おはようございます
「冷えは万病のもと」とは、東洋医学で長く言われ続けていること。で、「それは西洋医学でも同じじゃないの?」というコトー先生 の記事 を、「西洋医学でも「冷えは万病のもと」?」 でご紹介して、「冷え」を考えるシリーズを始めました。
次いで、冷えの原因を西洋医学的な観点からまとめたのが「冷えの原因を解剖生理学でみると」 で、東洋医学的な観点からまとめたのが「冷えの原因を東洋医学でみると」 。
で、西洋医学では、冷えを抱えた状態を「冷え性」として、病気ではなく体質的なものとして片付けられることが多いのに対し、東洋医学では「冷え症」として治療対象となることもあり、冷え症になりやすいタイプを「冷え性(冷え症)を東洋医学でみると」 でご紹介しました。
毎回お読みくださっている方にはちょっと長い前置きですが、初めてお訪ねくださった方向けに、ここまでのいきさつをご紹介させていただきました。
さて、冷え性(冷え症)になりやすいタイプを詳しくご紹介する第1回目は、陽虚です。陽虚とは、気虚 でからだを温める気の温煦作用 が低下した状態。
陽が虚して(不足して)いるので、バイオリズムの振幅(陰陽) は陰に、体力・抵抗力の強さ(虚実) は虚に、からだの冷えと熱(寒熱) は寒に傾いていて、八綱弁証 では裏虚寒証(りきょかんしょう)となります。
体質的な陽虚タイプは、おもに両親から受け継いだ陰陽のうちの陽、これを元陽(げんよう)と言いますが、その元陽が不足しています。からだ全体の代謝が悪く、精力が弱く、熱量が不足して内寒 を生じるため、冷え症になるんです。
生まれつき元陽が不足気味でも、食事や生活環境などに気をつけて養生していれば、陽虚体質で多少の不調はあっても、陽虚証という病証 (病的な状態)になることはありません。
ところが、↓次のような不養生をしてしまうと、陽虚証となって、他の病気にもかかりやすくなります。
② 解熱剤や大黄甘草湯 のような寒下剤など、寒涼剤をやたらと使う
③ 房事過度 (節制のない性生活)によって腎精の不足 を起こす
④ 雨にぬれたり、汗をふかなかったり、伊達の薄着をしたり、布団をかけずに寝たりしてからだを冷やす
ということで、養生法としては、まず↑のようなことをしないこと。東洋医学講座No.43 にあったように、息の上がらない程度のゆっくりとした有酸素運動で代謝アップすること。そして、関元 ・気海 ・命門 などのツボを温めたり、腹式呼吸 をすることかな。腹巻やレッグウォーマーもおススメです。
陽虚証がなぜ他の病気を招きやすいか?というと、
① 冷えだけでなく、他の気虚症状 も誘発して、消化吸収も、代謝も、防衛機能も、みんな低下する
② 気の作用 が低下すれば、気血津液の関係 にあるように、血と津液 が流れにくくなったり不足したりする
③ 精の不足も起こすため、精神 の不調にもつながる
なんてことが起こるからです。まさに「冷えは万病のもと」でしょ? 臓腑の中で陽虚になりやすいのは脾陽虚 と腎陽虚 です。
そもそも元陽が不足気味になるのは、
① 親が陽虚体質であるとき
② 母親が妊娠中・授乳中にからだを冷やしたとき
お母さんのからだの状態は、直接的・間接的に子どもに影響して、夜泣き や夜尿症 の原因にもなるので、とくに気をつけましょう。
冷え解消法は→からだの不調と対処法の目次
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一天一笑、今日もいい1日にしましょう。
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