公務員の教科書 vol.14 魂の退社/稲垣えみ子 | 公務員 島田正樹 〜仕事と私事と志事と〜

公務員 島田正樹 〜仕事と私事と志事と〜

仕事も家族・友人との私事も楽しみながら、魂を燃やして挑む“志事”で社会を変えていきたい! 地方公務員として働きながら、NPO活動、講演、執筆、ワークショップデザイナーなどに取り組む“公務員ポートフォリオワーカー”として活動しています。

公務員目線で仕事や課外活動など様々な場面で“効く”本を、
島田の自分勝手な観点からご紹介する
「公務員の教科書(旧:公務員に効くビジネス書)」シリーズ。


第14弾は、
元朝日新聞・編集委員の稲垣えみ子氏
『魂の退社』。


魂の退社



稲垣えみ子氏と言えば
トレードマークの
アフロ


50歳、独身、女性、アフロ、会社員(朝日新聞)

だった彼女が、自分の人生を取り戻すために

50歳、独身、女性、アフロ、無職

となる物語です。(いや、ノンフィクションですが)



自分が会社というものに所属していると思っていたら、
実は会社というものを介して社会とつながっていた。


そして、働くということは一体どういうことなのか、
お金とは一体何なのか。


そのことを著者の稲垣氏は、奇しくも、
朝日新聞の社員というパワーのある肩書きと、
高い給料を手放したことにより気付くことになります。


そして、同時に貨幣経済と中央集権的なシステムで
“効率的に”国民を統治するこの国の見えざる部分も。



本作を読むと、
自分と会社と社会システムがどう繋がっていて、
そのことが如何に自分を縛っているのかが、
とてもよく分かります。



退社し、大きな会社の庇護から離れることで、
一歩ずつ確実に自由になっていく著者の様子が、
とても生き生きと輝いて見えます。


この本を読んで、
私自身がイキナリ役所を辞めることはありませんが、
これまでブログでも何度か発信してきた、

組織に雇ってもらっているのではなく、
この組織を自ら選んで勤めているという感覚で働きたい


という気持ちを、思い出しました。



最後に、本書から私がとても重要だと思った箇所を
一部抜粋してご紹介します。


私が提案したいのは、ほんの少しでもいいから
自分の中の「会社依存度」を下げることだ。

(中略)

そして、会社で働くこと以外に、
何でもいいから好きなことを見つけてみる。
そして、同じ趣味を持つ仲間を作る。
それだけでも、あなたの価値観が
会社に乗っ取られてしまう度合いは減るのではないだろうか。

(中略)

そして何よりも強調したいのは、
そうして会社に依存しない自分を作ることができれば、
きっと本来の仕事の喜びが蘇ってくるということだ。


(以上、本作P178~179より引用)




とても考えさせられます。



皆さんは如何お考えでしょうか。



★★★公務員の教科書 バックナンバー★★★
vol.13  稼ぐまちが地方を変える/木下斉著
vol.12  新しい道徳/北野武著
vol.11  読んだら忘れない読書術/樺沢紫苑著
vol.10  人事よ、ススメ!/中原淳編著

vol.9  アイスブレイク入門/今村光章著

vol.8  それでも社長になりました!/日本経済新聞社編
vol.7  働く人のためのキャリア・デザイン/金井壽宏
vol.6  自分らしいキャリアのつくり方/高橋俊介
vol.5  7つの習慣/スティーブン・R・コヴィー
vol.4  KP法 シンプルに伝える紙芝居プレゼンテーション/川嶋直
vol.3  35歳の教科書/藤原和博
vol.2  人を動かす/D・カーネギー
vol.1  京セラフィロソフィ/稲盛和夫