『養生訓』 子供の育て方(巻八28) | 春月の『ちょこっと健康術』

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今日は子供の日ですから、益軒先生の子育ての術を見てみましょう。


小児をそだつるは、三分の飢と寒とを存すべしと、古人いへり。いふ意は、小児はすこし、うやし(飢)、少ひやすべしとなり。小児にかぎらず、大人も亦かくの如くすべし。小児に、味よき食に、あかしめ(飽)、きぬ多くきせて、あたゝめ過すは、大にわざはひとなる。俗人と婦人は、理にくらくして、子を養ふ道をしらず、只、あくまでうまき物をくはせ、きぬあつくきせ、あたゝめ過すゆへ、必病多く、或命短し。貧家の子は、衣食ともしき故、無病にしていのち長し。


子供を育てるには、「三分の飢餓と寒さがあるほうが良い」と、昔の人はいう。その意味は、子供は少し空腹を感じさせて、少し冷たい思いをさせるほうが良いということだ。子供だけではなく、大人もこうした苦労をさせたほうがよい。子供に、美味な食物を飽きるほど食べさせ、上等の着物を厚着させ、あたため過ぎるのは、後々大きな禍いとなる。俗人と婦人とは、理に疎く、子を養育する道を知らない。ただお腹いっぱい美味しい物を与え、着物を厚く着せてあたためすぎるので、必ず子供は病気がちになって命を短くする。貧家の子供は、衣食ともに乏しいので、かえって病気にならず長命である。


「三分の飢え」というのは、身体にある程度の危機感を持たせて免疫力を上げるということと、気まま、欲しいままにするクセをつけないということの両面があるのではないでしょうか。「三分の冷え」については、子供が元々陽気の強い存在だからなのですが、このことについては明日書きますね。


人の身体は面白いもので、甘やかしてしまうとどんどん弱くなります。また、反対に厳しすぎても弱ります。けれど、ちょっとの刺激で危機感を感じると、それに対抗して強くなろうとします。この身体のしくみを利用して、丈夫な子供を育てようという主旨なのでしょう。


大人も同じというのが、「腹七、八分の飲食」 「冬と衣服」 に出てきたお話につながりますね。


今回の益軒先生の言の中で、「俗人と婦人は、理にくらくして…」の部分には、ちょっとそれはないんじゃないって思います。まぁ、時代が時代ですから、しかたがないのでしょうが、見識の広い益軒先生ですから、女性に対する評価も世間一般を超えていてほしかったなと、ちょっとがっかりです。


先日、セトミさんの真似をしてブログ上でお願いをしたところ、栄養士のる~みんさん がご自身のブログに載せてくださいましたよ、免疫力アップに効く『ごぼうの梅煮』。大地の恵みとごぼうのパワーを丸ごといただけそうです。る~みんさん、ありがとうございます。

その記事はこちら→ 「免疫力アップ~!!!『ごぼうの梅煮』」  


春月の『ちょこっと健康術』-浅間山  春月の『ちょこっと健康術』-浅間山  


先週、長野からの帰り道に新幹線の中から撮影した浅間山です。真上に上がっているのは噴煙なんですけど、雲と溶け合ってよくわかりませんね。