本感想42「手紙」 | それいけ ツナガー!!

本感想42「手紙」

ツナガー・おにぎりです。
通勤中はもっぱら読書...
活字離れもあり、折角良い本が読まれずに終わるのは寂しい。

そこで本の感想
読んだ上でデザイナー・おにぎり(←本業です)が
表紙デザイン(装丁)デザインしてみました。
1冊でも手に取って読んでもらえたら
皆さんとつながりが持てるような気がします。
(注意:懐具合もありまして本は全て文庫本です、あしからず...)

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それいけ ツナガー!!
vol.42
手紙〈東野圭吾 著〉
文春文庫


好きな作家さんは何にかいます。
何冊も小説出していて、どの小説を読んでもハズレがない。
宮部みゆき、真保裕一、乃南アサ...東野圭吾もその一人です。

直貴は高校三年生。
父の死後、女手一つで兄の剛志と直貴の二人を育ててくれた母。
そんな母も度重なる疲労である日逝ってしまった。
高校を中退し働きだした兄も、身体を壊し定職もままならないある日。
直貴を大学に行かせるべく足を踏み外し強盗殺人を犯し服役の身に。

毎月規則正しく獄中の剛志から手紙が届く。
過去を捨て、身分を偽り生きて行く直貴だが
その都度、兄の存在が運命を狂わしていく。
進学、恋愛、就職と次々と夢を諦め生きていく。
いつになったら、どれだけ月日が流れれば
兄の犯した罪から解放されるのか?
加害者の弟の苦悩の日々を描いた作品です。

毎日ニュースで報道される事件や事故。
でも身近に犯罪に関わった人、
巻き込まれた人は少ないのではないでしょうか?
その実態はドラマや小説でしか知ることができない。

この小説は、犯罪を犯した兄の罪を
弟がどう受け止め生きていくかです。
読み進むうち直貴に感情移入してしまいますが
そんな彼に「罪を犯せばその家族も苦しむ、差別は当然なんだ」と諭す人も。
やがて一つの事故で被害者側にたった直貴が
初めて本当の意味で罪に向き合うこと、償うことを知ります。
メールが溢れる日常茶判事の世の中ですが、
手紙には、メール以上に人の気持ちを動かす力みたいな
ものがあるのではないでしょうか?

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では読み終わったうえで
おにぎりが感じたイメージで
「手紙」の表紙をデザインしてみました!

それいけ ツナガー!!






























刑務所から出す手紙は検閲を受けるそうです。
しかも住所や桜の判などが押され所在が分かってしまう。
兄からの手紙が届くたびに人生を狂わされていく。
その手紙をぼんやり見つめる姿を描いてみました。


これまでの感想&表紙デザイン---------------------------------------------------(=⌒▽⌒=)


〈青空の卵/坂木司〉 〈悪夢のエレベーター/木下半太〉 〈オテル モル/栗田有起〉

〈君に舞い降りる白/関口尚〉  〈求愛/柴田よしき〉 〈金のゆりかご/北川歩実〉  〈告白/湊かなえ〉   〈凍える牙/乃南アサ〉   〈殺し屋シュウ/野沢尚〉

〈サマータイム /佐藤多佳子〉   〈ジウⅠ・ジウⅡ・ジウⅢ/誉田哲也〉   〈ジャンプ/佐藤正午〉 〈真相/横山秀夫〉 〈ストロベリーナイト/誉田哲也〉   〈スパイラル・エイジ/新津きよみ〉

〈竜巻ガール/垣谷美雨〉 〈チョコレートゲーム/岡嶋二人〉   〈転落/永嶋恵美〉   〈逃亡作法/東山彰良〉

〈バージョンアップ/小泉すみれ〉   〈働く女/群ようこ〉  〈100回泣くこと/中村航〉 〈ビンゴ/西村健〉  〈プラナリア/山本文緒〉  〈プリズム/貫井徳郎〉  〈ブレイクスルー・トライアル/井園 旬〉

〈無制限/渡辺容子〉    〈もう君を探さない/新野剛志〉 〈MOMENT/本多孝好〉

〈誘拐症候群/貫井徳郎〉   〈雪が降る/藤原伊織〉   〈ゆび/柴田よしき〉     〈夜の果てまで/盛田隆二〉 〈呼人/野沢尚〉

〈LAST/石田衣良〉 〈ラッシュライフ/伊坂幸太郎〉  〈ランドリー/森淳一〉 〈  リアルワールド/桐野夏生   〈リピート/乾くるみ〉 〈ルアーに恋した日/喜多嶋隆〉

〈笑う警官/佐々木譲〉