【夕顔223-3】古文単語「言ひ触る」
古文って、今から1000年以上も昔の言葉☆
今でも、言葉ってすぐに使い方が変わります。
現在と同じニュアンスで使われてるワケがないですよね!
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【漢字のイメージ】で覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
頼もしく、いかにと言ひ触れたまふべき人もなし。法師などをこそは、かかる方の頼もしきものには思すべけれど。さこそ強がりたまへど、若き御心にて、いふかひなくなりぬるを見たまふに、やるかたなくて、
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今回出てきた古文単語
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■【頼もしく】…シク活用形容詞「頼もし」連用形
※【頼もし】…頼りになる
■【いかに】…どのように(「すべき」の省略)
■【と】…引用の格助詞
■【言ひ触れ】…ラ行下二段動詞「言ひ触る」連用形
※【言ひ触る】…相談を持ちかける
■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【べき】…可能の助動詞「べし」連体形
■【人】…人。ここでは相談相手のこと
■【も】…添加の係助詞
■【なし】…ク活用形容詞「無し」終止形
■【法師(ほふし)】…僧。坊主
■【など】…例示の副助詞
■【を】…対象の格助詞
■【こそ】…強意の係助詞
■【は】…強意の係助詞
■【かかる】…このような(指示連体詞)
■【方(かた)】…方面
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【頼もしき】…シク活用形容詞「頼もし」連体形
※【頼もし】…頼りになる
■【に】…資格の格助詞
■【は】…提示の係助詞
■【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【べけれ】…推量の助動詞「べし」已然形
■【ど】…逆接の接続助詞
■【さ】…そう。そのように
■【こそ】…強意の係助詞
■【強がり】…ラ行四段動詞「強がる」連用形
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【ど】…逆接の接続助詞
■【若き】…ク活用形容詞「若し」連体形
■【御心(みこころ)】…お心。お気持ち
■【に】…断定の助動詞「なり」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【いふかひなくなる】…死んだような状態になる。亡くなる
■【ぬる】…完了の助動詞「ぬ」連体形
■【を】…対象の格助詞
■【見たまふ】…ご覧になる
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【に】…順接の接続助詞
■【やるかたなく】…ク活用形容詞「やるかたなし」連用形
※【やるかたなし】…どうしようもない
■【て】…単純接続接続助詞
◇ 今回は「さ」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「言ひ触る」 ☆
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頼もしく、いかにと言ひ触れたまふべき人もなし。法師などをこそは、かかる方の頼もしきものには思すべけれど。さこそ強がりたまへど、若き御心にて、いふかひなくなりぬるを見たまふに、やるかたなくて、
問)傍線部の意味として、最も適当なものを一つ選べ。
1.どういうことかと一緒に愚痴を言い合える人もいない。
2.どうしたらよいかと相談し合えるような人もいない。
3.どうしてこうなったのか言いふらすような人もいない。
4.どうにもならないことを分かち合える人もいない。
5.これからどうすればいいか知っているような人もない。
古文の長文読解は、
読点ごと、一区切りごとに、
主語と述語を押さえて、内容をイメージしながら読んでいきます。
でも、
傍線部の解釈が出てきたら、
一語一語よく見て逐語訳してから
選択肢を見るようにしましょう!
なんとなく、イメージだけで選択肢を見てしまうと、
ヒッカケ問題にひっかかってしまいますよ!
(灬ºωº灬)
頼もしく、いかに/と/言ひ触れ/たまふ/べき/人/も/なし。
「いかに」は、疑問副詞で、
「どう」とか「どのように」という意味です。
今回は、傍線部の直前に「頼もし(=頼りになる)」という形容詞があって、それと傍線部が並列になっているので、
この文脈を念頭に置いて、訳出の方向を考えていきましょう。
【言ひ触る(いひふる)】
【自動詞:ハ行下二段活用】
①ちょっ言葉をかける
②相談を持ちかける
③言いふらす。言い広める
※Weblio古語辞典より
下二段なので、気づかなかった人も多いでしょうが、
これ、「言いふらす」の自動詞型ですよね!
でも、古語では、
③の「言いふらす」の意味ではなく、
①や②の、語義どおりの意味で用いられることが多いんですよ。
1000年以上も前の古文――
今と同じ言葉のニュアンスで使われていると考えるほうが不自然ですよね。
1.どういうことかと一緒に愚痴を(△スギ)言い合える人もいない。
2.どうしたらよいかと相談し合えるような人もいない。
3.どうしてこうなったのか言いふらす(△ズレ)ような人もいない。
4.どうにもならないことを分かち合える(△ズレ)人もいない。
5.これからどうすればいいか知っている(×ズレ)ような人もない。
【解答】…2
頼もしく、いかにと言ひ触れたまふべき人もなし。法師などをこそは、かかる方の頼もしきものには思すべけれど。さこそ強がりたまへど、若き御心にて、いふかひなくなりぬるを見たまふに、やるかたなくて、
● 過去記事リンク
■いかに
■たまふ
■人
■も
■こそ
■斯かる
■心
■見たまふ
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