《前編》 より

 

【大いなる啓示】
「私は自分の内にキリストの愛を持っているとすれば、それは実際にキリストであるというのと、それほど変わらないんじゃないか、と考えるようになってきた。それが私を、大いなる啓示へと導いたんだ」
「大いなる啓示?」
「聖書には、神の国は心の内にある、と語っている箇所がたくさん存在する。大いなる啓示というのは、『私が自分の内に感じている神の愛によって、イエスは私の一部であり、同じ理由から、私はイエスの一部である』 と気づいたことだったんだよ。やがて私は、イエスが自分の一部であることを理解した。・・・中略・・・。私にとっての大いなる啓示とは、私が神の内にあり、神が私の内にある、ということだった。」 (p.274-275)
 これを哲学的な思弁として重く難しく考える必要はない。
 人間(魂)の進化方向である非物質世界は“意識の世界”である。「意識」が「大いなる啓示」を成立させている。
 これまでの人類に欠けていたのは「意識」を扱う学問がなかったことかもしれない。それは非物質世界(=意識の世界)の認識を封印するための「闇の支配者」たちの作為だったのだけれど、それ故に、「意識」の重要性が世間一般に広まっていなかったのだろう。しかし近年は、アニメや映画を通じて、意識の封印が解かれつつある。それらによって若い世代は、自ずから意識の使い方を理解し、その力を拡散させて行くのだろう。

 

 

【物質界の思い込みに気づくこと】
 非物質界では、水の上を歩くことはそれほど難しくはない。この手のエクササイズで本当に難しいのは、自分が身につけている物質界の思い込みに気づくことだ。その思い込みが、非物質界での自分の思考に制限を課してしまっているのだ。非物質界ではそういう制限など何の役にも立たないと気づくにつれて、私はますますいろいろなことが、どんどんできるようになってきている。(p.331)
 下記のような例がそのひとつ。
    《参照》   『死後探索1 未知への旅立ち』 ブルース・モーエン (ハート出版) 《前編》
              【seeing it not there テクニック】

 物質界で生きている間に、こういうことを理解しておけば、アセンションの過程で起こることに当惑することはなくなるのだし、死後には、進むべき階梯をさっさと昇ることができるだろう。

 

 

【ユーモアセンター】
 地上では、吉本の芸人さんたちが大活躍している演芸場やバラエティー番組があるけれど、非物質(死後)世界にもユーモアセンターがあるらしい。
 死後世界は、意思と想念の世界だから、誰でもそこに、地上で覚えたイメージと全く同じ世界をつくることができる。故に、救済と癒しの目的でユーモアセンターなるものがあったりする。
「ユーモアセンターの機能について、教えていただけますか?」と私は話を切り出した。
「ハートチャクラを開いて、エネルギーを与えるきっかけを作るのよ。人が急に笑い出すとき、ハートチャクラが開いて、即座に『純粋な無条件の愛(PUL)』エネルギーにつながるから」
「ユーモアがハートチャクラクラと関係するんですか?」と私は尋ねた。
「もちろんよ」と彼女は言った。「笑い出すときの感覚には、かなり強力な自己受容が存在するの。あるジョークがおかしいと思うには、自分の中に、それが自分にとっておかしいんだ、ということを受け入れる部分が存在するはずだわ。・・・中略・・・。人々がブラックユーモアで笑うのは、容認できない感覚を表現させてくれるからなのよ。あなたは、笑うためには、自分の中にあるそういう感覚を受け入れなくちゃならない。そして、そういう自己受容の行為が、PULへのつながりを作るのよ。あなたが、そういう容認できない感覚を経験してもいいと自分に許可を出した瞬間に、ハートの中心が開いて、あなたはエネルギーのチャージを受けるの」 (p.333-335)
 笑うことを自分に許さない人は、エネルギーが低い状態にある。つまりPULのレベルも低いことになり、それでは、人を救済するエネルギーもほぼ無いことになる。本当にパワフルなシャーマンさんなら、ユーモアも知性も芸術性も備えた、万能・闊達・自在な生き方をしているはずである。
 「笑うなんて不真面目だ」と思っているのは、勘違いというよりも愚かに近い観念的束縛である。従来の宗教家とは正にそういう連中で、世界人類の救済のために大した役に立っていない。そして、そんなことにも気づいていない信者たちは、そのような宗教家と共に、死後も、同じフォーカス23~26という囚われの世界に、群れを成して住むようになるのである。
   《参照》   『死後体験Ⅱ』 坂本政道 (ハート出版)
             【死後世界】

 

 

【地球生命系の全住民に「共通のテーマ」】
 物質的・非物質的を含む、ELS(地球生命系)の全住民による活動はすべて、「『純粋な無条件の愛(PUL)』をますますたくさん経験し表現できるように学んでいく」という共通テーマを持っているのだ。また、「既知の領域を超えて探索していく好奇心」というのも、ELSの全住民が共有するテーマとして浮上してきた。興味深いことに、この第2のテーマは、「ギャザリング」とも呼ばれるフォーカス34/35にいる、ほかの、非ELSの知性についても共通するもののようだ。(p.342)

 第1のテーマは、極めて重要である。このことを心に銘記するためにこそ、この本は書かれたと言っても過言ではないだろう。
    《参照》   『目覚めよ!宇宙人。』 山本耕一 (ヒカルランド) 《後編》
              【人に対する愛】

 また、第2のテーマに関して記述されている、フォーカス34/35にいる非ELSたちの好奇心は、アース・チェンジに向けられている。
    《参照》   『死後体験』 坂本政道 (ハート出版)
              【フォーカス34・35に集う生命体が見つめているもの】

 

 

【『アース・チェンジズ』と『ビッグプラン』】
「物質界を超えたところでの人間存在について、探索した経験を書くというのは、来るべき変化への準備の小さな一部なんだよ」
「変化って『アース・チェンジズ』のことですか?」 と私は尋ねた。
「ああ、もちろんそうさ。そしてまた別の、『ビッグプラン』の小さな一片は、きみが積極的に探究や探索に取り組んでいるということなんだ」と彼は続けた。「それによって、他の人たちが同じような活動に引き寄せられるし、我々CW(意識ワーカー)は、きみたちの応援を感謝しているよ」 (p.134)
 『アース・チェンジズ』は、人類の意識の進化状況に左右されるものであり、決して固定的なものではない。
    《参照》   『デイ・オブ・オメガポイント』 渡邊延朗 (ガイア出版)
              【オメガポイントまで】

 『ビッグプラン』は、『アース・チェンジズ』の根底にあり、人類にとってより基本的なこと。
「今年(1996年)・・・中略・・・来るべき『アース・チェンジズ』について、情報をもらいました。それは、かなり恐ろしいものみたいでしたが」と彼女は言った。「将来の予想図は今も同じですか?」
「今の状況は、・・・中略・・・ もっと穏やかになり、破滅的な度合いも低くなると予想している。・・・中略・・・変化に同調する人が増えてきているんだ」 (p.143)
 90年代は、この本にあるように、意識の進化はうまくいっていたのだろう。しかし2012年付近では、決して上昇していなかった。
    《参照》   『来るべき世界』 ルース・モントゴメリー (ナチュラルスピリット)
              【シフトによる地球の状況】
    《参照》   『地球維新「17条」最高法規』 慈恩将人・白峰監修 (ヒカルランド) 《後編》
              【2012年問題の本音と立前】

 それでも人類の意識の進化は、ロングスパンで見れば、急進的なものではなく漸進的なものとして確実にシフトが起こっているのだろう。
 現時点では、イスラエルでのドンパチが悪化するかのように見えるけれど、これとて非物質界の援護と人類の漸進的な進化によって、これを企む「闇の支配者」たちの邪悪な作為は予定通り完遂されないはずである。仮に完遂されるとしても、底流としての意識の進化は確実に進んでいる。止まることはない。

 

 

【進化の方向】
「それを測る目安になるのは、内側へ・外側への意識の流れに気づく、その人の能力だよ。・・・中略・・・。個々の意識であるように思われている私たちは、自分の目的や意図について混乱しているが、「計画する知性」から流れ出してくる、本来の意図にかなったエネルギーの流れに、もっと調和するかたちで整列させられるだろう。もっと大きなPULの流れが意図されているのだ.
「ビッグプラン」とは、この整列に関するものだ。 (p.364)
 現時点では「計画する知性」から流れ出ているPULのまっすぐな流れが、ELSに入ったところでねじ曲がってしまっている、と書かれている。
 憎しみが愛の反対だと考えて、憎しみを減らそうとしてもPULはストレートに受容できずに逸れてしまう。
 「愛」と「愛がない」 ―― それがPULの真の極性なのだ。PULの意識は、より大きいか、より小さいか、どちらかだ。憎しみはまったく別個の問題であり、・・・中略・・・、PULの意識を増すことに集中すれば、いずれにせよ自動的に、私たちが「ネガティブ」と呼ぶ感情エネルギーの多くは減少する。何かにしっかり集中すれば、他のことへの意識は減少する傾向があるからだ。 (p.365)
 かつて、ジャルポンスキー著の『愛と怖れ』や『ゆるすということ』 を読んだことがあるけれど、ここでは「愛」の反対は、「憎しみ」でもなく、ジャルポンスキーの著作にある「怖れ」でもなく、単に「愛がない」ことであると言っている。相対性(二元性)の世界で「愛」という表現を使えば、それに対応する用語を用意しなければならないけれど、「愛」はそもそも絶対性(一元性)の世界そのものの根源であるなら、その“有・無”として表現する以外にない。
 ところでこの記述は、長所伸展法の骨子みたいな記述だけれど、PULこそが長所を進展させるエネルギーそのものである。ビジネスの世界では、長所伸展法は常識として利用されている。今時の経営者でこの技法を理解していないようではお話にならない。それなら経営はいずれ頓挫するだろう。
    《参照》   『人を活かす12の鉄則』 松下幸之助 (PHP)
              【長所を見る】

 

 

【進化の最先端】
 下記文中にあるPULAとは、「純粋で無条件の愛の受容(Pure Unconditional Loving Acceptance)」
「物質界の進化の最先端は何ですか?」と私は「計画する知性」に尋ねた。
「その進化の縁にある境界線を説明することによって、それは一番簡単に答えられるよ。その境界は、個人の完全なPULAが、個人としての自分自身にとって終わるところに位置するのだ。個人が、完全なPULAで受け止め、自分自身に再統合できないような部分を自分自身の中に持っていれば、その世界にいるその個人にとってそこが境界、すなわち進化の最前線となるのだ。同じように、この境界は、誰か他の存在について、個人が完全なPULAで受容できないようなことがある場所に位置している。自分や他人の現在受容できない部分をもっとPULAで受け入れていくような方向に、この境界を動かそうとする活動や状況というのが、どんな世界においても、進化の最先端にある活動というわけだ」 (p.390)
 先に書きだしたことの繰り返しになるけれど、地球生命系の全住民にとって「共通の第1のテーマ」を促進することこそが、進化の最先端であると言っている。

 

 

【グラウンディング】
 私たちは足を通して、このPULをELSのレベルにグラウンディングし、そこのレベルを高めていた。(p.393)
 アース・チェンジとは「地球の大変動」を意味するのだけれど、「PULを地球(アース)に接地(アース:グラウンディング)することでチェンジ(変化)させること」と理解することもできる。
 よりよくグラウンディングできない場合は、大変動になり、できた場合は、穏やかで好ましい変化になるはずである。
「『計画する知性』と『創造主』の意識を地球レベルの世界にもたらすということが、進化における私たちの目的の一部なんですか?」
「きみはまさに、『ビッグプラン』について説明したと思うね」と「計画する知性」は言った(p.393)

 

 

【人類意識の新たなかたち】
 人類は、分離というコンセプトを中心とする、意識の進化の道を選んだ。これはつまり、きみたちが、『大いなる未知』を、分離された視点から探索してきたということだ。人類としては統合を保ってきたわけだが。君たちは、分離をもっと実現化するために、本来持つテレパシー的能力を潜在意識に押し込めることを選んだ。きみたちは、自分の存在する意識の様々なエリアを壁で仕切り、この分離を維持することを選んだ。人類はさまざまな世界、位置、視野のうちに存在する。・・・中略・・・。我々は今や、『アース・チェンジズ』が、人類の意識の新たなかたちの誕生であると考えている。人類と呼ばれる『単一の存在』の『再結集』であるとね。この存在は、もともとずっとあったものなんだ」 (p.418-419)
 意識の進化というのは、心理的・人文的解釈に留まることではなく、実際にテレパシー能力が開化する生物学的変化を伴うことなのである。
    《参照》   『ガイアの法則[Ⅱ]』 千賀一生 (ヒカルランド) 《前編》
              【問題を解決してしまう生命そのものの次元上昇】

 それによってこそ確実に起こり得る状況を捕らえて、占星術は「分離の双魚(ピッセス)期から、融合の水瓶(アクエリアス)期へ」と表現しているのであり、それは地球風水である『ガイアの法則』で説明されているように、分離相対性の強い経度ゼロの英国から、最大融合極性を示す東経135度の日本へ、地球自体の脈動ポイントが移ったことに対応しているのだろう。故に、“和(結び)”を最大の特徴とする日本文化=日本語文明が世界に拡散してゆくという事象が現在進行中である。
   《参照》   『ガイアの法則』 千賀一生 (徳間書店) 《前編》
              【経度0度と経度135度の文明的特徴】