福島旅行記8 水芭蕉が咲く神秘の湿原を歩く | 晴れのち曇り時々Ameブロ

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晴れのち曇り時々Ameブロ-吾妻山麓の風景

標高1700メートル、日本百名山で知られる名峰「安達太郎山」。
その山麓に、隠されたように佇む3つの沼と湿原の存在をご存知でしょうか?
今回は、水芭蕉とカタクリの花を訪ねて、女沼・男沼・そして仁田沼を歩いてみることにしました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-土湯温泉街

出発は、こけしの里でも有名な土湯温泉。
福島駅からバスで40分程。
当日は、毎年恒例の「土湯こけし祭り」が開催されていて、多くの人で賑わっていました。
子供たちも、大はしゃぎで楽しそう♪

晴れのち曇り時々Ameブロ-女沼に向かう林道

土湯温泉から、水芭蕉の自生地入口までは距離にして約3キロの道程、林道を40分位歩きました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-林道からの風景

林道からは、写真のような渓谷や遠く福島市街も眼下にみることができます。

晴れのち曇り時々Ameブロ-喫茶「たかいし」

のんびり歩いていると、雰囲気の良い喫茶店を道沿いに見つけました。
お昼には少し早かったのですが、限定ランチという看板が目に留まったので、山歩きの前に腹ごしらえをすることに・・・
入ったのは、喫茶「たかいし」というお店。
窓からの眺望がよく、店内はスッキリとしていてとても清潔感がありました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-数量限定の日替わりランチ

そして、こちらが数量限定のランチセット。
わたくしが入る前にご夫婦が2人いて、その後6名グループが頼んだら終わりになってしまったので、1・2・3・・・
恐らく、先着10名位で終わりかも?
味は、健康志向の自然食という感じで、優しい家庭的な味付けで美味しかったです。
それと、盛り付けや使っている器がお洒落!
思いがけず、高石家のご馳走をいただくことができました。
ランチセットは数量限定ですが、ドリップ珈琲も美味しかったし、自家製シフォンケーキ等もありますので、休憩がてらぜひ立ち寄ってみてください。
ただ、座席数がちょっと少なめ。

晴れのち曇り時々Ameブロ-吾妻山麓の風景

お昼ごはんを済ませた後、再び林道を歩き始めると、別荘地のような平坦な場所にでました。
この辺りは、もうすでに散策コースの一部。
山歩きを楽しむハイカーの姿も、徐々に見かけるようになります。

晴れのち曇り時々Ameブロ-女沼

しばらく歩くと、瞳のように美しい女沼を眼下に眺める「つつじ山公園」に到着しました。
女沼は、千年以上も前の大同年間、山津波により男沼と共につくられたと伝えられています。
深さは約8メートルあり、ハヤ・ヤマメ・イワナ・マスなどが生息していて、沼から流れ出た水は信達平野の灌漑用水として使われています。
女沼までは、遊歩道に沿って畔まで降りられるので、さっそく足を進めてみることにしました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-女沼

森の中に佇む静かな湖沼、時折水面にさざなみが立ち、久しぶりに心落ち着く時間を過ごすことができました。
こちらには、昔から雨乞いの風習があり、明治末期まで日照りが続くと村民が皆で集まり祈祷されていたようです。
今は、ハイカーの憩いの場。

晴れのち曇り時々Ameブロ-カタクリの花

周辺はカタクリの群生地になっていて、こんな可憐な花を道端で多く見かけることがあります。
ひっそりと・・・なんか良い感じですよね!

晴れのち曇り時々Ameブロ-思いの滝

カタクリの群生地から程近い場所に、二筋の滝が折り重なって一筋の滝になる「思いの滝」があります。
滝の名称は、会津落城の際の里娘と若武者の恋物語に由来しているとのこと。
土湯温泉と会津?一見すると関連性が薄いようにもみえますが、商人はじめ昔の人は思った以上に行動範囲が広かったのかもしれません。
会津喜多方のお味噌屋さんが、江戸時代に福島や山形まで商いに出ていたという話は聞いていますので。

晴れのち曇り時々Ameブロ-仁田沼に向かう山道

滝のマイナスイオンをたっぷり浴びた後、仁田沼までの約3キロの山道を歩くことにしました。
枯れ草を踏み歩きながら、土の匂いを身近に感じることができます。
都会では味わうことのできない、少し贅沢な時間。
歩き疲れて立ち止まると、山の静けさがぐっと迫り来るのを実感しました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-仁田沼

鳥のさえずりを聴きながら山道を歩くこと約30分、今回の目的地でもある仁田沼に到着しました。
沼というよりかは湿原のような印象で、立ち木の中に小川が蛇行しながら流れている神秘的な雰囲気。
吾妻連峰の標高600メートル程の場所にあり、約10万株の水芭蕉が自生しています。

晴れのち曇り時々Ameブロ-仁田沼の水芭蕉

お目当ての水芭蕉は、ほらっ!こんなに沢山咲いていました。
まさに、山の妖精と呼ぶにふさわしい花。

晴れのち曇り時々Ameブロ-仁田沼の水芭蕉

気品高く優美な姿で咲いている子もいれば・・・

晴れのち曇り時々Ameブロ-仁田沼の水芭蕉

こちらに向かって、笑顔で手を振っている子もいたりします。

晴れのち曇り時々Ameブロ-仁田沼の水芭蕉

水芭蕉にも一輪一輪個性があり、とても表情が豊かで清楚かつ可憐な花でした。
せっかくなので、フォトギャラリー的に仁田沼の風景を何枚か掲載させていただきます。


■ 題名『白い妖精の森』
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晴れのち曇り時々Ameブロ-仁田沼の風景

晴れのち曇り時々Ameブロ-仁田沼の風景

晴れのち曇り時々Ameブロ-仁田沼の風景

晴れのち曇り時々Ameブロ-仁田沼の風景

晴れのち曇り時々Ameブロ-仁田沼の風景

晴れのち曇り時々Ameブロ-仁田沼の風景

晴れのち曇り時々Ameブロ-仁田沼の風景

晴れのち曇り時々Ameブロ-仁田沼の風景

晴れのち曇り時々Ameブロ-仁田沼の風景

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Camera: キャノンPowerShot G15


水芭蕉とカタクリの見頃は、4月中旬~下旬とのこと。
5月の連休位までは、楽しめるかもしれません。
土湯温泉周辺の水芭蕉の見頃は、びっき沼が4月初旬~中旬、仁田沼が4月中旬~下旬、土湯峠が5月初旬~中旬と、場所によって開花をずらしながら咲いてゆきます。
5月以降は、土湯峠の水芭蕉とつつじ山公園(5月中旬~下旬)、堤ヶ平のヒメサユリ(5月下旬~6月上旬)がお薦め!

晴れのち曇り時々Ameブロ-男沼

そして、今回最後に立ち寄ったのが、こちらの男沼です。
女沼や仁田沼とは対照的に、人が少なく静かな場所でした。

晴れのち曇り時々Ameブロ-男沼

湖畔は一周することができ、ヤマモミジやイタヤカエデ、イロハモミジが多く自生していることから紅葉の頃に訪れるのが良いかもしれません。
静かな日は、紅葉が水面に映し出されそうな・・・そんな期待も抱かせてくれます。

晴れのち曇り時々Ameブロ-あけばの湿原

また、男沼の近くには、あけぼの湿原という水芭蕉の自生地があります。
四季折々に自然の美しさを魅せてくれる吾妻山系の森。
そして、麓には名湯で知られる土湯温泉。
自然あり、温泉あり、伝統あり、今回訪れてみてまた新たな福島の魅力を再発見することができました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-まつや物産店

土湯温泉といえば、伝統こけしの里。
帰りのバスまで時間があったので、昨年も訪れた際、こけしの絵付けを教えていただいた先生のお店「まつや物産店」に寄ってみることにしました。
1年ぶりにお会いした阿部先生も、とても元気そうでよかったです。(^_^)
若先生の手掛ける「ほほえみがえし」も相変わらず人気のようで、予約しても4ヶ月待ちとのこと。
「風評被害で、お客さん誰も来ないよ!」と、ぼやいているわりには、こけしはちゃんと売れているようでちょっと安心。(笑
確かに、週末などは観光客もボチボチ来てくれているようですが、平日はまだまだ少なそう・・・
中国や台湾はじめ、海外からの団体客が少し増えてくれればよいのですけどね。

せっかくこけしの里を訪れたので、今回はお土産に何か一つ買って帰ることに♪
人気の“ほほえみがえし”も、もちろん欲しかったのですが、わたくしは4ヶ月間も待って買うほどコレクターでもないので、典型的な土湯系スタイルのものを選んでみることにしました。
しばらく店内を見渡すと、多くのこけしの中に一体だけ気になるものを発見!
まるで命が吹き込まれているような、そんな不思議な空気を感じとったので、迷わずそれを購入することに・・・
ところが、会計をしようと手渡したところ、作者に気付いた先生の奥様から思いもよらない言葉が返って来ました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-土湯こけし(大内一次作)

実はこのこけし、大内一次という名工の作品で、かなり貴重なもののようでした。
大内一次という人物は、明治42年生まれの方で、すでに20年位前に他界されているようです。
土湯温泉ではなく、お隣二本松市の岳温泉を拠点に土湯系こけしを製作されていたとのこと。
それを考慮に入れると、このこけしは昭和40年頃に作られたものかもしれません。
先生も奥様もびっくり!なぜここにあったのかも分からず、長年誰にも気付かれずに奇跡的に残っていたということなのでしょうか?(^_^;)
「この人は本当に凄い人でね、首を回すとキュッ!キュッ!と音がするんだよ。」と、奥様が熱心に説明してくれました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-土湯こけし(大内一次作)

ともかく表情が素晴らしいのでアップでもう1枚。
まるで命が宿っているかのようです。

晴れのち曇り時々Ameブロ-土湯こけし(大内一次作)

底面には、しっかり直筆のサインも入っていました。
さすがに、明治生まれの重鎮は達筆ですよね。
今回は、思いもかけず名品を手にすることとなりましたが、誰の目にも留まることなく何十年もそこにあり、たまたま訪れたわたくしが気に入り、購入してみたらそういうことでした。
最近では、ネットを使って色々なものを購入できるようになりましたが、こういう偶然にもめぐりあえますので、こけしの里「土湯温泉」、ぜひ一度訪れてみてください。
因みに、大内一次作のこけし、わたくし通常価格の2800円で購入しましたが、もう手に入らないし、普通は5000円以上するだろうねと言っていました。
もちろん、我が家の家宝なので誰にも譲りません。


- 絵付けの先生へ -

昨年に引き続き、今年も大変お世話になりました。
このこけし、偶然手にしたような形ではありますが、なぜか一次先生が感謝の意を表してくれているような、そんな気がしてなりません。
『姿は見えずとも、工人の思いは何時も一緒』・・・だそうです。(笑
土湯こけしが、絶えることなく未来永劫伝承されていくことを心から願っています。m(__)m

晴れのち曇り時々Ameブロ-日本百名山「安達太郎山」

日本百名山「安達太郎山」


【関連リンク】
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土湯温泉観光協会
岳温泉観光協会
福島市観光コンベンション協会
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