皆さま、おはようございます！
今朝は、昨年５月に訪れた
日南線・福島今町（ふくしまいままち）駅の訪問記です。
古い木造駅舎が残る駅は全国各地に数多くありますけど、
近代的でかつ大きな駅舎を持つ無人駅となると、
意外に少ないのかもしれませんね。
こういう駅って、きっと訳アリな歴史を持っているはず。
福島今町駅もそんな駅みたいですよ。
その歴史については後ほど触れることにしまして…
福島今町駅の駅舎はRC造り。
駅の開業年は昭和10年で
現在の駅舎は昭和31年に建て替えされたモノだそうです。
駅舎は有人駅時代に建てられたために、
駅舎内には出札窓口を塞いだ跡がありました。
こちらは待合室スペース。
それにしても福島今町駅の解放感ときたら…さすが南国・宮崎の駅です。
我が地元の東北じゃ、真冬に死人が出る仕様ですよね。
福島今町駅は串間市の駅です。
福島今町駅の駅名標には「くしま」の字が３つもありますが、
串間（くしま）と福島（ふくしま）の関連性は多分ないはず…ですよね？
福島今町駅は列車の行き違いが可能な相対式ホーム２面２線構造でした。
２本のホームは構内踏切で結ばれております。
木造の跨線橋も好きですけど、構内踏切も良い！
福島今町駅の様な、国鉄時代からの構内踏切が残る駅って
探すと意外に少ないのですよ。
JR移行後に行われた無人駅とともに
構内の片隅に構内踏切が追いやられた駅が大多数ですから。
こちらはかつての貨物ホーム、
現在は保線車両の留置線に変わったみたいですね。
さてさて、冒頭に書いた、
福島今町駅の駅舎が近代的な理由ですけど…
その答えは宮脇俊三先生の著書「九州720駅」（昭和58年刊行）に
掲載されてました。
串間市は台風が接近しやすい地域で度々被害を被ってるらしく、
福島今町駅の開業当時から使われていた木造駅舎も
その被害を受けたそうです。
昭和29年８月に発生した台風５号では
近隣で土砂の流出による死者が多数出てますので、
この時の被害だと思いますけど…
こうした経緯から、駅舎は昭和31年に建て替えられたとのこと。
こちらは木造駅舎時代の昭和22年に撮影された航空写真。
国土地理院のサイトより転載。
写真を見ると、福島今町駅が海岸近くにあることがよくわかりますよね。
駅が受けた被害は豪雨の直撃、それとも高潮だったのか？
気になります。
駅の開設時は福島町の玄関駅だった福島今町駅。
当時は串間駅と同等規模を持つ駅だったようですけど、
昭和29年に福島町が合併して串間市に変わると
行政の中心は串間駅周辺に移ってしまったようで…
駅周辺には住宅が並び、それなりの数の利用者があるのかと思いましたが、
Wikiによれば１日の乗車客数はわずか６人とか。
近代的な駅舎なのに、この利用者数…
実は自分、このギャップに萌えていたりして。
いわゆるギャップ萌えというやつ、駅ファンの同志のでしたらきっと共感してくれるはず。
この日の旅の写真を見るたび、夏の日差しを恋しく感じる今日この頃。
早く梅雨明けしてくれませんかね？
梅雨入りしたばかりで言うのもなんですけど。
↑（南宮崎駅方面）
福島今町駅（平成28年５月18日）
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