【夕顔223-2】17歳の重すぎる「死」☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔223-2】17歳の重すぎる「死」☆

あなたは身近で死を経験したことはありますか?

今回の源氏物語は、17歳の光源氏が愛する夕顔を目の前で亡くした場面です。…どんな気持ちで、彼はこの状況に臨んでいるのでしょうか。

源氏物語イラスト解釈ラブラブ

 

【これまでのあらすじ】

天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。

ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、惟光(これみつ)の実家の隣家にひっそり住まう夕顔の君に執心し、女の家で一夜を明かした後、彼女を廃院に誘いますが、夜半、夕顔は物の怪に襲われて急死してしまいます。

 

【今回の源氏物語】

頼もしく、いかにと言ひ触れたまふべき人もなし。法師などをこそは、かかる方の頼もしきものには思すべけれど。さこそ強がりたまへど、若き御心にて、いふかひなくなりぬるを見たまふに、やるかたなくて、

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 ☆ 古文オリジナル問題~解釈~ ☆

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頼もしく、いかにと言ひ触れたまふべき人もなし。法師などをこそは、かかる方の頼もしきものには思すべけれど。さこそ強がりたまへど、若き御心にて、いふかひなくなりぬるを見たまふに、やるかたなくて

 

問)傍線部の心情として、最も適当なものを一つ選べ。

 

1.まだ若い光源氏にとっては、夕顔の死に直面することは、何ともやるせなく、心を晴らしようもなかった。

 

2.夕顔が若くして亡くなってしまったことは、光源氏からすると何とももどかしく、法師に弔いを頼むこともできなかった。

 

3.夕顔の死は、まだ若い光源氏には衝撃的で、何もしてやれなかった自分に憤りを隠せなかった。

 

4.若い光源氏には、夕顔の急死は受け入れがたく、その場にかたまったまま、茫然自失の境地であった。

 

5.若い右近の目から夕顔を失った光源氏の様子をご覧になると、どうしようもなく気の毒な感じであった。

 

照れ  チュー  びっくり

 

古文の長文読解は、

この源氏物語イラスト訳や、高校の授業でやってるように、

一語一語、きちんと品詞分解して訳していくのは、

あまりにも非効率的です;;

 

 

大学入試のセンター試験や一般入試では、

古文にかけられる時間は、長くて20分――。

 

 

いかにスピーディーに読めるか

高得点の鍵となるのです!

(灬ºωº灬)

 

 

今回の「夕顔の死」の場面も、

サクサクと読んでいく必要がありますが、

 

 

ただし、傍線部が出てきたら、

一語一語の品詞分解&逐語訳は必須!(σ・∀・)σ

 

 

その場合、

特に、省略されている主語を意識し、

内容をイメージながら読解する必要があります。

 

 

そういう練習として、

このイラスト訳が役に立つんですよっ♪

(。´・∀・)ノ゙

 

 

 

さて。

今回の傍線部ですが、

 

さこそ強がりたまへど、若き御心にて、いふかひなくなりぬるを見たまふに、やるかたなくて

   矢印

直前の「強がりたまへど」という逆接から、

ある程度内容を想定できますね!

びっくり

 

 

また、述部の「―たまふ」という尊敬語から、

この部分の視点人物が光源氏であることが判明します。

笑い泣き

 

 

さらに、重要古語「いふかひなくなる」という連語に着目☆

 

【いふかひなくなる(言ふ甲斐無くなる)

【形容詞:ク活用】

…言ってもかいのない、死んだような状態になる。亡くなる。死ぬ

 

 

 

 ※Weblio古語辞典より

   矢印

この対象となるもの(夕顔の死)を、

光源氏はご覧になったわけですね!

ゲッソリ

 

 

ちなみに、「いふかひなし」は、

直後の「やるかたなし」と同類の形容詞です。

 

【いふかひなし(言ふ甲斐無し)

【形容詞:ク活用】

①言ってもしかたがない。どうしようもない

②情けない。ふがいない。つまらない

③身分が低い。いやしい

④たわいない。幼稚である

 

【やるかたなし(遣る方無し)

【形容詞:ク活用】

①心を晴らしまぎらす方法がない

②(程度が)普通でない。並み一通りでない。とてつもない

 

 ※Weblio古語辞典より

   

こういう形容詞のニュアンスが、

この部分の心情にもつながるんですよ!

(o^-')b

 

 

1.まだ若い光源氏にとっては、夕顔の死に直面することは、何ともやるせなく、心を晴らしようもなかった。

 

2.夕顔が若くして(△ナシ)亡くなってしまったことは、光源氏からすると何とももどかしく、法師に弔いを頼むこともできなかった(×ズレ)

 

3.夕顔の死は、まだ若い光源氏には衝撃的で(△スギ)、何もしてやれなかった自分に憤り(×ナシ)を隠せなかった。

 

4.若い光源氏には、夕顔の急死は受け入れがたく、その場にかたまったまま、茫然自失の境地(△ズレ)であった。

 

5.若い右近の目から(△ナシ)夕顔を失った光源氏の様子をご覧になると、どうしようもなく気の毒な感じ(×ナシ)であった。

   矢印

選択肢も残したいところですが、

傍線部一語一語の照らし合わせからすると、

選択肢の方が「より適当」です。

 

 

選択肢は、

イラスト訳しか見てないあなたへのヒッカケですよん!

ゲローゲローゲロー

 

 

 

 

なお、「死ぬ」を表す連語は、

入試にもよく出て来るので、覚えておきましょう!

ウインク

 

☆~「死ぬ」を表す連語一覧~☆

【“むなしくなる”のニュアンス】

「徒ら(いたづら)になる」

「徒(あだ)になる」

「はかなくなる」

「虚(むな)しくなる」

 

【“どうしようもなくなる”のニュアンス】

「あさましくなる」

「あへなくなる」

「いかにもなる」

「いふかひなくなる」

 

 

「死ぬ」を表す古語一覧は、こちらの記事をご参照ください⇒

 

 

 

 

 

 

【解答】…

 

 

 

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