公務員の教科書 第18弾はこちら。
『人を助けるとは どういうことか』
エドガー・H・シャイン先生の『支援学』の著書です。
この本は、すべての公務員に読んでほしい!
と思ったのは、コヴィー博士の『7つの習慣』(全世界3,000万部、国内200万部のベストセラー)以来です。
本書では、支援についての
原理・原則と実践のためのコツ
を学ぶことができます。
支援するもの(支援者)と支援されるもの(クライアント)の関係性に注目し、
どのような場合に支援がうまくいかないのか、
逆にどのような場合に有効な支援がなされるのか
豊富な具体的事例を使い解説しています。
そもそも『支援』って、私にはあまり関係ないかも。
誰かを支援するような仕事もしていないし、家庭生活でも誰かを支援sる場面なんてないし。
・・・・・・
それは大きな誤解かもしれません。
何故なら、支援は家庭生活でも職場でも、あらゆるところに存在しているから。
道を訊ねられて道順を教えることも
子どもの宿題を手伝いうことも
妻に新宿でのランチスポットを教えることも
「パパ、ちょっと来て~」と2階で呼ぶ妻の元に行くのも
すべて支援ですし、
もちろん職場でも
上司から頼まれて資料を作成することも
後輩から頼まれて手続きの方法を教えることも
電話で市民の方からの苦言に耳を傾けるのも
他部署から新しい事業について相談を受けることも
すべて支援。
役所に勤めていて、誰かとコミュニケーションをとることになったら、
ほとんど総てのケースが支援の入口
に立っている状態なんじゃないかと思うくらい。
そのつもりで周りを見回してみると、役所にはいたるところで支援の関係が満ちているではないですか!
そのような役所の世界にとって、本書で説かれているような、支援の原理・原則、実践のコツはどんな職位の人が学んでも活かせる場面が必ずありそう。
(課長に)○○の資料を作ってください
って言われて、
そのまま「はい!」って言って着手しちゃいけないって、社会人向けのビジネススキルなどを伝える本などでよく言われますよね。
コレが、なんでダメなのかもクライアントである課長と支援者である私の支援の関係で説明できます。
(市民の方から)○○のまちづくりをもっと・・・・・・
って電話がかかってきて、
そのまま「はい」とはもちろん言えないケースが大半ですが、そのまま「それは難しいんです、何故なら・・・・・・」と門前払いするのもちょっと違う。
こういう電話に上手に対応する職員と、ちょっと苦手な職員がいるのは何でだろう?
コレも本書の考え方が適用できるんじゃないかと思います。
本書では、支援(そんなところまで“支援”として捉えるの? という部分も含めて)について、様々な段階で、主に支援者としての在り方を教えてくれますが、私の場合、最も感銘を受けたのは
控えめな問い
という考え方。
この控えめな問いが一体どういう考え方なのか、具体的な説明は本書をお読みいただきたいと思いますが、読んでみて、私は
やっぱり問いのチカラって偉大!
だと再認識しました。
控えめな問いによって、支援が求められている状況の8割は解決するのではないでしょうか?(島田の感覚的なものです)
私は読了後すぐに、家族などとの接し方を少し工夫するようになりましたし、恐らく職場でのコミュニケーションも変わるような気がします。
本書のことについては、色々な立場の人と語ってみたいな~とも思っていて、私なりにどのように本書を読んだのか、簡単にまとめています。
説明するためのインデックスはこんな感じ・・・・・・?
支援関係の移り変わりも、もっと分かりやすくチャートっぽく描いてみたい。
今年はこの『人を助けるとは どういうことか』での読書会も、できるだけ開催してみたいな~と思える一冊です。
広い、広~い意味で『支援』というモノと無縁では無い多くの皆さんに、特に特に公務員に読んでいただきたい一冊です。
人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則
★★★公務員の教科書 バックナンバー★★★
番外 場づくりに使うこの2冊
vol.15 場づくりの教科書/長田英史
vol.14 魂の退社/稲垣えみ子
vol.13 稼ぐまちが地方を変える/木下斉著
vol.12 新しい道徳/北野武著
vol.11 読んだら忘れない読書術/樺沢紫苑著
vol.10 人事よ、ススメ!/中原淳編著
vol.9 アイスブレイク入門/今村光章著
vol.8 それでも社長になりました!/日本経済新聞社編
vol.7 働く人のためのキャリア・デザイン/金井壽宏
vol.6 自分らしいキャリアのつくり方/高橋俊介
vol.5 7つの習慣/スティーブン・R・コヴィー
vol.4 KP法 シンプルに伝える紙芝居プレゼンテーション/川嶋直
vol.3 35歳の教科書/藤原和博
vol.2 人を動かす/D・カーネギー
vol.1 京セラフィロソフィ/稲盛和夫