東洋医学講座 No.43 虚弱体質タイプ | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


東洋医学的な体質のとらえ方、先週はリストだけしましたけど、ひとつひとつ見ていきましょうね。まずは、気血津液のいずれかが不足しやすい、あるいはもともと不足気味の「虚弱体質タイプ」について。


それぞれ、出やすい不調、予防のための養生法、手当てしておくといいツボをお届けします。ツボについては、緑字になっているものはツボ名をクリックしていただくと、そのツボの位置や効用をご覧いただけます。


1 気虚体質(気が不足しやすい)


① 出やすい不調

○ 呼吸が浅く、息切れしやすい

○ 暑くもないのに、動くとすぐ汗ばむ

○ 倦怠感があり、やる気がなかなか出ない

○ からだを動かすとすぐ疲れて、横になりたがる

○ いつも眠い

○ 話すことさえおっくうなことがある

○ よく立ちくらみを起こす

○ 太り気味でプヨプヨしている(筋肉が少なく、やせている場合もある)

○ 舌の色が淡い、脈が弱い


② 養生法

※ 甘味・温性のものを摂る。ただし、果物のように水分の多いものは摂りすぎないこと。また、いくらよいからといって、甘味のものを多く摂りすぎると逆効果になるので要注意です。

※ 息が上がらない程度のゆっくりした有酸素運動を、無理のない範囲で行なう。ウォーキングやスロージョギングなどがいいですね。


③ ツボ

合谷  足三里  関元  気海


2 血虚体質(血が不足しやすい)


① 出やすい不調

○ 顔につやがない、唇や爪の色のピンク色が淡い

○ 動悸を感じることが多い

○ 眠れない、または夢を見ることが多くて熟睡感がない

○ めまいを起こしやすい

○ 手足がつる、あるいはしびれる

○ 便が乾き気味で硬め

○ やせている

○ 舌の色が淡い、脈が細い

○ 女性は、月経血量が少なく、周期が遅れやすい


② 養生法

※ 良質のタンパク質をしっかり摂る。辛味・熱性のものは摂りすぎないこと。

※ 激しい運動やサウナのように、大量に汗をかくことは控える。気虚体質と同様に、ゆっくりとした有酸素運動がおすすめです。


③ ツボ

三陰交  膈兪・肝兪・脾兪(ツボの位置は六つ灸 を参照してくださいね)


3 陽虚体質(気虚で温める機能が低下しやすい)


① 出やすい不調

○ 手足または全身が冷えやすく、寒がり

○ 顔色が青白い

○ 食事は温かいものを好む

○ 寒いと調子が悪く、温まるとよくなる

○ 頻尿、または尿の色が薄く量が多い

○ 舌の色が淡い、舌苔は白い、脈は沈んでいて遅い

○ 気虚体質の症状が出ることもある


② 養生法

※ 甘味と辛味のものを合わせて摂る。寒性のものは控える。

※ 運動は気虚体質に準じます。


③ ツボ

気海  関元  命門


4 陰虚体質(津液の不足・血虚で冷やす機能が低下しやすい)


① 出やすい不調

○ 頬が紅い、のどが乾きやすい

○ 夕方から夜に微熱が出やすい、よく寝汗をかく

○ 手のひら・足の裏がほてる

○ 眠れない、または夢を見ることが多くて熟睡感がない

○ 温まったときや夜間に具合が悪くなりやすい

○ やせている

○ 舌の色が紅い、舌苔が少ない、脈は細くて速い


② 養生法

※ 甘味と酸味のものを合わせて摂る。辛味・熱性のものは控える。

※ 激しい運動やサウナのように、大量に汗をかくことは控える。深夜の活動を控える。


③ ツボ

三陰交  復溜  腎兪


気づかれた方も多いと思いますが、気虚と陽虚、血虚・津虚と陰虚はそれぞれ関連しています。また、気虚体質と血虚体質の合わさった気血両虚体質もあります。出やすい症状をチェックして、項目の多いものが当てはまる体質であり、その病いになりやすいことを認識して、日々の養生に努めましょう。


今回ご紹介したのは、虚弱体質タイプのみですので、当てはまるものがない方も、もちろんいらっしゃるはず。私自身もこの中にはありません。次回の代謝障害体質タイプをお待ちくださいね。


これまでの東洋医学講座はこちら→「東洋医学講座 目次」


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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