ビジネス書を、公務員目線でご紹介する
「公務員に効くビジネス書」。
第三弾は、「35歳の教科書」(藤原和博)
私のここ数年の関心のテーマ「成熟社会」。
継続してきた成長社会から成熟社会への転換。
そんな中で、自分という人生とこれからの成熟社会を
どのように整合させていくのかを考えるために、
出会えてよかった!と思って繰り返し読んでいるのが
この「35歳の教科書」(藤原和博著)です。
いい大学を出ていい企業に就職して一生安泰。
お給料が上がれば新しい家電やクルマを買って幸福を感じ、
面倒を見てくれる会社のために一生を捧げる人生。
私が小学生の頃は、こんな人生に何の疑問もありませんでしたが、
今見えている景色は全くこのとおりではない
ことに気づきます。
著者は言います
「みんな一緒」の社会から
「それぞれ一人ひとり」の社会へ。
私たちが考えるべきは、組織に面倒を見てもらう人生から、
組織と向き合い、自立した人生とは何かということ。
私なりの考えでは、
それは会社に雇ってもらっているという感覚から、
やりたいことや身に付けたいスキルがあるから
他の会社ではなく
この会社で勤めることを選んでいる
という感覚への転換です。
私はここで会社と書きましたが、
これは公務員でも全く同じことだと思うのです。
現時点での公務員制度においては、
恐らく定年まで雇ってもらえるはずです。
それはそれである一面においてはメリットですが、
公務員は終身雇用が前提の業界であるが故に、
自らの働き方と勤める会社との関係を
意識する機会が得られないとも言えます。
これは不幸なことです。
私たちは今所属する職場に
請うて雇ってもらってるのでしょうか。
それとも
自らの意志で今所属する職場で
勤めることを選んでいるのでしょうか。
前者は、
同僚から上司から悪く思われたくない……
頑張らなくても給料は上がるから……
クビにさえならなければ……
こうやって定年までの40年間の過ごす人生。
後者は、
正しいと思ったことなら多少嫌われてもやる
給料ではなく住民と地域のために頑張れる
クビにならないんだから挑戦しよう
といって、自分の意志で組織に属し、組織を使って、
自分のやりがいを達成し、スキルアップする人生。
私たちは、この二つの人生のうち
好きな方を自らの手で選べます。
どちらを選びますか? リスクが低いのはどちらですか?
『35歳の教科書』という著書を通じて
著者の藤原氏が伝えたいのは、そういうことだと私は受け取りました。
35歳の教科書 今から始める戦略的人生計画 (幻冬舎文庫)