本書の中からヒントを見つけられるかどうか、
本書を読んでモチベーションが上がるかどうか、
それは読み手次第かもしれません。
「世の中にはこんなすごい公務員がいるのか~」
で終わる人もいれば
「こんなすごい公務員がいるなら、私も頑張ろう!」
とモチベーションが上がる人もいるでしょうし、
中には、
「これはこの人たちだからできたこと」
と冷静に受け止める人も少なくないかもしれません。
どの受け止め方も、読み手の責任において“アリ”ですし、きっと著者の加藤年紀さんも、それはそういうものだと抗うことなく受け止めることと思います。
ちなみに著者の加藤年紀さんは、株式会社ホルグの代表を務め、「日本一、公務員にまみれた日々を送っている民間人の一人」として、地方自治体を応援するメディア「Heroes of Local Government(HOLG.JP)」や地方公務員向けのオンラインサロンなどを運営している、
一般の人からすると
「ちょっと何しているか分からない」
「どうやって食べているか分からない」
私たち地方公務員からすると
「私たちの業界を応援してくれている」
「私たち地方公務員の仲間」
そんな人です。
なぜ、彼らは「お役所仕事」を変えられたのか?
本書はこのタイトルのとおり、様々な分野のトップランナーである地方公務員が、それぞれ社会課題と向き合う現場の最前線で、どのように常識・前例・慣習を打破し、成果を出すことが出来たのかを報告しているルポタージュです。
もちろん、この本を一読、二読して、登場する10名のトップランナーと同じような仕事が出来るようになるわけではありません。
それは冒頭でご紹介したような、読み手による受け取り方の違いによるところもありますし、何より読み取ったことを如何に自分の仕事の現場と照らし合わせて、自分事として消化できるかによるところが大きいのかもしれません。
私自身は、この10名の皆さんが自らの仕事において、一般的な感覚から頭一つ抜きん出るような丁寧さや、もはや執念と思えるような想いを感じました。
“テレビ取材を受ければ映像をチェックし、新聞の記事もチェックし、2ちゃんねるまでチェックする”(井上純子・北九州市)
“先輩の(既存の)業務の中に含まれていた新しい施策の要素を見出し、まとめ、強調する”(鈴木浩之・神奈川県)
“市の課題だと感じる部分を「違和感ノート」に300個ほど書き溜める”(山本亨兵・和光市)
“先進的な自治体の担当者に毎号毎号、発行前の広報誌を送り、真っ赤に手直ししてもらう”(大垣弥生・生駒市)
“「いつかこの人たちと仕事をするだろう」と思いながら、10年以上にわたり地域のイベントにスタッフとして参加する”(黒瀬啓介・平戸市)
これらはごく一部ですが、いずれも私自身、真似しようと思っても真似できないような手のかけ方であり、仕事、というよりもはや
地方公務員という職業への向き合い方
という点で、私とは格が違うと言わざるを得ません。
では、彼らはあくまでぶっ飛んだ特別な地方公務員であって、私たちが同じように活躍するのは難しいのでしょうか。
結論から言えば、私は難しいと思います。
でも、彼らから学べることはあります。
(既に読み終えた皆さんは、如何でしょうか?)
(後編につづきます)
★★★公務員の教科書 バックナンバー★★★
vol.22 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?/山口周
vol.20 AI vs. 教科書が読めない子どもたち/新井紀子
vol.18 人を助けるとはどういうことか/エドガー・H・シャイン
番外 場づくりに使うこの2冊
vol.15 場づくりの教科書/長田英史
vol.14 魂の退社/稲垣えみ子
vol.13 稼ぐまちが地方を変える/木下斉著
vol.12 新しい道徳/北野武著
vol.11 読んだら忘れない読書術/樺沢紫苑著
vol.10 人事よ、ススメ!/中原淳編著
vol.9 アイスブレイク入門/今村光章著
vol.8 それでも社長になりました!/日本経済新聞社編
vol.7 働く人のためのキャリア・デザイン/金井壽宏
vol.6 自分らしいキャリアのつくり方/高橋俊介
vol.5 7つの習慣/スティーブン・R・コヴィー
vol.4 KP法 シンプルに伝える紙芝居プレゼンテーション/川嶋直
vol.3 35歳の教科書/藤原和博
vol.2 人を動かす/D・カーネギー
vol.1 京セラフィロソフィ/稲盛和夫
ご案内 ①
地域で暮らしていたり働いている人たちが毎回5人登壇して話をお聴きし、登壇者と参加者、参加者同士の繋がりを作る「100人カイギ」。
とうとうさいたま市でも始まります。
第1回のさいたま市100人カイギの参加申し込み受付中です!
さいたま市100人カイギ vol.1 の内容と参加申込はこちら
ご案内 ②
最近は、公務員のパラレルキャリアやキャリアデザインといったお話で、執筆や講師としての登壇等ご相談いただくケースがあります。
何かの活動で「ご一緒しましょう」といったお誘いや、執筆、勉強会の講師、ワークショップの企画・運営など、内容によってはお力になれると思いますので、よろしければご相談ください!
執筆や講演、ワークショップのプログラムデザインやファシリテーター等、各種ご相談・ご依頼はこちらからご連絡ください。
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はじめまして。島田正樹です。