恋愛小説 17才の夏 第38話 | HUMMERの部屋

恋愛小説 17才の夏 第38話

17才の夏 第38話 ~クリスマスパーティー~ 




今年の冬、2人は初めてのクリスマスを迎える。
クリスマスイブ前日に、満とまどかに加え、
るり子と学の6人でパーティーを予定していた。

今年のクリスマスは、土曜日がイブと絶好の曜日である。
イブ1週間前、6人は久々に集まって計画を立てていた。
まどかのお母さんの協力もあり、まどかの家で行う事が決まった。

6人で遊びに行く案もあったが、聡が反対し今回は見送った。
聡と紀子はイブから1泊2日の旅行に出かける予定だったからだ。

この事は、他の4人は知らなかったが、まどかは気づいていた様子だ。
予定も決まり、6人は自宅へと帰った。

やがて、クリスマスパーティー当日を迎えた。
6人は放課後教室に集合し、全員でまどかの家に向かった。

途中で、飲み物やお菓子類の買い物をしケーキまで購入した。
パーティーが始まり、6人は楽しそうに笑顔が絶えなかった。

6人は時間を忘れ、もうすでに朝方の4時を回っていた。
やがて、少しずつ活気が無くなりあくびが出始めてきた。
聡は、眠そうにしている数名を見て、

「そろそろ、寝るか。みんな疲れてきたみたいだし!!」

「そうだな!ここで、ごろ寝でもするか・・・!」

満はそう言いながら、るり子と学の3人はその場でごろ寝をし始めた。
聡と紀子、まどかの3人は静かに2次会を行っていた。

「ねぇ!紀子。あなた達は明日って言うか、今日のイブどうするの?」

「うん~ん・・・・!」

紀子は、聡の顔を見た。

「実は、温泉旅行に行く予定なんだ!」

聡が、まどかに答えた。

「やっぱり・・・!温泉旅行・・・ねぇ。
 聡が、反対していたから何かあるなって思っていたけど。
 いいな~ぁ、紀子は・・・!」

「なんで・・・!」

「だって、いっつも仲良くどっかに行ったりしているでしょ!
 満は、何処も連れてってくれないし!・・・
 ねぇ・・・、2人+私の3人で行こうよ。」

「イヤダ・・・、絶対ヤダ・・・・!!」

紀子は即答した。

「そんな言い方しなくたって・・・冗談なのに・・・」

「まどかは、イブはどうするの?」

「うん、予定はない!ここで2人でまた、パーティーするだけ!」

「今度、満に言っておくよ・・・!!」

「よろしく、お願いします・・。で、何時出かけるの?」

「もう少ししたら、帰るよ!朝6時から出かける予定なんだ!」

「えっ!もうすぐだよ!そんなに早く・・・温泉かぁ~!!」

「温泉まんじゅう買ってきてあげる・・・。」

「ありがと、羨ましいわ!ほんとに!!」

まどかは、2人の旅行を羨ましく思っていた。
しばらくして、

「もう、5時45分だしまどか、帰るよ!」

「うん!気を付けて行って来てね!」

「ありがとう!まどか・・・。」

聡と紀子は、静かにまどかの部屋を出て行った。
2人は、始発のバスに乗り込み、仮眠を取る事にした。

「のっこ!少し、眠ろうか!」

「うん!少しだけ、疲れた・・・・。」

2人は、バスの心地よい揺れを感じながら、熟睡してしまった。
バスは2時間後、目的地の温泉街に到着した。

「お客さん・・・?終点ですよ!」

聡と紀子は、バスの運転士さんに起こされた。

「あっ!すいません。すぐに降ります。」

慌てて2人は、バスを飛び降りた。

「あっ・・・・!良く寝た・・・・!!」

「そうだね!ぐっすり眠れた気がする!!」

「さぁ!これから・・・楽しむよ・・・!のっこ。」

「は~い!!」

2人は、すがすがしい顔をして、温泉宿へと向かった。

また、新たな思い出を積み重ねていく2人だった。



続く 17才の夏 第39話 ~クリスマスイブ~