音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~ -28ページ目

音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

大阪フィルハーモニー交響楽団

第568回定期演奏会

 

【日時】

2023年5月19日(金) 開演 19:00

 

【会場】

フェスティバルホール (大阪)

 

【演奏】

指揮:アンガス・ウェブスター

ピアノ:小林海都 *

管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

(コンサートマスター:崔文洙)

 

【プログラム】

ブラームス:悲劇的序曲 作品81

ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 作品21 *

チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 作品74 「悲愴」

 

※アンコール(ソリスト) *

ショパン:マズルカ 第16番 変イ長調 作品24-3

 

 

 

 

 

大フィルの定期演奏会を聴きに行った。

指揮は、1999年イギリス生まれの若き指揮者、アンガス・ウェブスター。

ソリストは、1995年横浜市生まれ、2021年リーズ国際ピアノコンクール第2位受賞(その記事はこちらなど)のピアニスト、小林海都。

 

 

 

 

 

最初のプログラムは、ブラームスの悲劇的序曲。

私は遅れて行ったので、残念ながら聴けなかった。

この曲で私の好きな録音は

 

●ミュンシュ指揮 ボストン響 1955年12月5日セッション盤(Apple MusicCDYouTube

●クナッパーツブッシュ指揮 ウィーン・フィル 1957年5月セッション盤(Apple MusicCDYouTube

●ライナー指揮 シカゴ響 1957年12月14日セッション盤(Apple MusicCD

●カラヤン指揮 ウィーン・フィル 1961年9月5-22日セッション盤(NMLCDYouTube

●アバド指揮 ベルリン・フィル 1989年9月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

 

あたりなのだが、これらのうち、今回のウェブスター&大フィルの演奏はきりりと引き締まったアバド盤に近いように感じたものの、モニター越しに聴いただけなのでよくわからない。

 

 

 

 

 

次のプログラムは、ショパンのピアノ協奏曲第2番。

この曲で私の好きな録音は

 

●ポリーニ(Pf) 井上道義指揮 シュトゥットガルト放送響 1973年頃ライヴ盤(CD)

●小林愛実(Pf) プリマ・ヴィスタ弦楽四重奏団 2011年1月13日ショパンコンクール in Asiaライヴ盤(CD) ※弦楽四重奏伴奏版

 

あたりである。

また、実演では2019年の山本貴志のものが忘れがたく(その記事はこちら)、私の中ではこの3つがこの曲における決定的な演奏となっている。

 

 

仙台で聴いて以来(その記事はこちら)4年ぶりに聴く小林海都の演奏は、前回同様みずみずしい音色が大変に印象的。

情感豊かな歌が聴かれるが、その性質は明るく、また速いパッセージはさらりと通り過ぎるあたり、上記のポリーニ、小林愛実、山本貴志といった“ショパン弾き”たちとは異なっている。

ポリーニらの演奏は、速いパッセージでも音符一つ一つに滴るような情感が込められ、涙なしには聴けない。

私としてはそうした“ショパン弾き”のやり方が好きなのだが、小林海都のじとじとしないショパンも新鮮で良い。

上記の3つの名演は私にとって別格だけれど、それに次いで私の好きな

 

●内匠慧(Pf) 岩村力指揮 東京シティ・フィル 2011年8月21日ピティナ特級ライヴ(動画

●牛田智大(Pf) プリマ・ヴィスタ弦楽四重奏団 2012年1月13日ショパンコンクール in Asiaライヴ盤(Apple MusicCD) ※弦楽四重奏伴奏版

●チョ・ソンジン(Pf) ノセダ指揮 EUユース管 2018年8月19日ロンドンライヴ(有料配信

●三浦謙司(Pf) J.Sirvend指揮 フランス国立管 2019年11月15日ロンティボーコンクールライヴ(動画その記事はこちら

●フルネル(Pf) ドゥネーヴ指揮 ブリュッセル・フィル 2021年6月9日エリザベートコンクールライヴ(動画その記事はこちら

●イ・ヒョク(Pf) ボレイコ指揮 ワルシャワ・フィル 2021年10月20日ショパンコンクールライヴ(動画その記事はこちら

 

あたりには迫るような演奏だったと思う。

 

 

 

 

 

最後のプログラムは、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」。

この曲で私の好きな録音は

 

●フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィル 1938年10,11月セッション盤(CDYouTube

●ムラヴィンスキー指揮 レニングラード・フィル 1960年11月7-9日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

●西本智実指揮 ロシア・ボリショイ響ミレニウム 2002年2月4-10日セッション盤(CD

●ネゼ=セガン指揮 ロッテルダム・フィル 2012年8,11月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

●クルレンツィス指揮 ムジカエテルナ 2015年2月9-15日セッション盤(Apple MusicCDYouTube1234その記事はこちら

●西本智実指揮 スヴェトラーノフ記念ロシア国立響 2018年6月28日モスクワライヴ(動画その記事はこちら

 

あたりである。

また、実演ではやはり2018年の西本智実(その記事はこちら)や2019年のクルレンツィス(その記事はこちら)のものが忘れがたい。

 

 

今回のウェブスター&大フィルは、これらほど個性の際立った演奏ではなかったが、オーケストラはしっかり鳴らせていたし、音楽の流れも良くて、弱冠23~24歳にしては堂々たる指揮ぶりだった。

この名曲を演奏できることに喜びを感じているような、若々しい明るいエネルギーがある。

そのぶんチャイコフスキー晩年の苦悩や葛藤はあまり感じられなかったし、また音楽の洗練がもう少し欲しかった部分もあるけれど(第1楽章のヴィオラの第1主題などあっけらかんとした歌わせ方)、スラヴ風のメランコリーを前面に出さない明るい音楽という点で、先ほどの小林海都のショパンと呼応しているのが良かった。

また、そういう解釈にもかかわらず、終楽章の最後の音が消えた後、一分近く身動きせず長い静寂を作り出して聴衆を戸惑わせたのも、若気の至りといった感じで何だか愛らしかった(笑)。

これからの成長、活躍に期待したい。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

好きなピアニスト、務川慧悟&反田恭平の新譜が発売された(Apple MusicCD)。

曲目は、ルトスワフスキのパガニーニ変奏曲、ブラームスのハイドン変奏曲、フォーレのドリー組曲である。

詳細は以下の通り。

 

 

 

 

 

 

 

ベストバディによる2台ピアノシリーズ第2弾!

反田恭平と務川慧悟のピアノアンサンブルシリーズ第2弾!
2012年に日本音楽コンクールで同率1位を獲得し、反田はロシアとポーランドへ、務川はフランスへ、それぞれの留学先で研鑽を積み2019年の初共演から2台ピアノの世界を広げてきた二人がお届けする新たな一枚。
近代のポーランドが生んだ「ルトスワフスキ:パガニーニの主題による変奏曲」、オーケストラのサウンドでも親しまれる「ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 作品56b」、子どもへの愛が詰まった連弾の名曲「フォーレ:ドリー組曲」というピアノアンサンブルの王道プログラム。(販売元情報)

【収録情報】
● ルトスワフスキ:パガニーニの主題による変奏曲
● ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 Op.56b
● フォーレ:組曲『ドリー』(連弾)


 反田恭平(ピアノ)
 務川慧悟(ピアノ)

 録音方式:ステレオ(デジタル)

 

 

 

 

 

以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。

 

 

 

 

 

最初の曲は、ルトスワフスキのパガニーニ変奏曲。

この曲で私の好きな録音は

 

●アルゲリッチ、フレイレ(Pf) 1982年8月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

●反田恭平、小林愛実(Pf) 2021年12月8日東京ライヴ(音源)

 

あたりである。

また、2017年に聴いた佐藤卓史&山本貴志の実演にも圧倒された(その記事はこちら)。

 

 

今回の反田恭平&務川慧悟の演奏は(2023年ツアーと同じならPrimo:反田恭平、Secondo:務川慧悟か)、上記の迫力に満ちた名演たちに比べるとおとなしい。

2人ともライヴの人であり、セッション盤ではそうはいかないのは致し方ないか。

ツアーでの演奏はすごかったようであり、ライヴ録音がもしあれば聴いてみたいものである。

 

 

 

 

 

次の曲は、ブラームスのハイドン変奏曲(2台ピアノ版)。

この曲で私の好きな録音は

 

●小林愛実、反田恭平(Pf) 2021年12月8日東京ライヴ(音源)

 

あたりである。

この曲はオーケストラ版が有名で、フルトヴェングラーやクナッパーツブッシュやカラヤンの名盤がある。

このような感動的な演奏は、2台ピアノ版では表現不可能だとずっと思っていたのだが、小林愛実&反田恭平のライヴ音源を聴いた際、そんな自分の想像力の貧弱さを痛感したのだった。

小林愛実の美しい情感の発露に反田恭平の雄弁な分厚い低音、たった2台のピアノでも大オーケストラに負けない感動的なブラームス演奏が可能であることを思い知らされた。

 

 

今回の反田恭平&務川慧悟の演奏は(2023年ツアーと同じならPrimo:務川慧悟、Secondo:反田恭平か)、それとはまた違った、より淡々としたもの。

小林愛実&反田恭平だと冒頭のテーマからして大変にロマン的で、ぐっと心を掴まれてしまうのだが、今回の演奏はテーマのメロディも低音部も控えめで、より一般的な弾き方となっている。

これはこれで悪くないのだが、この曲もライヴならさらに感動的だっただろうか?

 

 

 

 

 

最後の曲は、フォーレのドリー組曲。

この曲で私の好きな録音は

 

●ヴォロンダ、ヴァンデン・エインデン(Pf) 1989年セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

●ル・サージュ、タロー(Pf) 2012年10月25-28日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

 

あたりである。

いずれも、フランスのエスプリとはこういうもの、といったお手本のような演奏。

抒情的なヴォロンダらと理知的なル・サージュら、とそれぞれ個性が際立っているのも良い。

 

 

今回の反田恭平&務川慧悟の演奏は(2023年ツアーと同じならPrimo:務川慧悟、Secondo:反田恭平か)、ライヴのノリを要する曲でないからか、あるいは務川慧悟得意のフランス物だからか、先の2曲よりも好印象。

この組曲で私が最も好きな第3曲「ドリーの庭」については、上記の2種の名盤があまりに美しいため敵わないが、それ以外の曲については十分に匹敵する。

特に、第1曲「子守歌」中間部のシンプルなメロディの、濁りそうで濁らない幽玄のペダリングが何とも絶妙で(務川慧悟か)、ここについては上記名盤をも上回る最高の演奏だと感じた。

 

 

 

 

 

Two Pianos 2 - 反田恭平 · 務川慧悟 - YouTube

 

※YouTubeのページに飛ぶと全曲聴けます。飛ばない場合は以下のURLへ。

https://www.youtube.com/watch?v=PrCl94GMPMw&list=OLAK5uy_kvwXw6L_ADNXdbH6nWFRyox2bmQJGsfRI

 

 

 

 

 

 

ところで、書きそびれてしまったが、昨年にも務川慧悟の別の新譜が発売されたのだった(Apple MusicCDYouTube)。

ラヴェルのピアノ・ソロ曲全集である。

そちらも良かったらぜひお聴きいただきたい。

 

 

 

 

 

なお、務川慧悟のこれまでのCDについての記事はこちら。

 

務川慧悟のデビュー盤 ラヴェル クープランの墓 バッハ 最愛の兄の旅立ちに寄せて

務川慧悟の新譜 ラヴェル ヴァイオリン・ソナタ ツィガーヌ

務川慧悟&反田恭平の新譜 ラフマニノフ 組曲第2番 ラヴェル スペイン狂詩曲

務川慧悟の新譜 ショパン バラード第1番 ラフマニノフ 楽興の時 ブーレーズ アンシーズ

 

 


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今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

好きなピアニスト、クレア・フアンチの新譜が発売された(Apple MusicCD)。

曲目は、モーツァルトのピアノ協奏曲第15、16、17番である。

詳細は以下の通り。

 

 

 

 

 

 

 

次世代アーティストのシリーズに、クレア・フアンチが登場!

2006年浜松国際ピアノコンクール奨励賞、2011年ミュンヘン国際音楽コンクールに最年少で出場して第2位、2018年にゲザ・アンダ国際ピアノコンクール優勝など多くの入賞歴を持つクレア・フアンチ。既に様々なレーベルからCDを発売し来日公演も成功させている彼女が、次世代アーティストによるモーツァルトの協奏曲のシリーズに登場します。
 モーツァルトが独自のピアノ協奏曲を確立した1784年作曲の3曲を収録していますが、フアンチは作品を自己のものとして完全に消化し、溌溂として瑞々しい音楽を繰り広げています。彼女との共演も多く、このシリーズではお馴染みのハワード・グリフィス率いるモーツァルテウム管弦楽団のサポートも素晴らしく、ピアノと丁々発止のやり取りを展開しスリリングで躍動的な音楽づくりに貢献しました。(輸入元情報)

【収録情報】
モーツァルト:
● ピアノ協奏曲 第16番ニ長調 K.451
● ピアノ協奏曲 第15番変ロ長調 K.450
● ピアノ協奏曲 第17番ト長調 K.453

 カデンツァは全てモーツァルト作

 クレア・フアンチ(ピアノ/スタインウェイ)
 ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団
 ハワード・グリフィス
(指揮)

 録音時期:2021年5月
 録音場所:ザルツブルク、オルケスターハウス
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

 

 

 

 

 

以上、HMVのサイトより引用した(引用元のページはこちら)。

 

 

 

 

 

これらの曲で私の好きな録音は

 

【ピアノ協奏曲第15番】

●シフ(Pf) ヴェーグ指揮 ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ 1990年11月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●ヘルムヘン(Pf) ニコリッチ指揮 オランダ室内管 2013年1月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●平間今日志郎(Pf) 広上淳一指揮 仙台フィル 2019年6月8日仙台コンクールライヴ(動画)

●ハリオノ(Pf) 高関健指揮 仙台フィル 2022年6月18日仙台コンクールライヴ(動画)

 

【ピアノ協奏曲第16番】

●シフ(Pf) ヴェーグ指揮 ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ 1990年11月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

 

【ピアノ協奏曲第17番】

●シフ(Pf) ヴェーグ指揮 ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ 1984年6月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●アンスネス(Pf、指揮) ノルウェー室内管 2007年3月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●チェ・ヒョンロク(Pf) 広上淳一指揮 仙台フィル 2019年6月7日仙台コンクールライヴ(動画)

●阪田知樹(Pf) ブラレイ指揮 ワロニー王立室内管 2021年5月12日エリザベートコンクールライヴ(動画

●レーディキン(Pf) ブラレイ指揮 ワロニー王立室内管 2021年5月13日エリザベートコンクールライヴ(動画

 

あたりである。

 

 

今回のフアンチらの演奏は、これらに匹敵するもの。

とにかくうまい。

彼女らしい溌剌とした演奏で、曲想にぴったりである。

あまり演奏されない第16番はもちろんのこと、競合盤の多い第15番や第17番においても、代表的な盤と言っていいのではないか。

 

 

 

 

 

第16番

Piano Concerto No.16 in D Major, K. 451: I. Allegro - Claire Huangci - YouTube

Piano Concerto No.16 in D Major, K. 451: II. Andante - Claire Huangci - YouTube

Piano Concerto No.16 in D Major, K. 451: III. Rondo. Allegro di molto - Claire Huangci - YouTube

 

第15番

Piano Concerto No.15 in B-Flat Major, K. 450: I. Allegro - Claire Huangci - YouTube

Piano Concerto No.15 in B-Flat Major, K. 450: II. Andante - Claire Huangci - YouTube

Piano Concerto No.15 in B-Flat Major, K. 450: III. Allegro - Claire Huangci - YouTube

 

第17番

Piano Concerto No.17 in G Major, K. 453: I. Allegro - Claire Huangci - YouTube

Piano Concerto No.17 in G Major, K. 453: II. Andante - Claire Huangci - YouTube

Piano Concerto No.17 in G Major, K. 453: III. Allegretto. Presto - Claire Huangci - YouTube

 

 

 

 

 

ところで、書きそびれてしまったが、つい先々月にもフアンチの別の新譜が発売されたのだった(NMLApple MusicCDYouTube)。

曲目は、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」(ピアノ四重奏版)である。

そちらも颯爽とした名演であり、ぜひお聴きいただきたい。

この調子で、色々な曲の新譜をどんどん出してほしいものである。

 

 

 

 

 

なお、クレア・フアンチのこれまでのCDについての記事はこちら。

 

クレア・フアンチの3rdアルバム「A Chopin Diary」

クレア・フアンチの新譜 シューベルト/カバレフスキー ピアノと管弦楽のための幻想曲へ短調

クレア・フアンチの新譜 ラフマニノフ 前奏曲全集

クレア・フアンチの新譜 パデレフスキ ピアノ協奏曲 ショパン ピアノ協奏曲第1番

クレア・フアンチの新譜 ラヴェル ピアノ三重奏曲 ショーソン ピアノ四重奏曲

クレア・フアンチの新譜 ベートーヴェン/リスト 交響曲第6番「田園」

クレア・フアンチの新譜 バッハ トッカータ全集

クレア・フアンチの新譜 メンデルスゾーン ヴァイオリンとピアノのための二重協奏曲

 

 

また、クレア・フアンチの演奏会記録についての記事はこちら。

 

クレア・フアンチ 来日公演記録

 

 


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グリーンフェスティバル

雅楽公演 ~令和五年、新たなる時代へ向けて~

 

【日時】

2023年5月13日(土) 開演 15:00

 

【会場】

神戸学院大学 有瀬キャンパス メモリアルホール (兵庫県)

 

【演奏】

舞:酒井康博 *、井上美由紀 #

管弦楽:日本雅楽協会雅楽隊

 

【プログラム】

管絃「越天楽」平調 (かんげん えてんらく ひょうじょう)

 1) 平調 音取 (ひょうじょう ねとり)

 2) 平調 越天楽(クルマ吹き) (ひょうじょう えてんらく)

 3) 平調 越天楽 残楽三返 (ひょうじょう えてんらく のこりがくさんぺん)


舞楽「蘭陵王」 (ぶがく らんりょうおう) *

 1) 小乱声 (こらんじょう)

 2) 陵王乱声 (りょうおうらんじょう)

 3) 沙陀調音取 (さだちょうねとり)

 4) 当曲 蘭陵王 (とうきょく らんりょうおう)

 5) 安摩乱声 (あまらんじょう)


舞楽「納曽利」 (ぶがく なそり) #

 1) 高麗小乱声 (こまこらんじょう)

 2) 当曲 納曽利 破 (とうきょく なそり は)

 3) 当曲 納曽利 急 (とうきょく なそり きゅう)


退出音声「長慶子」 (まかでおんじょう ちょうけいし)

 

 

 

 

 

神戸学院大学で開催される音楽祭「グリーンフェスティバル」に雅楽の演奏会がある、それも舞楽が含まれているということで、貴重な機会であり聴きに行った。

演奏は、2017年設立で神戸を中心に活動している雅楽団体「日本雅楽協会」。

 

 

 

 

 

今回のプログラムで私の好きな録音は

 

【平調 越天楽】

●宮内省式部寮雅楽課 1941年セッション盤(Apple MusicCD

●東京楽所 1986年12月以前セッション盤(Apple MusicCDYouTube

●伶楽舎 2001年11月以前セッション盤(Apple MusicCDYouTube

 

【平調 越天楽 残楽三返】

●東京楽所 2000年8月以前セッション盤(Apple MusicCDYouTube

 

【蘭陵王】

●東京楽所 1993年6月以前セッション盤(Apple MusicCDYouTube12345

 

【納曽利】

●東京楽所 1993年6月以前セッション盤(Apple MusicCDYouTube12

 

【長慶子】

●伶楽舎 2001年11月以前セッション盤(Apple MusicCDYouTube

●芝祐靖(龍笛) 東儀兼彦(篳篥) 豊英秋(笙) 2002年8月17-19日セッション盤(Apple MusicCDYouTube) ※管楽三重奏版

 

あたりである。

 

 

今回の日本雅楽協会雅楽隊の演奏は、宮内庁式部職楽部のメンバーを中心とした東京楽所や伶楽舎の完成度の高さと比べてしまうと、さすがに分が悪い(特に龍笛と篳篥)。

それでも、西洋のオーケストラよりずっと古くからある、日本古来の形態のオーケストラ(より正確には、中国から伝わった西方の音楽“燕楽”が日本で独自発展したもの)を生で聴けるのは、感激である。

 

 

それに、全体にテンポがサクサクと速めだったのも良かった(速めといっても、雅楽にしてはという程度だが)。

ちなみに、上記1941年録音の「越天楽」は、最近の演奏に比べテンポがあっさりと速い。

また、ガイズバーグによる1903年2月の日本録音はさらに速いという。

つまり、雅楽は20世紀の間にだいぶテンポが遅くなってしまったようなのだ(まるでマーラー演奏のように)。

今回の日本雅楽協会雅楽隊は、そういった今風の抒情的な表現を求めず、もっと推進力があったはずのかつての雅楽を少しイメージさせてくれた。

 

 

そうはいっても、「長慶子」などはテンポの速さに技巧が追いついていないところがあり、上記の東儀兼彦らによるじっくりと丁寧に表現した名盤などをどうしても好んで聴いてしまう。

しかし、「蘭陵王」は舞楽だけあってリズム感が重要であり、今回の日本雅楽協会雅楽隊のテンポ感はかなり良かったと思う。

北斉の名将、蘭陵王に扮した舞も迫力があり(衣装や面もきらびやか)、今回の演奏ではこの曲が最も印象的だった。

 

 

 

 

 

終演後、楽器体験のコーナーがあり、プラスチック製ではあるが篳篥を吹いてみることができたのも、大変楽しい機会だった。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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特級グランド・コンチェルト

 

【日時】

2023年5月3日(水祝) 開演 14:00

 

【会場】

ザ・シンフォニーホール (大阪)

 

【演奏】

指揮:藤岡幸夫

ピアノ:谷昂登(◇)

ピアノ:桑原志織(☆)

ピアノ:阪田知樹(◆)

管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団

(コンサートマスター:ギオルギ・バブアゼ)

 

【プログラム】

グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16(◇)

シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54(☆)

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調 Op.1(◆)

 

 

 

 

 

ピティナ主催のピアノ協奏曲のコンサートを聴きに行った。

指揮は、1962年東京生まれで2007年より関西フィルの首席指揮者を務める指揮者、藤岡幸夫。

ソリストは、2003年北九州市生まれのピアニスト谷昂登、1995年東京生まれのピアニスト桑原志織、1993年名古屋市生まれのピアニスト阪田知樹の3人がそれぞれ一曲ずつピアノ協奏曲を担当した。

谷昂登、桑原志織の実演を聴くのは今回が初めて、また阪田知樹もソリストとして実演を聴くのは今回が初めて。

 

 

 

 

 

最初の曲は、グリーグのピアノ協奏曲。

この曲で私の好きな録音は

 

●リパッティ(Pf) ガリエラ指揮 フィルハーモニア管 1947年9月18,19日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●R.ファレル(Pf) ウェルドン指揮 ハレ管 1956年8月23,24日セッション盤(CDYouTube

 

あたりである。

みずみずしい情感を湛えた、端正な演奏が好み。

 

 

今回の谷昂登は、これらの盤よりは濃いめの解釈だが、彼としては比較的おとなしい演奏だった。

“谷昂登節”を期待していたので少しはぐらかされたが、今回はラフマニノフではなくグリーグということで、控えめにしたのかもしれない。

それでも、端正というよりは個性的な印象となるのは、彼の彼たる所以だろう。

 

 

 

 

 

次の曲は、シューマンのピアノ協奏曲。

この曲で私の好きな録音は

 

●リヒテル(Pf) ロヴィツキ指揮 ワルシャワ・フィル 1958年10月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●ポリーニ(Pf) カラヤン指揮 ウィーン・フィル 1974年ザルツブルクライヴ盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●小林愛実(Pf) 田中祐子指揮 読響 2017年2月28日川崎ライヴ(動画、その記事はこちら

●藤田真央(Pf) 熊倉優指揮 N響 2020年11月14日東京ライヴ(動画、その記事はこちら

●小林愛実(Pf) 下野竜也指揮 N響 2022年2月5日東京ライヴ(動画)

 

あたりである。

また、2019年のクレア・フアンチの実演(その記事はこちら)、および2022年の小林愛実の実演(その記事はこちら)も忘れがたい。

 

 

今回の桑原志織は、辛口ワインのようにさらりとした味わいの、力強い演奏だった。

小林愛実のような、ワンフレーズ聴いただけで涙してしまう演奏とは違って、もっと冷静に聴けるのだが、そこには確かな充実感があり、嚙みしめるうちに知らず知らず酔いしれている、そんな演奏である。

別の言い方をすると、シューマンの中のショパン的な要素を抽出した小林愛実に対し、シューマンの中のベートーヴェン的な要素を抽出した桑原志織、といったところか。

こういうシューマンも、とても良い。

 

 

 

 

 

最後の曲は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第1番。

この曲で私の好きな録音は

 

●ラフマニノフ(Pf) オーマンディ指揮 フィラデルフィア管 1939年12月4日、1940年2月24日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●リヒテル(Pf) K.ザンデルリング指揮 ソビエトRTV大交響楽団 1955年2月18日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●ルガンスキー(Pf) オラモ指揮 バーミンガム市響 2002年7月10,11日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●マツーエフ(Pf) ゲルギエフ指揮 マリインスキー歌劇場管 2014年11月16日サンクトペテルブルクライヴ盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●古海行子(Pf) 前田陽一朗指揮 サン=オートム室内管 2017年5月5日東京ライヴ(動画) ※第1楽章のみ

 

あたりである。

 

 

今回の阪田知樹は、すでに名も知れ日本を代表するピアニストの一人となった彼だけあって、アンサンブル面でもテクニック面でも全く危なげのない、余裕綽々の演奏だった。

これだけの完成度は、なかなか聴かれるものではない。

欲を言えば、上記名盤たちのように、第1楽章再現部直前の強音部ゼクエンツや同楽章コーダをもっと盛り上げてほしかったし、終楽章をもっと速いテンポで攻めてくれたらさらにエキサイティングだっただろう。

とはいえ、ロシアロシアさせないところが彼らしくもある。

決してひ弱な演奏ではなかったし、聴きごたえは十分にあった。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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