一線を画する作りで、自在に動く首と豊かな表情がコンセプトのようです。
考案したのは、まつや物産店の六代目、多方からの注文も多く、生産が間に合っていないほど人気があるようでした。

上の写真は、非売品でかなり大きなサイズなのですが、実売されているものはもっと小さく、小(4寸)で1500円、中(4寸五分)で2400円、大(5寸)で3500円とのこと。
手間が掛かる割りには、こけしって意外にお手頃な値段なんですね。
生産が間に合っていないので、予約注文しておいて、出来上がってから旅行がてら土湯温泉まで引き取りに行くというのもアリかもしれません。
「どんな町で作られているのだろう?」「どんな人が作っているのだろう?」ということを知れば、こけしに対しての愛着もわきますしね。

今後、土湯温泉の再生に向けて、わたくしが言えることは、「個人のアイデアを町のアイデアとして展開できるか」その部分のような気がしました。
どちらにしても、若い人たちが中心になって動いていったほうが良いと思います。

晴れのち曇り時々Ameブロ-味処みろく

さて、旅の楽しみといえば、もちろん食事ですよね。
ということで、まず最初に紹介するのが、らーめんと餃子の店「みらく」です。
美人の女将さんと娘さんが切り盛りするお店。
この店の名物は満月餃子で、オランダ大使館のパーティーに於いて、皇太子様にも献上された一品です。

晴れのち曇り時々Ameブロ-みろくの餃子とらーめん

今回は、招福萬来みらくのらーめんと、満月餃子1人前を注文しました。
ラーメンにしても、餃子にしても、女性が切り盛りしているということもあり、“美味しくて体に優しい”といった感じです。
野菜が少し多めなのでしょうかね?ガツンとしたインパクトは無いのですが、サッパリとしていて飽きが来ない、幾らでも食べれてしまうような味でした。
宴会でお酒を飲んだ後には、こういうサッパリ系のラーメンと餃子は嬉しいですよね。
メニューに載っていた、カレー味の餃子も食べてみたかったな。
因みに、餃子を満月状に並べるためには、5~6人前必要だそうです。

晴れのち曇り時々Ameブロ-喫茶「ハーモニー」

散策の途中で、ちょっとお茶をしたいなと思ったら、喫茶「ハーモニー」で一服。
モダンな造りの店内には、ジャズ音楽が流れ、土湯の伝統こけしが所狭しと並んでいました。
ここで、ちょっと気付いたことが一つ、こけしって、洋風建築にも合うんですね。
とくに土湯系こけしは、シンプルでいてちょっとオリエンタルな配色と、シュっ!とした立ち姿が、モダンな内装にもよく溶け込んでいました。
工芸品としてだけでなく、インテリアとして捉えると、また楽しみ方も広がるかも?

晴れのち曇り時々Ameブロ-ベイクドチーズケーキ

そして、オーダーしたのはベイクドチーズケーキのセット。
レアチーズケーキとは違った、深みのある大人の味です。
自家製ではなく、ケーキ屋さんから取り寄せているとのことでした。
福島市内かな?とても美味しいケーキでしたよ。
自家焙煎のコーヒーも、ケーキに合わせた大人な香りで美味しかったです。
店の雰囲気とケーキとコーヒー、すべてが深煎りにマッチしていて、意図があるのかないのかは別にしても見事だと思いました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-ひさごCAFE

今回最後に紹介するのは、そば粉のガレットとクレープのお店「ひさごCAFE」です。
なかなかお客さんが一杯で入れなかったのですけど、夕方になり空いたようだったので、今日はこちらで夕食をとることにしました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-そば粉のガレット

サラダガレットのセットを頼んだのですが、そば粉のガレットって、美味しいですねー
初めて食べましたが、ヘルシーで凄く美味しかった!
サラダの下に隠れている温泉玉子が、また土湯温泉らしくて良かったです。

晴れのち曇り時々Ameブロ-紅茶とアイスクリーム

セットなので、デザートのアイスクリームと、コーヒーor紅茶が付いてきます。
朝からコーヒーばかり飲んでいたので、久しぶりに紅茶にしてみることにしました。
何故か「え?」という顔をされてしまいましたが、とても美味しい紅茶でしたよ♪
もしかして、ここはコーヒーが自慢のお店だったのかな?
次回来た時には、自慢のコーヒー、お願いしますね。

晴れのち曇り時々Ameブロ-手作りクッキー

店内では、可愛らしい絵柄の手作りクッキーも販売されていました。
そば粉のガレットを作っていたのは、みらくの娘さんと同じぐらいの年頃でしょうか?
女性のシェフだったのですが、料理についてよく勉強されている人だなという印象を受けました。
土湯には、他にも手打ちそばのお店をはじめ、温泉玉子屋さんや手作りこんにゃくの専門店など、ユニークなお店が沢山揃っていますので、お越しの際にはぜひ!

晴れのち曇り時々Ameブロ-足湯下ノ湯

ゆっくりし過ぎてしまい、気がつけば予定のバスに乗り遅れてしまったので、足湯に浸かり次のバスをのんびり待つことにしました。
土湯温泉は、基本弱アルカリ単純泉なのですが、背後に吾妻山を構えているということもあり、単純硫黄泉や重曹泉などの特異泉質を持つ宿があるのも特徴です。
宿泊はもちろん、多くの宿が日帰り入浴を行っていますので、泉質の違う温泉を巡り歩くのも、旅の思い出になるかもしれません。

気がつけば雨もあがり、すっかり日が暮れたバス停で傘を片手に待っていると、坂の上からなにやら二つの明かりがこちらに向かって降りてきました。
ちょっと期待したのですが、残念・・・猫ではなく普通のバス。
でも、乗客は予想通り一人っきり。
福島の駅が近づき、乗客が一人また一人と増えていくにつれ、徐々に日常へと引き戻されるような、そんな不思議な時間。
どことなく、ジブリ映画に出てくるような雰囲気もあり、忍者の隠れ里のような一面もある、こけしの里「土湯温泉」、なかなか魅力的な町でした。
久しぶりに、宮崎駿先生の作品を映画館で鑑賞したくなったな。。。


- ひとりごと -

町を歩いてみて感じるのは、やはり原発事故による風評被害。
かつて賑わった温泉街も、今は閑散と沈んでいました。
「福島には、もう人が住んでいないと思われているのかな・・・」
ポツリと、まつや物産店のご主人が呟いた言葉。
福島の人たちは、皆明るい笑顔で接してくれますが、心の奥底で降り続いている雨を一瞬垣間見たような気がしました。

この原発事故で、皆さんは築き上げて来た大切なものを沢山失ってしまいましたね。
しばらくは、雨の日が続くかもしれませんが、わたくしも出来る限りのことはしますし、雨が降っていても伺いますので、これからもよろしくお願いします。(^_^)
また全国の皆様、福島への変わらぬ応援、よろしくお願い申し上げます。m(__)m

晴れのち曇り時々Ameブロ-荒川大橋


【関連リンク】
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福島県観光交流課(宝探しイベント)
※開催期間:2012.3.3~2012.5.27
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