本紹介16「サマータイム」後編 | それいけ ツナガー!!

本紹介16「サマータイム」後編

通勤中はもっぱら読書...
その読んだ本の感想
おにぎり流の装丁(表紙デザイン)をご紹介します!

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それいけ ツナガー!!

vol.16

サマータイム〈佐藤多佳子 著〉
新潮文庫


佳奈は12歳、僕 進は11歳。
夏のある嵐の日、片腕の少年広一くんと出会って
3人の不思議なひと夏が始まった。
広一は事故で父親と左腕を失い、母と二人暮らし。
ピアニストの母の影響で片腕で「サマータイム」を進に披露する。
佳奈は進と同じように、半ば強引に広一に自転車を教える。

物語は、各章主人公が入れ替わり
広一との友情と別れ、広一と出会う前の佳奈と進のエピソード、
その後の広一のトラウマ克服。そして佳奈の恋愛物語。
と四本の短編で構成されています。

誰もが子供時代に通ってきたエピソードがたくさん詰まっています。
親の些細な不公平に根を持ったり姉弟へ嫉妬したり、
悪いことでもその時は胸ときめく出来事。
ちょっとした仕草や会話で嫌いになったり、好きになったり...
サマータイムを読み進むうちに
いろいろな懐かしい子供時代を思い出しました。

すっと読める文章で心地よい余韻が残る一冊です。
ただ読み終わって多少物足りなさもあります。
良いストーリーですが、心地よさだけが残って
だから何的な部分が見えない。
でも、あえてそこが作者の狙いかもしれませんね。
十代の心理描写とてもよく描かれていました。
僕的には、だからどうだった、どうしたという
続編を是非読んでみたいと思いました。

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では読み終わったうえで
おにぎり流に「サマータイム」
表紙をデザインしてみました!


それいけ ツナガー!!
































おにぎり流装丁(表紙デザイン)
本書の表紙から、夏の海岸ストーリーを期待していましたが
本編は広大な近未来型のニュータウンで
ややギャップを感じました。
(自転車のエピソードが登場しますが...)

おにぎり流・表紙デザインでは
各章にピアノがからみサマータイムをはじめ
セプテンバー・イン・ザ・レインなどの曲が
ストーリーにそっと寄り添っています。
なのでピアノをキービジュアルとし
夏を感じさせるブルーな配色で
十代の甘く切ないイメージを淡い水彩画でデザインしてみました。



1冊目〈LAST/石田衣良 著〉
2冊目〈スパイラル・エイジ/新津きよみ 著〉
3冊目〈ジウⅠ・ジウⅡ・ジウⅢ/誉田哲也 著〉
4冊目〈無制限/渡辺容子 著〉
5冊目〈金のゆりかご/北川歩実 著〉
6冊目〈ブレイクスルー・トライアル/井園 旬 著〉
7冊目〈凍える牙/乃南アサ 著〉
8冊目〈逃亡作法/東山彰良 著〉
9冊目〈笑う警官/佐々木譲 著〉  
10冊目〈バージョンアップ/小泉すみれ 著〉
11冊目〈殺し屋シュウ/野沢尚 著〉
12冊目〈告白/湊かなえ 著〉
13冊目〈ジャンプ/佐藤正午 著〉
14冊目〈転落/永嶋恵美 著〉
15冊目〈君に舞い降りる白/関口尚 著〉