本感想29「リピート」 | それいけ ツナガー!!

本感想29「リピート」

ツナガー・おにぎりです。
通勤中はもっぱら読書...
活字離れもあり、折角良い本が読まれずに終わるのは寂しい。

そこで本の感想
読んだ上でデザイナー・おにぎり(←本業です)が
表紙デザイン考えてみました。
1冊でも手に取って読んでもらえたら
皆さんとつながりが持てるような気がします。
(注意:懐具合もありまして本は全て文庫本です、あしからず...)

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それいけ ツナガー!!

vol.29

リピート〈乾 くるみ 著〉
文春文庫



「リピート」を読んだ感想です。

ある日、毛利圭介に1本の電話がかかる。
「今から約一時間後に地震が起きます」
そして実際一時間後の午後五時四十五分に地震が起こる。

地震予告をしてきた風間は
未来から記憶を持ったまま時を10ヶ月戻ってきたという。
そして不特定の男女9名に電話をかけ
時間をさかのぼるリピートを招待してくる。
9名が不信を抱きつつも10ヶ月前にリピートする。
ところがリピートした彼らは一人一人不審な死を遂げていく...。

そもそもあなたは、タイムマシンがあって
過去に戻れるとしたらどうしますか?
映画バックトゥザフューチャーにあるように
過去へ戻ると昔の自分が居たり、自分の親がまだ子供だったりしますよね。
でもこの小説は記憶を持ったまま過去の自分の中に戻るというお話。
ある人は、未然に起こるトラブルを防いだり
レース結果が分かっている競馬で儲けてみたり。

しかし思うようにいかない。
ちょっとした1つの行為によって
記憶していた未来が次第に違った方向へと進んでいく。
特権を与えられたはずの毛利達リピーター
抗い、もがき苦しむ姿が描かれています。
そして、なぜ彼らは選ばれたのか? そしてなぜ死んでいくのか?
その謎解きが意外性もあり面白かったです。

次々と不慮の死を遂げていく小説には、
読み手に「こいつが犯人? いやこいつかな?」と思わせる
犯人と思わせる要素や影みたいなあるものです。
脇を固めるリピーターのキャラにもう少し癖があったほうが
もっと謎が深まり引き込まれたかなと思います。

またリピートするまでがやや長め。
回想シーンでリピートまでを振り返る展開のほうが
大きく場面が変わるため読み手も飽きないような気がします。
欲を言えばですが...



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では読み終わったうえで
おにぎりが感じたイメージで
「リピート」の表紙をデザインしてみました!

それいけ ツナガー!!




























副題に「wheel of Fortune」とあります、運命(の女神)の輪という訳です。
10ヶ月間をぐるぐるループすることがそうなのか、
もしくは毛利の恋人・由子や鮎美が運命の輪なのか分かりません...

おにぎり的にはヘリコプターで異空間へ飛び込み
10ヶ月をさかのぼるリピートをイメージした表紙にしました。
またwheel of Fortuneではなく、RepeatのRをロゴ的に入れてみました。


これまでの表紙デザイン---------------------------------------------------

1冊目〈LAST/石田衣良 著〉
2冊目〈スパイラル・エイジ/新津きよみ 著〉
3冊目〈ジウⅠ・ジウⅡ・ジウⅢ/誉田哲也 著〉
4冊目〈無制限/渡辺容子 著〉
5冊目〈金のゆりかご/北川歩実 著〉
6冊目〈ブレイクスルー・トライアル/井園 旬 著〉
7冊目〈凍える牙/乃南アサ 著〉
8冊目〈逃亡作法/東山彰良 著〉
9冊目〈笑う警官/佐々木譲 著〉  
10冊目〈バージョンアップ/小泉すみれ 著〉
11冊目〈殺し屋シュウ/野沢尚 著〉
12冊目〈告白/湊かなえ 著〉
13冊目〈ジャンプ/佐藤正午 著〉  
14冊目〈転落/永嶋恵美 著〉
15冊目〈君に舞い降りる白/関口尚 著〉
16冊目〈サマータイム /佐藤多佳子 著〉
17冊目〈ビンゴ/西村健 著〉
18冊目〈ランドリー/森淳一 著〉
19冊目〈チョコレートゲーム/岡嶋二人 著〉
20冊名〈誘拐症候群/貫井徳郎 著〉
21冊目〈ストロベリーナイト/誉田哲也 著〉
22冊目〈ルアーに恋した日/喜多嶋隆 著〉
23冊目〈青空の卵/坂木司 著〉
24冊目 〈プラナリア/山本文緒 著〉
25冊目〈ゆび/柴田よしき 著〉
26冊目〈働く女/群ようこ 著〉
27冊目〈雪が降る/藤原伊織 著〉
28冊目〈呼人/野沢尚 著〉