【夕顔176-3】古文単語「不便なり」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔176-3】古文単語「不便なり」

オリンピック大盛況ですね!

源氏物語イラスト訳 重要古語ラブラブ 

 

【古文単語の主なパターン】

チェックボックス1.古典特有語

   …現代にない古語。

チェックボックス2.古今異義語

   …現代と意味の異なる古語。

チェックボックス3.死語的現代ワード

   …高校生がほぼ使わない死語?

 

【今回の源氏物語】

御供さぶらはざりけり不便なるわざかなとてむつましき下家司殿仕うまつるなりけれ参りより、「さるべき人召すべきにやなど申さすれ

   サゲサゲ↓

今回のイラスト訳はこちら

 

 

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今回出てきた古文単語
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■【御供(おとも)】…貴人のそばに控える者

■【に】…資格の格助詞

■【人】…人々

■【も】…強意の係助詞

■【さぶらは】…ハ行四段動詞「さぶらふ」未然形

※【さぶらふ】…「仕ふ」の謙譲(管理人⇒光源氏)

■【ざり】…打消の助動詞「ず」連用形

■【けり】…詠嘆の助動詞「けり」終止形

■【不便なる】…ナリ活用形容動詞「不便なり」連体形

※【不便(ふびん)なり】…不都合だ

■【わざ】…こと

■【かな】…詠嘆の終助詞

■【とて】…~と言って

※【と】…引用の格助詞

※【て】…単純接続の接続助詞

■【むつましき】…シク活用形容詞「むつまし」連体形

※【むつまし】…親しい

■【下家司(しもげいし)】…下級の事務職員

■【に】…断定の助動詞「なり」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【殿(との)】…ここでは二条院のことか

■【に】…場所の格助詞

■【も】…列挙の係助詞

■【仕(つか)うまつる】…「仕ふ」の謙譲(作者⇒光源氏)

■【なり】…断定の助動詞「なり」連用形

■【けれ】…過去の助動詞「けり」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【参りよる】…「近寄る」の謙譲(作者⇒光源氏)

■【て】…単純接続の接続助詞

■【さるべき人】…しかるべきお供の者

※【さるべき】…しかるべき。適当な

■【召(め)す】…「呼ぶ」の尊敬(管理人⇒光源氏)

■【べき】…適当の助動詞「べし」連体形

■【にや】…~であろうか

※【に】…断定の助動詞「なり」連用形

※【や】…疑問の係助詞

■【など】…引用の副助詞

■【申さ】…サ行四段動詞「申す」未然形

※【申(まう)す】…「言ふ」の謙譲(作者⇒光源氏)

■【すれ】…使役の助動詞「す」已然形

■【ど】…逆接の接続助詞

   アップ

今回は、「ぬ」にも注意しましょ♪

「重要古語一覧」もご参照ください。
 

 

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☆ 本日の古文単語「不便なり」 ☆

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「御供に人もさぶらはざりけり。不便なるわざかな」とて、むつましき下家司にて、殿にも仕うまつる者なりければ、参りよりて、「さるべき人召すべきにや」など、申さすれど、

 

問)傍線部の意味として最も適当なものを次の中から選べ。

1.迷惑をかけてしまうなあ。

 

2.殺風景なことだなあ。

 

3.風情のないことだなあ。

 

4.かわいそうなことだなあ。

 

5.都合の悪いことだなあ。

 

合格  合格  合格

 

2020年度から、センター試験が変わりますが、

古文に関しては、たとえ思考力重視になったとしても、

 

まずは、基本の古語の理解です。

(o^-')b

 

 

このブログで、出てきた古語から

きちんと確認していきましょうね!

ウインク

 

 

【不便なり(ふびんなり)

【形容動詞:ナリ活用】

①不都合だ。具合が悪い。都合が悪い

②かわいそうだ。気の毒だ

③かわいい。いとしい

 

 

 *Weblio古語辞典より

   矢印

「不便」のポイントは、

 

●「ふべん」と読まないこと

●「不便(=不都合)」と「ふびん(=不憫)」の2つのニュアンス

 

という2つを押さえておきましょう!

チュー

 

 

「不便なり」=「便なし」です。

 

「“便”がない」というのが中心語義。

 

「便」は、便利、つまり物事が順調に進むという意味で、

それが無いから、「不便」なんですね!

(o^-')b

 

 

 

②や③の意味は、

「不便」という漢字の語義ではなく、

「ふびん(不憫)」という発音を語義と考えたほうがいいでしょう。

 

 

ですが、源氏物語に代表される中古の古文では、

基本的には、「不便=不都合の意味で捉えてね。

(o´・ω・`o)ノ

 

 

ちなみに…

③の「かわいい」という意味は、

 

 

「かなし」「いとし」と同様、

かわいそうで、胸がきゅんとする状態と考えたら

イメージつきますね♪

 

 

 

 

ま、こういうのは、練習次第で、分かるようになってきます。

ニコニコ

 

正解…

 

 

【夕顔(第4章)】の一気読みはこちら⇒

【源氏物語イラスト訳】の冒頭はこちら⇒

 

【今回の源氏物語】

御供さぶらはざりけり不便なるわざかなとてむつましき下家司殿仕うまつるなりけれ参りより、「さるべき人召すべきにやなど申さすれ


 

過去記事リンク

おほん(御)

に(助詞)

人②

さぶらふ

ず(助動詞)

けり(助動詞)

便(びん)なし

わざ

かな(詠嘆)

とて

むつまし(睦まし)

しも

にて(識別)

つかうまつる(仕うまつる)

なり(断定)

ば(接続助詞)

まゐる(参る)  参る②

よる(寄る)

て(接続助詞)

さるべき

めす(召す)

べし①  べし②

にや

など(副助詞)

申す(まうす)

す・さす(助動詞)

ど・ども(接続助詞)

 

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