恋愛小説 愛されたい私と愛したい私 第2話 | HUMMERの部屋

恋愛小説 愛されたい私と愛したい私 第2話

愛されたい私と愛したい私  第2話 ~歓迎会~





翌日、里菜は通勤ラッシュにもまれていた。
すると、同じ車両で佐々木を見かけた。

「「おっと、佐々木さんだ!やばい・・・!
  見なかった事にしよう・・・。」」

里菜は、佐々木との距離を置き会社に向かった。
先日同様に、佐々木に仕事を教わっていた。

昨日から、小出が少し気になっていた里菜は、
仕事中の小出の横顔を時々、見ていた。

「「なんか!カッコイイな!
  真剣に仕事している人の顔って・・・。
  いやぁ~ん。もしかして、オフィスラブがあるかも?」」

そんな事を思いながら、定時を迎えた。

「「これから歓迎会か!やだなぁ~。でも、私の歓迎会だも、
  嫌な顔出来ないしなぁ・・・。」」

佐々木が、里菜の席に近づいて来た。

「伊集院さん、これ・・・。歓迎会の場所の地図です。
 時間は6時半からだから、遅れない様に来てください。」

「あっ、はい。分かりました。」

里菜は、心の中で叫んだ。

「「何?おいおい、連れてってくれるんじゃないの?
  最低・・・。この人やっぱり、感じ悪いな!!」」

渡された地図を見ていた里菜に、中条が声をかけた。

「伊集院さん。一緒に行きましょう・・・。」

「ありがとうございます。実は、困っていました。」

「佐々木さんは、いつもそうなの!私も新人と時そうだった。」

「えっ!そうだったんですか!!」

「それじゃ、行きましょう!」

「はい!」

里菜は、佐々木から受け取った地図を机の上に置き、
中条と出かけて行った。

「中条さん、優しい方なんですね!嬉しかったです。」

「そんなん事ないわ。だって可愛い後輩でしょ・・・。
 ・・・って言うか伊集院さんとは、なんか気が合う様に
 思えたのよ!だから、これから仲良くしてね!!」

「はい!ありがとうございます。喜んで・・・・!」

「私ね・・・、今の職場あまり好きじゃないの?」

「えっ!どうしてですか?」

「佐々木さんと言い、みんな自分勝手で人の事は
 どうでもいいってって感じが、嫌なの!
 でも、仕事だからしょうがないかなって・・・!!」

「えっ、そうだったんですか!」

「小出主任は別よ・・・。あの人だけは、優しいから。」

「先輩、私もそう思いました。」

「その、先輩はやめてくれない・・・!」

「すいません。じゃ、美子さんって呼んでもいいですか?」

「あら、名前覚えていてくれたの!嬉しいわ。いいわよ。
 じゃ、私は里菜って呼ぶ事にするわ。それで、いい?」

「全然、問題ありません。OKです。」

2人は、距離感を縮めていった。
歓迎会は小さな居酒屋で貸し切って行われた。

この居酒屋は、小出がいつも利用している居酒屋だった。
当然、里菜は知る筈もなかった。

課長を始め、課内全員が集り、佐々木の進行で始まった。

課長の挨拶と乾杯で、歓迎会が始まった。
しばらくの間、歓談が続いた。

里菜は、1人1人に挨拶をして回っていた。
そして、小出に近づいた。

「小出さん。今日はありがとうございます。
 これからも、よろしくお願いします。」

里菜は、小出のグラスにビール注ぎ挨拶をした。

「こちらこそ、よろしくお願いします。どう、職場には慣れた?」

「いいえ、まだ・・・。」

「そうだよね!まだ、2日目だもんな。
 さぁさぁ、伊集院さんも飲んで・・・。」

「はい。頂きます。」

里菜は、嬉しくお酒を飲んでいた。
すると、これからだと言う時に佐々木が割り込んで来た。

「主任、どうぞ・・・!」

里菜は、一瞬にして居場所をなくしてしまった。
仕方なくその場を離れ、美子の所に行った。

「美子さん、佐々木さん最悪です。」

「まぁまぁ、あまり悪口を言わない方がいいわよ。
 佐々木さんは、牧野さんと付き合ってるのよ。」

「えっ・・・!本当ですか・・・!!」

里菜は、美子の発言に驚いていた。

「牧野さんは最初、小出さんが好きでお付き合い申し込んだら
 小出さんに、断られたらしいのよ!落ち込んでいた時に
 佐々木さんが声を掛けて、恋が芽生えたそうよ!!
 良くある話だけど・・・・!!
 昔は、牧野さん良い人だったのに、人が変わってしまったの!
 課長と係長は既婚者なんだけど、課長は不倫しているそうよ。」

「美子さん、詳しんですね?」

「だって、同じ課の人間よ。
 周りを見てたら、社内恋愛もどうかなって思う時があるわ。」

「もしかして、美子さんも社内恋愛なんですか?」

「以前はね。でも、別れて今は別会社のサラリーマンと・・・。
 里菜は、彼居ないの?」

「はい!大学生の時付き合っていましたが、彼の浮気が
 原因で3ヶ月で別れました。もう、1年以上いません。」

「そうなんだ。こんな可愛い子なのに、浮気・・・?」

「最初から、好きじゃなかった見たいです。体が目的だった
 見たいです。何となく分かっていたので、拒否し続けて
 いたら、他の女性と関係していました。」

「そうだったんだ!じゃ、何もなくて良かったわね。
 でも、そういう男いるんだよね。ほんと最低だよね!!」

「そうですね!」

突然、佐々木の声がした。

「今日は、この辺でお開きになります。
 それでは、最後に伊集院さんと係長の挨拶で終わります。」

「今日は、ありがとうございました。早く仕事を覚えて
 みなさんと一緒に頑張りたいと思います。
 よろしくおねがいします。」

「では、係長・・・・!!」

「みなさんお疲れさまでした。最後に、伊集院さんの今後の活躍と
 営業3課の発展を祈念しまして、1本締めでお願いします。」

里菜の歓迎会は終わりを告げた。
歓迎会と言うよりは、課内の飲み会と言う形で終わった様に思えた。

「里菜、今日は楽しかったわ。2次会行きたいけど、これから
 彼と会う約束だから、また今度ゆっくり話しをしない・・・!」

「はい!私も美子さんとたくさん話せて楽しかったです。
 是非、また今度・・・・、お願いします。」

そして、小出以外は店を出た。
2次会は個別で行うと言う事で、里菜は行かなかった。
そして、お店の前であいさつをしてみんなを見送った。

お店に残った、小出が里菜は気になって声を掛けた。

「小出さん・・・。」

「あっ伊集院さん。俺と、一緒に飲まない・・・?」






続く 愛されたい私と愛したい私  第3話 ~小出の過去~