冷えの原因を解剖生理学でみると | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


からだの冷え、おなかの冷え、手足の冷え、腰の冷え…。一口に「冷え」と言っても、いろんなタイプがありますね。みなさんはどんなときに「冷えてる」って感じますか?


西洋医学的に解剖生理学で「冷え」を考えてみましょう。さまざまな病的な状態がそうであるように、「冷え」も、急性の冷えと、慢性・反復性の冷えに分けることができます。


急性の冷えは、一時的なもので、たとえば、寒い日に薄着で出かけたとか、突然の雨にぬれてしまったとか、寒さに当たったときの冷え。また、精神的に緊張したときや排尿した後の冷え、カゼなどで発熱する前の悪寒なども急性の冷えになります。


一時的な急性の冷えは、すぐに温まれば、あるいは時期が過ぎれば治るもので、さほど心配することはありません。問題は、慢性的なもしくは反復性の冷え。放っておくと低体温の原因になりますし、昨日の「西洋医学でも「冷えは万病のもと」?」 にも書いたように、さまざまな不調につながりますからね。


ところで、昨日記事にしてから気づいたんですが、「低体温」と「冷え」は同じようで違うものなので、ここで確認しておきましょう。低体温は、体温が低いワケですから、からだ全体が冷えている状態。冷えは体表面だけとか、足腰だけとか、部分的に冷えを感じるもの。


つまり、低体温でなくても、冷えてる人はいるってことですね。その一方で、低体温は、それが当たり前の状態になってると、とくに冷えを感じなくなることもある。


慢性・反復性の冷えの原因については、去年、「そもそも冷えの原因って?」 で取り上げてるんですが、ちょうど「冷えシリーズ」を書かれていた代替医療師Vanilla さんをご紹介して、人任せにしちゃった(笑)。


一応まとめておくと、

① ストレスによる交感神経の過緊張とストレスホルモンの作用

② 筋力低下による熱産生能力の弱さ

③ 消炎鎮痛剤をはじめとする薬の副作用

④ 熱産生ホルモン分泌の不安定性

⑤ 貧血 

などがあげられます。


①~③については、代替医療師Vanillaさんが詳しく書かれてます。「冷えシリーズ 目次」 にリンクを貼ってありますから、そちらをご参照くださいね。やっぱり人任せか(笑)。


①については、「ストレスとホルモンと自律神経の関係」 や、「今さらですが、ホルモンって何?」「自律神経って何してるの?」 あたりもご参考にしてくださいね。


②については、「そもそも冷えの原因って?」「子どもたちが心配だぁ~」 でも書いてます。お年寄りが寒がりになる理由のひとつが筋力低下。寝たきりになると、余計に冷えるようになるのはそのためなんですね。


③については、東洋医学的な面で「漢方便秘薬もからだを冷やす?」 を書いてますが、西洋医薬については書いたことないかも? 


④の熱産生ホルモンというのは、細胞の働きを活性化して、熱エネルギーをつくる作用のあるホルモンのこと。甲状腺ホルモンや黄体ホルモン(プロジェステロン)、成長ホルモンなどがあります。


甲状腺ホルモンは、新陳代謝に働くホルモン。細胞の活動を活発にします。筋力低下に加えて、お年寄りが寒がりになるもうひとつの理由は、加齢による甲状腺ホルモンの分泌低下なんです。甲状腺機能低下症 で冷えやすいのも同じ。


黄体ホルモンは、女性の性周期に関わるホルモン。黄体ホルモンの分泌が増えると、基礎体温は高温期に入ります。思春期や更年期に女性のからだが冷えやすいのは、黄体ホルモンの分泌が不安定になるから。


成長ホルモンも、「寝る子は育つ、美人は夜つくられる」 にあるように、新陳代謝に働きます。夜の10時~2時くらいの間(特に11時と2時ころ)に分泌が活発になりやすい。なので、夜更かしして寝不足が続くと、成長ホルモンの分泌が減って、疲労回復が遅れたり、肌荒れしたりするだけでなく、冷えにもつながります。


⑤の貧血では、血液中の酸素濃度が低くなります。細胞の活動エネルギーをつくるには、酸素が必要なのに、その酸素が不足すれば、当然エネルギーをつくる能力が低下して、熱もつくりにくくなるというもの。


代謝と熱エネルギーに関しては、「冬こそダイエットに最適?」「夏は代謝が落ちる?」 なんかも読んでいただくと、わかりやすいかも。


また、「ときには冬の寒さも楽しまなくちゃ」 に書いたように、冬の寒さ・夏の暑さを体感することなく、からだを甘やかしてしまうことも、体温調節機能を弱くしちゃいます。あと、「もしかして冷えてる?」 でご紹介した、手足のほてる「かくれ冷え性」もご注意いただきたいですわ。


食事も重要な要素ですが、これは東洋医学的に考えたほうがわかりやすいので、次回お届けしますね。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』-菊


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