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 著者の本の読書記録は、今までにいくつも書いているけれど、著者の本をまだ読んだことがない人なら、この本を最初に読むのが一番いいかもしれない。高いレベルでの意識体験を通じて、生まれ変わりやカルマやトラウマといったことなど、全般的に分かりやすく書かれている。宗教団体に属して仏教的な教学を学んでいるようでは、大幅に時代に遅れてしまう。現代という時代は、人類の進化と向上を促進させるためのゲートウェイがあちらこちらで開かれている。坂本さんの著作は、その中でも傑出したものだろう。2005年12月初版。

 

 

【この本を読んでみれば・・・】
 これを読まれれば、私たちがどこから来たのか、また、死後どこへ行くのかについて明確な知見を得ることができます。(p.5)
 前書きに書かれていることだけれど、この記述のとおりである。

 

 

【価値観の大転換】
 体外離脱を経験することで、物質と物質的エネルギーでは説明がつかない現象があることを身をもって知りました。この経験で、それまでに培ってきた私の価値観は完全に崩壊してしまいました。天動説から地動説へのコペルニクス的転回といってもいいぐらい、かなり大きなショックを受けました。
 ・・・(中略)・・・ 35歳にもなって、それまで築いてきた価値観を大幅に変えなければならないとしたら、殆どの人は困惑してしまうのではないでしょうか。(p.72)
 著者のように、左脳的センスに秀でその世界で生きてきた人が体外離脱を経験することで世界観を変容させている、ということに価値がある。体外離脱とか輪廻転生のような言葉を鼻からバカバカしいと思っている左脳タイプの人は、著者のプロフィールを読んでみたら、きっとこの本を読む気になるだろう。
 ところで、チャンちゃんはかつて、トランスパーソナル心理学という分野のケン・ウィルバーなどが著す非常にヤヤコシイ書籍にウンザリしていたものだけれど、そのような左脳的な心理学ではなく、著者が著しているような体外離脱体験によって得られた意識をそのまま記述した意識学であるなら、我々普通の日本人にとって分かりやすいし、かえって馴染みやすいだろうと思っている。

 

 

【ガイドからのメッセージ】
 多くの場合、ガイドからのメッセージは非常に「淡い」ものなのです。
 しかし、ガイドとの交信に慣れてくると、私たちはさまざまなことをガイドに教えてもらっていることがわかります。たとえば、芸術的センスというのは、かなりの部分がガイドなどの意識存在からのインスピレーションで成り立っているのではないかと思います。
 芸術家は、ふだんから感性を研ぎ澄ます訓練をしているため、ガイドのメッセージを受信しやすいようです。芸術活動というのは、ガイドと交信するチャンネルを開く訓練にもなっているのではないかと思います。(p.41)
 ガイドとは、自分を導いてくれる存在のことで、英語ではガーディアン・エンジェル、日本語では守護霊と言われる場合が多いけれど、祖先の霊ではない。血縁の有無に関係なく、その人にとっての本質的目的に沿って見守っている存在である。ガイドはいかなる目的で存在するかと言うと。
   《参照》   『超意識 あなたの願いを叶える力』 坂本政道 (ダイヤモンド社) 《後編》
             【人生という学校】

 

 

【脳と意識】
 ひとつ私が仮説として考えているのは、意識が脳を使っているのではないかということです。
 ここでいう意識とは、私たちがふだんから明らかに認識している顕在意識だけではなく、潜在意識も含めた総合体としての意識のことです。
 パソコンにたとえると、脳はハードウェアであり、意識はハードウェアを使いこなすソフトウェアというふうに考えることができます。
 非物質である私たちの意識は、脳というハードウェアのなかにインストールされ、脳の機能を使って、記憶したり、思考したりしています。(p.81)
 なら、脳がなければ、記憶も思考もできないかと言うと、
 体外離脱して脳から意識が離れていても論理的な思考は可能です。
 ・・・(中略)・・・ 
 意識は脳とは独立して存在しますが、物質界のことを把握するためには物質系の脳を使ったほうが機能的だから、意識の働きの多くが脳に依存しているのではないかと思われます。(p.81)
 意識は肉体(脳)を離れても、記憶力や思考力を保持している。
 つまり、意識は肉体(脳)の有無には関係なく機能し得る、ということ。
 そうでなければ、精神世界でいわれているアカシックレコードも存在しなくなってしまうだろう。

 

 

【何処に意識をフォーカスするか】
 私たちの意識はいま、物質界にフォーカスして、この世界を把握しています。しかし、フォーカスをずらしていくことで、ちょうどラジオのNHK第1からダイヤルを回してNHK第2に変わるように、違う世界が見えてくるのです。私たちの意識の焦点をずらしてチャンネルを変えると、死後の世界や、さらにもっと上の世界が見えてきます。
 「私」とは意識ですから、その意識の連続体のなかに必ず自分の意識はあります。その意識がどこにフォーカスしているかによって体験する世界が違ってくるのです。(p.96-97)
 意識レベルの高低は、生命エネルギーの振動数の高低を現わしている。
 「ミラノンの意識の階梯」によると、植物(1~7)、動物(8~14)、人間界(15~21)、死後の世界(22~28)、輪廻を卒業未満(29~34)卒業(35)と意識レベルが示されている。(p.222)
 人間界においても、意識が芸術にフォーカス(チューニング)されている人と、政治にフォーカスされている人は、振動数(意識レベル)が全く違うから同じ地球上に住みながら全く別世界を生きている。おカネを人生の基準として考えている人にとって政治家は立派な職業に見えるんだろうけれど、進化基準である意識レベルから見ると政治家の平均値は底辺側である。
   《参照》   『日本民族の役割』 助安由吉 (エイト社)
                【穢れた行政】
   《参照》   『「びっくり現象」こそ決めて』 船井幸雄 (あ・うん)
                【意識レベル】

 

 

【銀河系は知性ある生命体】
 宇宙の探索を続けていたとき、たまたま銀河系のそばを通りかかりました。すると、女性の声が私に話しかけてきました。
 「銀河は生命エネルギー、愛のエネルギーの表出で、そのエネルギーを周りに放出しています。あなたも同じです。このエネルギーを周りに放出してください」
 私はそれを聞いて驚きました。
 銀河系の意識は女性のように感じられ、非常に知性と愛情にあふれた存在のようでした。ほかの星についても確かに生命体であることを感じましたが、銀河系ほど知性を感じることはありませんでした。
 銀河系自体が愛情と知性をもった存在で、これによって星や銀河が、人間とはまた別のかたちで進化した生命体であることがわかりました。(p.210)
 前半は、過去の読書記録の中でも書き出しているけれど、後半は、この本でのみ書かれていることだろう。
 銀河系は、愛情と知性にあふれた女性であり、宇宙の中でも稀な存在らしい。このような銀河系の働きを世界に先駆けて顕現させるという役割を担っているのが、21世紀の日本なのである。
 銀河系が女性なら、男性に相当する銀河はというと・・・、下記リンクに書かれている。
   《参照》   『2012人類大転換』 坂本政道 (ハート出版)
             【結合による創造エネルギー】

 

 

【読後の全体感】
 人間界を越えた意識レベル世界の報告を読んでいる時は、昔読んだ 萩尾望都のマンガ 『百億の昼と千億の夜』 に描かれていた梵天や帝釈天や阿修羅王が登場する場面を想起してもいた。高い意識レベルの世界ってまさにエネルギーに触れることで一瞬にして全てを感じとれる意識の世界なんだろう。この世でモノ・カネに執着している意識レベルとはまったく重ならない(無縁の)世界である。
 このマンガの阿修羅王の心を自らの心としていた学生時代に書いた作品の中に、「自らも絶命する時、私は滅び行く肉体を去って意識となって大宇宙に遍在したい」と書いたものだけれど、この心境は今も全く変わらない。だから、「死が怖い」という人の根拠が全く分からないのである。死後も魂は続くという認識があれば、なんら死を怖がることなどないだろう。著者の坂本さんは、そのような認識がないことを仏教の用語で言う処の「無明」であると言っている。
 坂本政道さんのこの本は、死が怖いという人が読めば一番いいんだろう。また、死後の世界が待ち遠しいと思っている人にも、多くの気づきを与えてくれるはずである。

 

 

<了>