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第2弾の洗濯物を回しながら、次々と洗濯物を干していく。
道場から聞こえてくるのは威勢のいい声。
『洗濯が終わったら道場へ覗きに行ってみようかな…』
洗濯物が風に揺れる。
洗濯物を干し終えた私は道場へと足を運んだ。
大きな張り上げる声。
力強く踏み込む足音。
竹刀がぶつかりあう勢いある音。
伝わる熱気。
私は思わず息を飲んだ。
懐かしい空間がそこに広がる。
視線を移せば、合宿だからか土方さんと左之もきちんと胴衣をつけていて。
その部員を厳しく見る視線に胸がとくんと高鳴った。
入口横に邪魔にならないようにそっと正座して暫く見学していると、
近づいてきた気配に顔を上げる。
土方さんが私を見下ろしていた。
「どうした?何かあったか?」
「あ、ごめんなさい。懐かしくなって…、見に来ちゃいました」
私がそう言えば口元に笑みを浮かべる土方さん。
「かまわねぇ。もっと奥で見るか?」
「ああ、でももうお昼の用意の時間になっちゃいますから。
また時間あるときにじっくり見せてくださいね」
「そうか」
「残り頑張ってくださいね」
「ああ」
立ち上がった私はもう一度皆の稽古姿を見回す。
不意に感じた視線に目を向ければ、そこには左之がいて、視線が絡む。
私が何気なく笑えば、左之も笑みを浮かべて。
どこかしらくすぐったい気持ちになりながらも道場を後にした。
昼食が終わった後。
食器の片付けも終わって、「もうすぐ洗濯物とりこまなきゃな~」なんて思いながら
ちょっと一息つきたくて、休憩室に向かった。
「あ、沖田くんだ」
「千亜さん」
休憩室では沖田君がソファにどかっと座りながら炭酸飲料を飲んでいた。
「もうすぐ練習時間でしょ?」
「僕幹部だし、あんまり早く行くと後輩が気を使っちゃうでしょ?」
「そう言ってめんどくさいって思ってるんでしょ」
「正解」
潔い応えに笑いながら自販機でカフェオレを買う。
1人がけソファに腰を下ろした。
「千亜さんてさ、左之さんと同級生なんだっけ」
「うん」
「仕事はしてないの?」
「あー、うん。今はしてない」
「ふぅん」
私は蓋を開けてカフェオレを一口飲む。
そして投げられた言葉に私は固まった。
「千亜さんてさー、土方さんと僕だったらどっちと付き合う?」