恋愛小説 17才の夏 第17話 | HUMMERの部屋

恋愛小説 17才の夏 第17話

17才の夏 第17話 ~一方で~ 


そして、翌日いつもの様に、バイト先に向かう為、やや遅めにバイト先に向かった。
「こんにちは!!今日もお願いします。」
友子が、いた。

「聡、今日はいつもより遅いね?」
「昼寝してたら、寝坊しちゃって・・・?」

友子の様子に、変わりは無かった。
「「るり子は話してないんだ!! 良かった・・・!」」
そして、るり子の様子にも変化は無かった。
「「いつもの様に、振舞うか?」」
聡は、仕事に専念した。

一方の紀子は、あまりの寂しさに泣きながら、朝を迎えていた。
付き合い始めて、間もない時間の中で、あまりにも早すぎた
展開が大きな要因だった。
紀子は、まどかに連絡を取り寂しさを紛らわす為に、会いに行った。
「こんにちは・・・。」
「あら、紀子ちゃん。いらっしゃい。」
「まどか、居ますか?」
「部屋に、居ると思うわ?さあ、どうぞ!」
「おじゃまします。」
「紀子ちゃん、なんか元気ないわね?」
「そんな事、ないですよ!」
「なら、いいけど・・・?」

まどかのお母さんも、紀子が元気の無いことに気がついた。
紀子は、そのまま2偕のまどかの部屋へと向かった。
「トン・トン」
「まどか、はいるわよ!」
「来た来た、待っていたわ。紀子、ここに座って。」
「ありがとう。」
「やっぱり、元気ないか!!思った通りだ!!」

紀子は、返す言葉すらなかった。
「こりゃ・・病気だね?気持ちは分かるけど、こんな姿を仲間くんは望む?
  なら、頑張れ!仲間くんだって、寂しさを堪えて仕事してるんじゃないの?」
紀子は、まどかの言葉に、心を動かされ、何故か涙があふれ出てきた。
「こんな落ち込んだ気持ちで居れば、会う時は不細工な顔になってるぞ!紀子?」
「ありがとう。まどか!。」
「さぁ!元気出して・・。いつもの紀子の戻んなきゃ?」
「うん。ほんと、ありがと・・・。」

まどかの優しさが、紀子の心の励みとなった。
紀子は、少しずつ、落ち着きを取り戻して来た。

「本当に、仲間くんの事が好きなんだね!羨ましいよ・・紀子は?」
「なんで?」
「そうでしょ!好きな彼が居て幸せで、好きな彼の事で悩んで、どんどん綺麗になって行く」
「恋愛は、女性を成長させてくれるもん!男に寄るけどね?」
「その点、仲間くんはかっこいいし、優しそうだし、頼れそうだし、言う事無いでしょ・・!」
「うん。」

「私の方が、落ち込むわよ。あっぁ・・仏様・・・まどかに幸せを・・・!」
「あれ・・・神様じゃなかったの?」
「うるさいなあ!両方に、お願いしておくの・・・!  少しは元気になったね。」

「まどかのおかげだよ。本当に感謝してる。ありがとう。」
「気にすんな!親友でしょ。困った時はお互い様よ・・・」

「ねぇ。まどか? まどかも彼が欲しい?」
「そりゃ・・欲しいわよ。」
「聡に、紹介して貰おうか?」

「えっ・・・。仲間くんがそう言ったの?」
「違う。私がそう思ったの。そうすれば、親友同士の2カップルで遊ぶ事も出来るし、良くない?」
「最高だろうけど・・?私は、この通りモテナイし無理だよ?」

「そんな事ないよ。まどかは優しくて思いやりがあって可愛いもん。それに、聡が
  言ってた・・。人は外見じゃなくて、ハートだって・・・」

「辞めてよ・・・期待しちゃうじゃない。」
「聡の親友なら、きっと同じ価値観の人がいるよ、絶対に・・・?今度、聞いて見てもいい?」
「まぁ!期待しないで待ってる・・・?」

「叶うといいな・・・。考えたら、わくわくして来た。」
まどかは、思いもよらない紀子の発言に、期待を膨らませていた。

やがて、2人はいつもの状態を取り戻して行った。
「ねっ、紀子・・・。昨日の続きだけど、ラブ・ホテルってどんな感じだったの?」
「すごく、綺麗で広いの!泊った部屋には、プールがあった。」
「えっ・・?部屋の中にプール?」
「うん、25Mプールでは無いけど、お風呂の5倍くらいはあると思う?」
「ラブ・ホテルって凄いんだ?」

「仲間くんは、初めてだったの?ホテルは?」
「そうみたい!びっくりしてたも・・!他の部屋も見て見たいって言ってたから・・」
「また、行くの?」

「そうじゃ、無くて。そのぐらい興味を持っていたから、初めてだった事!」
「そっか!それで・・・泳いだの?」
「うん。」
「水着は?」

「聡が、裸で泳ごうって言われて、恥ずかしいから、電気を暗くして一緒泳いだ。」
「えっ・・!興奮して来た。そんで、そんで・・・?お風呂は・・・」

「一緒に入ったよ。」
「紀子は、勇気あるね!私は絶対に無理だわ!」

「私も、最初は無理だって思っていたけど、その時の状況次第かな?案外、平気だった!」
「そんなもんかね?そんで。。そんで・・・・。」 
「あとは、カラオケをして寝た。」
「カラオケまで、あるんだ?凄いね?そこまで行って、何もないか?ホントか?」

「ほんとだよ。私の事は抱きたいと思っているけど、今は大事にしたいからって我慢するって!」
「そうなんだ?男の気持ちは分からないから、何とも言えないけど。
  なんかやっぱりいい男だね仲間くん!紀子も引かれる訳だ・・・!!」

「夏休みは寂しいから、来年は聡と同じバイト出来ないかお願いしているの?
  人数制限があるから、何時でも、誰でもって訳には行かない見たい。」

「何のバイトなの?」
「詳しくは、分からないけど、友子ちゃん家のお手伝いらしいの?」
「そうなんだ。そう言えば、友ちゃんが言ってたな。今回、1人が辞めて困っていたら
  るり子ちゃんが来てくれる事になったって・・・・。同じバイトじゃないのかな?」
「えっ、そうなんだ?いいな?るり子ちゃんは・・・!」
「親友の満くんが、2週間ぐらい居ないから、大変だって言っていた様な気がする?」

聡は、紀子がるり子も同じ仕事をしている事を知っているとは、思いにも寄らなかった。
そして、聡から電話もなく、2週間が過ぎ去った。
紀子は、我慢していた。


続く  17才の夏 第18話 ~休日のお願い~