薄桜鬼・現パロ【Love the Spiral】(土方√)#7 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

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設定無視、キャラ崩壊などご注意を。


それでもよろしければどうぞ。







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土方√

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土方さんの表情につられるように私も口元に笑みを浮かべれば、

またきゅっと腕に力が込められて、
土方さんは私の首元に顔を埋めてきた。


土方さんの髪が触れて、肌で温もりを感じる。


飛び跳ねた心臓は治まりそうにない。


部員もいるっていうのにこの体勢は…っ。

まだ皆アップ中なのが幸いというかなんというか…。




「ったく、お前は…」

溜め息混じりに囁かれた言葉に身体が跳ねるのを抑えられなかった。


「…す、すみません」


「…お前に世話焼くのは昔から苦じゃねぇんだよ」


「…へ?」

その言葉に思わず目を丸くすれば離れていった体温。


「時間だ。ほら、行くぞ」

…離れていった温もりにもっと触れていたかったと感じてしまったのは事実で。



ダメだ、今は皆の応援に集中しよう。


そう思いなおして、皆の方に足を向けるその背中を追いかけた。






土方さんにパイプ椅子に座るように言われて、隅で座っていると
防具をつけた沖田くんが近づいてきた。


「千亜さん」


「ん?」


「さっきのあれ、何?」


「えーっと…」

やっぱり見られてたのかと思って恥ずかしさから言葉が出てこない。


「向こうの風間とか言う顧問と何かあるの?」

見下ろす視線は少し厳しくて、たじろいでしまう。



「あ、別に変な意味じゃなくてね!あの人とは”はとこ”、なんだ。
それで…まぁ言い寄られてたっていうか何というか…」


「で。土方さんは何て言ったの?」


「うちが勝ったら私に近づくなって…」


「へぇ。千亜さんにべたべたくっついてた割にはいい提案だね。負ける気はしないけど」

斎藤君と話をしていた土方さんに視線を移しながら口角を上げた沖田くん。


そして再び私に視線を戻して不敵に笑った。



「千亜さん、勝ってほしい?」


「うん…!」


「勝ったら何してくれる?」


「え…、えーっと…。…あ!アイスを1人2コずつ!!」


「…」

私の提案に沖田くんの呆れたような視線が刺さる。


「え…、ダメ?」


「まぁ、いいけど」

あからさまに肩をやれやれと竦めて、大きく溜め息を吐かれた。


「あ、千亜さん気をつけてね。土方さんてムッツリだから」


「…へ?」

沖田くんの言葉に一瞬言葉を失う。


飛び込んできたのはその土方さんの声。



「総司、集合だ!」


「僕、負けるのは嫌いなんだよね」

踵を返しながら流し目で私に向けて得意げに口角をあげる。


「応援してるから!」

私がその大きな背中に声をかければ、了解と言ったように手をヒラヒラとさせた。



色々考えそうになるけど

今は部員達の戦いを目に焼き付けておこうと思った。




静かに、道場の熱気が高まっていく。