恋愛小説 愛されたい私と愛したい私 第11話 | HUMMERの部屋

恋愛小説 愛されたい私と愛したい私 第11話

愛されたい私と愛したい私  第11話 ~噂~







直樹の優しさと横浜の夜景に包まれ、
里菜は幸せな気分になっていた。

横浜のデートを満喫した2人は、
車に乗り込み自宅へと帰って行った。

翌日、里菜が会社に出勤すると、
佐々木を見た瞬間に足が止まった。


「どうしよう!昨日の事、何か聞かれるかな?」


里菜は、不安に思っていた。

まだ、牧野は出勤していなかったが、
佐々木の横には小出も既に出勤していた。


「考えてもしょうがないか?」


里菜は、1歩を踏み出し自分の席に向かった。

席に着くなり、佐々木が話しかけて来た。


「おはよう!」

「おはようございます。」


里菜は、静かに自分の席に座った。

佐々木からは、挨拶以外の言葉はなかった。


「ふぅ~・・・!」


里菜は、佐々木の態度にほっとした。

すると、牧野が出勤して来た。

席に、近づくに連れ笑みを漏らした。


「おはよう!」

「おはようございます。」


里菜は、普通に挨拶を交わした。


「「やっぱり、牧野さん。なんか感じわる~ぅ・・・!
  この人とは、絶対に会わない気がする?」」


里菜は、心で呟きながら、仕事を始めた。

ようやく、午前中が終わり昼休みとなった。

里菜は、昼食を取るため外に出て行った。

昼食を終え、自分の席に戻ると美子が近寄って来た。


「里菜・・・!ちょっ・・と・・・!」

「あっ!はい・・・。」


美子に連れ出された里菜は、何が起こったのか
理解出来なかった。


「ねぇ・・・。里菜・・・!」

「何ですか?」

「あなた、一之瀬さんとお付き合いしてるってほんと?」

「えっ!どうして知っているんですか?」

「牧野さんから、聞いたわよ。あの人いろんな人に
 言いふらしているわよ!」

「えっ!何でそんな事するんですかね?
 私が、誰と付き合おうと関係ないですよね・・・!
 でも、何で一之瀬さんって知っているんだろう・・・?」

「一之瀬さんだから問題なのよ!」

「美子さんの言っている意味が分かりません。」

「一之瀬さんは、有名な人だからよ。お金持ちの家柄で・・・!」

「うっそ・・・!そんなに有名何ですか?」

「えっ、里菜・・・!あなた知らなかったの?」

「はい・・・!知りませんでした。」

「そっか!一之瀬さんは、女性の憧れの的よ・・・!
 この業界では、知らない人はいないわ。
 噂が広がれば、結構辛いかもよ・・・!
 でも、羨ましいわ。今度、ゆっくり話を聞かせてね・・・。」

「いいですけど、何か意地悪されますかね?」

「それは、分からないけど・・・。
 私は、里菜の味方だからね・・・・・!」

「ありがとうございます。」

「さぁ、時間だから戻ろう・・・。」

「はい!」


里菜は、直樹が有名な人だったとは知らなかった。

確かに、お金持ちなのは理解していた。

美子の言葉が、里菜の頭から離れなかったのである。

そして、午後の仕事が始まった。


「おい!小出主任と伊集院さん・・・。」


しばらくして、坂井課長に呼び出された。


「何でしょう!課長・・・。」

「2人で、IHの本社に行って来てくれ・・・。
 大きな商談になるかも知れん、慎重にな・・・!!
 頼んだぞ、小出主任。」

「はい、分かりました。では、行って来ます。」


里菜は、小出に付き添う事を命じられた。


「さあ、出かけようか!」

「はい、分かりました。」


2人は、出かける準備を整え会社を出た。









続く 愛されたい私と愛したい私  第12話 ~再会~
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