おはようございます
新型インフルエンザ、お隣の韓国や香港で感染者が見つかり、ヨーロッパでもスペイン、フランス、イギリスなどで出ています。ただ、メキシコでの死亡数が当初100人とか言われていたのが、下方修正されたことからもわかるように、新型インフルエンザそのものの毒性はさほど強くないようです。それもあってか、フェーズ6(パンデミック)への変更、WHOはまだ出していませんね。どうなるでしょうか。
侍戦隊シンケンジャーも佳境に入ってきました。次々と送られてくる刺客と対戦するたび、強くなっていくシンケンジャーたち。互いに命を預け合うことを誓いあいます。30分の間に悪者と戦うだけでなく、人としての成長も見せてくれる の5人。すごーく展開が早くて、ついていくのが大変(笑)。
五臓六腑も、シンケンジャーに負けないチームワークで、日々懸命に働いてくれています。肝、心、脾、肺、腎の五臓に、胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦の六腑。今回は六腑の働きについてお話しましょう。
東洋医学講座のこれまでの記事をごらんになりたい方は
こちらをクリック→ 「東洋医学講座 目次」
☆胆(たん): 五行の木に属し、肝と表裏関係
胆汁を貯蔵・分泌し、先週の「五臓六腑とは」 でお伝えした腑の定義から少しはずれるので、奇恒の腑と言われます。
胆による胆汁の分泌には、肝の疏泄機能が深く関与します。したがって、肝の不調はそのまま胆の不調につながります。胆汁は消化を助けるものであり、胆の不調は脾胃の不調にもつながります。このあたりは、西洋医学的に考えても同じですね。
東洋医学の独特な考え方は、精神意識活動への関与という点。「五臓の生理 その3」 では書きませんでしたが、「肝は謀慮をつかさどる」とも言われます。これに対し、「胆は決断をつかさどる」と言い、肝のめぐらせた考えに、胆が決断を下すことで、精神意識の活動が正常に行われるとされます。よく「肝っ玉が小さい」とか、「大胆なやつ」とか言いますよね。それはこの考え方から来ているのです。
☆胃(い): 五行の土に属し、脾と表裏関係
口から入った飲食物は、食道を経て胃に収納され、消化されますね。胃が飲食物を受け入れることを受納、消化することを腐熟と言います。「五臓の生理 その4」 で解説しましたが、飲食物のことは水穀、消化吸収した栄養物質のことは水穀の精微と呼ぶんでしたね。そこで、「胃は水穀の受納・腐熟をつかさどる」と言います。
胃の受納・腐熟は、脾の運化と密接に関係しているために、消化吸収に関わる脾胃の機能をまとめて胃気と称します。生命維持に重要な水穀の精微を得るための胃気、『養生訓』にもたびたび登場しますので、覚えておいてくださいね。
胃は受納・腐熟した水穀を小腸へ降ろす働きを持っています。さらに、小腸で分別された不要物質すなわち濁なる物を大腸へ降ろす働きも持っています。このことを「胃は通降をつかさどる」あるいは降濁作用と言います。
☆小腸: 五行の火に属し、心と表裏関係
胃から送られる水穀を受け入れる機能(これを受盛と言う)と、脾の力を借りて消化を進めて水穀を清なる物(精微)と濁なる物(糟粕)とに分ける機能(これを化物または清濁の泌別と言う)を持っています。
☆大腸: 五行の金に属し、肺と表裏関係
小腸が分別したうちの糟粕を受け取り、余分な水分を吸収して、糞便を作ります。この機能を伝化と言いますが、このことから水液代謝に関与しているとも考えられるので、「大腸は津(しん)をつかさどる」とも言われます。津は水分のことです。
☆膀胱: 五行の水に属し、腎と表裏関係
膀胱は、腎の作用で作られた尿を貯めて、体外へ排泄します。解剖生理学的な貯尿・排尿と同じです。
☆三焦: 五行の火に属し、心の保護膜である心包と表裏関係
他の臓腑と違い、解剖生理学的に当てはまるものがありません。リンパに相当するとか、尿管に相当するとか、様々な説・主張が飛び交っています。そういう意味では、実に東洋医学的な腑なのかもしれません。
全身の気が変化したり機能したりする場所であり、気が出入りする通路であるとされています。横隔膜より上を上焦、横隔膜から臍までを中焦、臍から下を下焦と区分し、総称して三焦と呼びます。また、水液が出入りする通路とも考えられています。
先ほど、胆が奇恒の腑であると述べました。奇恒の腑は、形は腑に似ていて、機能が臓に似ているもので、胆のほかに、脳、髄、骨、脈、女子胞があります。脳は脳みそ、髄は脊髄、骨は骨、脈は血管、女子胞は子宮に相当します。
次回は臓腑間の関係を見ていきましょう。
今日は子供の日ですね。子供たちにとって楽しい1日でありますように。
一重のバラは最近あまり見かけませんね。ご近所さんのつるバラ。白が輝いています。