HUMMERの部屋

HUMMERの部屋 <恋愛小説一覧 >


 何気なく書き始めた、恋愛小説です。

 微力ながら読んで頂いた方に何か伝わればいいなと思ってます。


 ●2度目の恋  第1話~第5話

   ・恋愛に無縁だった1人の男の純粋なラブストーリー。

   ⇒  第1話  第2話  第3話  第4話  第5話


 ●17才の夏  第1話~第47話 + 番外編

   ・高校生達の友情と悲しみを描く、悲劇のラブストーリー。

   ⇒  第1話  第2話  第3話  第4話  第5話  第6話  第7話

       第8話  第9話  第10話 第11話 第12話 第13話 第14話
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       第43話 第44話 第45話 第46話 第47話 番外編


 ●愛されたい私と愛したい私  第1話~

   ・新社会人1年生が恋愛を繰り広げる、ちょと大人のラブストーリー。
   ⇒  第1話  第2話  第3話  第4話  第5話  第6話  第7話

       第8話  第9話  第10話 第11話


※皆様からの、感想をお待ちしております。

  これが、私の原動力につながります。よろしくお願いいたします。


※上記作品に登場する人物、団体、名称はすべて架空のものです。
                    (一部を除き)



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愛されたい私と愛したい私  第12話

愛されたい私と愛したい私  第12話 ~再会~







里菜が付き合っている事は、小出の耳にも入っていた。

客先に向かう途中、小出は思い切って里菜に噂話を聞き出した。


「会社で伊集院さんの噂話があるけど、本当なの?」


里菜は、一瞬にして呼吸が止まった。

すぐに、直樹との付き合いの話だと察したが、里菜はとぼけてみせた。


「何の噂話ですか?」

「一之瀬さんと、付き合いしているって噂。」


小出の思いを理解していた里菜には、話したくない話題だった。


「・・・・?」

「もしかして、僕の事気にしてるの?」

「い・・・いぇ・・・。そんなんじゃないです。」


図星だった里菜は、慌てて小出の言葉を否定した。


「話したくないんだったらいいんだ。ごめんね、こんな話して。」

「いいえ!噂は、本当です。今、お付き合いしています。」

「やっぱりそっか!幸せそうな顔をしていたから・・・・!
 僕も、頑張らなきゃ・・・。」


小出の言葉が、里菜には重く感じた。

しばらくの間、2人は無言のまま時間が過ぎ去った。


「伊集院さん、ここの会社だよ!」

「わぁ~!凄い大きなビルですね!!」

「そうだね。有名だからね!さぁ・・・!気合入れて行くよ・・・!」

「はい!」


2人はビルへと入って行った。

受付を済ませ、会議室へと案内された。

しばらくして、4人がドアから入って来た。

一瞬にして、里菜は固まった。

そこには、直樹の姿があったからだ。

直樹も驚いた様子で、里菜を見つめていた。

そして、挨拶が始まった。

里菜は、緊張しつつ1人1人名刺交換をしていた。

すると直樹と同じ名字に目が止まった。


「「この人、もしかして直樹さんのお兄さんかな?
  良く見れば、似ているし。」」


里菜は、心の中で思っていた。

直樹との順番が回って来た。

お互いに顔を見合わせ、名刺交換をした。

その時、直樹が小さな声で呟いた。


「里菜さん、驚いたよ・・・!」


里菜は、無言で小さくうなずいた。

そして商談が始まった。

小出と直樹が話している様子をじっと見ているばかりの里菜だった。

1時間が経過し、打ち合わせが終わった。


「結果は本日に、回答させて頂きます。」

「よろしくお願い致します。」


里菜と小出は、頭を深々と下げた。

商談も終わり、2人は会社に戻った。

夕方、営業3課に1本の電話が入り、その電話を里菜が受けた。

その電話は、直樹からの電話だった。


「一之瀬ホールディングスの一之瀬ですが・・・!
 小出さんお願いします。」

「直樹さん・・・!里菜です。」

「里菜さん・・・。今日は、驚いたよ!里菜さんが勤めていた
 会社だったとは、知らなかったからね!」

「私もです。」

「今日の夜、商談が成立したので、パーティーがあるから
 絶対に来てよ!」

「えっ!パーティーですか?」

「そう。親父はいつもこれだから、大変なんだけど・・・!
 絶対・・・待ってるね!」

「分かりました。それじゃ、小出さんに変わりますね!」

「うん・・・・!」

「小出さん・・・。IHから、お電話です。外線2番です。」

「はい!」


里菜は、小出に電話を取り次いだ。

しばらくして、小出は電話を終えた。


「伊集院さん、ちょっと・・・!」


小出は、里菜を呼び出し、坂井課長の席に向かった。


「課長・・・。今、IHより電話がありまして、商談成立しました。」

「おう!そうか・・・。良くやってくれた。」

「それで、本日20時から祝賀パーティーを行うので、
 是非参加して欲しいとの事です。」

「またか!それじゃ、小出主任と伊集院さんあと部長に行ってもらうか?
 部長には、私から話しておくから・・・。2人は大丈夫?」

「はい!分かりました。」

「私も、大丈夫です。」

「それじゃ、また頼んだよ!」


夜7時半になり、里菜と小出は部長と一緒に、会社の車で出かけた。

里菜は、新城部長と後部座席に座り、小出は助手席に乗った。

新城部長との距離間が不安になっていた。

セクハラ部長と言う肩書を持つ新城部長と一緒だったからだ。

里菜には、20分程の移動時間が1時間以上にも感じた。

幸いにも、何事もなく車は目的地で車を停めた。

3人は、車を降り会場へと入って行った。

会場へ入るなり、里菜は驚いた。

学校の体育館程の広い部屋に、5席のテーブルと脇には

バイキング式のテーブルが用意され、上には幾つもの料理が並んでいた。

部屋中、関係者が慌ただしく動き回っている。

しばらくして、パーティーが始まった。

里菜は、新城部長と小出と挨拶回りで次第に、精神的に疲れていた。


「「なんか・・・!もういいって感じだな・・・?
  全然楽しくないよ・・・!!でも、仕事だししようがないか?」」


里菜は、心で呟きながら自分に言い聞かせていた。

やがて、挨拶回りも終わろうとしていた。

最後に、直樹とお兄さんの所に向かった。

里菜は、少し緊張していた。


「里菜さん、今日は疲れたでしょう?」


里菜は、直樹の言葉に何故かほっとした。


「はい!少し、疲れました。」

「お腹空いてない・・・?」

「もう、ペコペコです。」


直樹は、笑いながら言った。


「里菜さん、らしいや・・・!!」


すると、お兄さんが話掛けてきたのである。


「直樹・・・!知り合いだったのか?」

「あっ!仕事以外でね・・・!」

「改めまして、伊集院 里菜と言います。」

「綺麗な方ですね!」

「いえ・・・そんな・・・!!」

「ゆっくり、食事でも食べてください。さぁ、行きましょう。」


直樹のお兄さんに誘われ、里菜は食事を取りに向かった。

里菜は、戸惑いながらもお兄さんと食事を楽しんでいた。

そんな、2人の姿を見ていた直樹の心は穏やかでは無かったのである。






続く 愛されたい私と愛したい私  第13話 ~告白~



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