恋愛小説 17才の夏 第13話 | HUMMERの部屋

恋愛小説 17才の夏 第13話

17才の夏 第13話 ~2度目の夜~ 


2人はレストランを出たあと、コンビニに立ち寄った。
夜食と飲み物やお菓子を買い込み、ホテルへと向かった。

そのホテルは、真新しいラブ・ホテルである。
ホテルの前で2人は、立ち竦んでいた。
「なんか、緊張するな。」
「聡、どうするの?」
「中へ入ろう。おいで・・!」

2人は、緊張しながら、入口から中へと入った。
「うわぁ~!!普通のホテルと違うな? どうすれば、いいんだ?」
「ねぇ、聡!あそこの小さい窓がフロント?」
「そうなのかな?でも、このパネルから、部屋を選ぶんだよ。ここに書いてあるから。」
「あっ、ほんとだ!」

2人は初めてであった。やや緊張もほぐれて来た。
「この、電気がついている部屋を選べるんだね?」
「のっこ、どの部屋がいい??」
「選べない部屋って、今誰か居るんだ。結構、居るんだね!」
「おい・・おい、感心してないで早く!」
「ごめん、ごめん。」
「のっこ、ここはどう?」
「さっき、いいかなと思ったけど、そこ高いよ。」
「せっかくだもん。そんなに頻繁に来る事ないんだから。」
「わかった。聡がいいなら、そこでいいよ。」
聡は、最上階にある505号室のボタンを押した。

「あっ!電気が消えた!」
「このまま、部屋に行って良いのかな?」
「そう見たい。ここに書いてあるよ。」

2人は、すぐ横のエレベーターに乗り5偕へと向かった。
エレベーターから降りると。
「わぁ・・・!なんか普通のホテルはと違うな?」
「すごい豪華だね?」
聡と紀子は、わくわくして来た。

「のっこ、ここだ。そうだ、ガギは? フロントで貰うのかな?」
「えっ・・。戻って聞いて見る?」
「いや、もしかして空いてるかも。開けて見てからにしよう。」

2人はおそるおそる、部屋へと向かった。
部屋の前に着いた聡は、扉を開けた。
「わぁ!空いた!」
「ルームキー、必要ないんだね。」
2人は、おそるおそる中へ入って行った。

中に入るなり、
”ガッシャ”自動で鍵が閉まった。

「えっ?鍵が閉まったよ。」
「自動なんだ。すげーなぁ!」

初めての体験に2人は驚きの連続だった。
「わぁ~、すげぇなここ!」
「ほんとだ。凄く部屋が広いね。」
「ベットもでっかいな。のっこ、部屋の中を見て回ろうか??」
「そうだね、面白そうだね。」

すると、電話がかかって来た。
”プゥルゥルゥルゥルゥ・・・・”

「えっ、電話?」
「聡、どうするの?」
「いいよ、俺が電話に出る。」

フロントからの電話だった。
「はい!もしもし・・・。・・・・・宿泊でお願いします・・・。」

聡は、電話を切った。
「あっ、これか?」
「聡、何の電話だったの?」
「休憩か宿泊か、確認の電話だった。」

聡は、電話の指示内容に従い、動き始めた。
「このカプセルにお金を入れて送ってくれってさ。」
「そうなの?」
「ここに、お金を入れて・・・キャプを占めて・・・ここに入れて・・・このボタンか?」
「うゎぁ・・・!カプセルが・・・」
「なんか、凄いね今のラブ・ホテルって・・・?」
「そうだな。いい社会勉強になるよ。」

そして、すぐにカプセルが送られて来た。
「わぁ・・・!帰ってきた。あっ、お釣りだ・・。すげ~なぁ、ほんとに!」
「聡、じゃ部屋の中を見に行こうよ。」
「おっ、そうだな。よしっ。」

「ここは・・・? わっぁ洗面所とトイレだ。すげぇ~広いな・・・」
「ほんとだ!綺麗だし。なんか落ち着かなそうだね?」

「ここは・・・?お風呂だなどう見ても・・?」
「聡・・・何で、ガラスで見えるんだろうね?」
「分かんないけど・・・全部が広いな? のっこ、ほらジェットバスだよ!」

「ねぇねぇ?あそこは何かな?」
「行って見ようよ。」

「わぁ・・・・!プールだ!何で部屋にプールがあるんだ?」
「ほんとだ。小さいながらも・・・。凄いね!」
「ねっ聡、こっちはサウナだよ。」
「サウナ?ほんとだ!!」

2人には、1つ1つが驚きの体験だった。

「聡、他の部屋も、みんなこんな感じなのかな?」
「だろうな?きっと・・・!他も見て見たい気がするけど・・・?」
「ほんとに、すごいね!」

しばらく、部屋を見て回ったあと、聡が言い出した。
「のっこ、せっかくだからプール入ろうよ?」
「えっ嫌だよ。だって水着ないもん。」

「裸で平気だよ。だれも居ないし・・?」
「う・・・ん。 じゃ・・・電気暗くしてくれたらいいよ。」
「分かった。電気暗くするよ。これぐらいでいい?」
「いいよ!」

聡と、紀子はプールで思いっきりはしゃいだ。
しばらくして、2人はそのまま、お風呂に入った。
「あっ・・・このジェットバス。気持ちいいな。」
「そうだね。こんなお風呂、初めて・・・・!」

「あっ~!疲れが吹っ飛びそうだ!!気持ちいい・・・。」
「聡、今日は、いっぱい遊んだね!」
「そうだね!本当に楽しかった。のっこのお陰だ!。」
「私も・・・。聡で本当によかった!!」

2人の気持ちは、益々深まって行った。
やがてお風呂からあがり、しばらくテレビを見ていた。
聡が、何かに気がついた。

「あれって・・・カラオケ・・か?あっマイク。カラオケも出来るんだ!」
「ねぇ聡・・・。歌ってよ!」

その後も2人はカラオケで盛り上がった。
「おっ!もう1時か? のっこ。明日、何時に起きる?」
「うん。7時は? 早い・・・かな?」
「そんなもんか?じゃ、7時にモーニングコールしてっと!」
「でも聡、朝ごはんはどうする?」

「この、夜食は朝、食べるか?今はなんか・・・いいや。。って感じになって来た。」
「聡、いっぱい食べたからだよ!」
「それじゃ、もう寝るか?」
「そうだね!」

2人は、ベットに入った。しばらく無言だった。
「のっこ、今日はありがとうな!色々と付き合ってくれて・・・。」
「なんで、お礼を言うの?だって聡の彼女なんだから・・・」

「いや、しばらく会えないし、今日が最後かって思ったら・・・」
「なんで・・最後だなんて、そんな事言うの?もう会わないって事?」

「そんなんじゃないよ!ただ、寂しんだよ。そして、不安なんだ?」
「聡・・・?」

聡は、本当に不安でいっぱいになっていた。
「俺、のっこの事。愛してる!!これからもずっと愛し続けたい。
  だから、のっこと会えないって事が辛いんだ!」

「聡だけなの?私だって同じ気持ちだよ!。聡の事”愛してる”。
  聡と今日、いっぱい遊んで・・・。聡になら、ついて行けるって確信したの!」

「のっこ?これからもずっと、俺のそばにいてくれるか?」
「うん!ずっと聡のそばにいるよ。」

「ありがとう!。」
「聡、愛してる・・・。」

2人は、お互いに力いっぱい抱きしめ合った。
そして、優しくキスをした。

「のっこ?本当は、のっこを抱きたいと思ってたけど、大事にしたいから我慢する!」
「うん。全て聡に任せる。」

「のっこ、おやすみ。」
「おやすみ、聡・・・」

2人は、抱き合いながら、ゆっくりと眠りについた。




続く 17才の夏 第14話 ~夏休みを前に~