今回は演奏会の感想でなく、別の話題を。
好きなピアニスト、クレア・フアンチ(Claire Huangci)の新譜が発売された(なお前回のアルバムについては下記リブログ元の記事を参照されたい)。
CD本体がどこかで買えるかどうかはよく分からないけれど、少なくともオンラインでは聴くことができる(Apple Music)。
「トリオ・マキャヴェリ」というピアノ三重奏団としての演奏で、曲目はラヴェルのピアノ三重奏曲と、ショーソンのピアノ四重奏曲である。
さっそく聴いてみた。
(画像はこちらのページよりお借りしました)
Trio Machiavelli: Ravel & Chausson
Ravel: Piano Trio in A Minor (1914) *
Chausson: Piano Quartet in A Major, Op. 30
Claire Huangci, piano *
Solenne Païdassi, violin *
Adrien Boisseau, viola
Tristan Cornut, cello *
ラヴェルのピアノ三重奏曲で私の好きな録音は
●ティボーデ(Pf) ベル(Vn) イッサーリス(Vc) 1988-89年セッション盤(NML/Apple Music/CD)
●ヨアヒム三重奏団 1993年10月5-7日セッション盤(NML/Apple Music/CD)
●ブラレイ(Pf) R.カピュソン(Vn) G.カピュソン(Vc) 2001年4月セッション盤(NML/Apple Music/CD)
●トリオ・セレス 2008年6月10-12日セッション盤(NML/Apple Music/CD)
●三浦友理枝(Pf) 川久保賜紀(Vn) 遠藤真理(Vc) 2009年1月20-23日セッション盤(Apple Music/CD)
●トリオ・モンドリアン 2011年8月10-12日セッション盤(NML/Apple Music/CD)
●グリフォン三重奏団 2017年6月セッション盤(NML/Apple Music/CD)
あたりである。
名盤が目白押しだが、今回のフアンチらの演奏もこれらに劣らぬ出来。
響きを濁らせることのないフアンチの明瞭な音づくりが、ラヴェルに合っている(響きをたっぷり取る解釈も好きだが)。
特に、第2楽章のスタッカートや終楽章の急速なパッセージが、ごまかし一つなく粒をそろえて鮮やかに奏される様は壮観で、その点では上記のどの名盤にも勝るほど。
なおかつ、全体的に無機質というよりは(そういうラヴェルも好きだが)適度のロマン性をもってセンス良く仕上げられているのがまた良い。
弦の2人も、よく知らない人だがなかなかの実力者のようである(特にヴァイオリン)。
また、ラヴェルのみならずショーソンも、軽快かつロマンティックな名演となっている。
なお、トレイラー映像はこちら。
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