薄桜鬼・現パロ【Love the Spiral】(土方・原田)#10 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

お話の設定などはこちらから → 




設定無視、キャラ崩壊などご注意を。


それでもよろしければどうぞ。




#1 #2 #3 #4 #5 #6 #7 #8 #9
















「千亜さん、僕主将の沖田総司って言います」


「宜しくお願いします。急に押しかけちゃってごめんなさい」


「土方さんに無理やりつれてこられたんでしょ?」


「う、まぁ…。そうかも」


沖田くんのにやりとした表情と言葉に言葉が詰まる。

実際無理やりだしな…。

そんな私の様子をカラカラと笑いながら沖田くんは声を弾ませた。


「うん、でも今回は土方さんを褒めなきゃいけないかな。千亜さんで部員の士気もあがりそう」


「へ?」


「千亜さん、カレシいます?」

いきなり近づき顔を覗き込まれ、私は思わず後ろに身じろいだ。


「い、いないけど…」


「じゃあ、僕、立候補しようかな」

まるで沖田くんはオモチャを見つけたかのようににっこりと笑う。


「総司!」


「総司っ!早速高橋をナンパしてんじゃねぇ!!」

斎藤くんの制する言葉に被さるように、土方さんの怒声が辺りに響き渡る。


「もう戻ってきたんですか、土方さん。ま、いいか。これから一週間宜しく、千亜さん」


「こ、こちらこそ…」


「あ、僕バスの席は千亜さんの隣ね」


「馬鹿言ってんじゃねぇ!」

ツカツカと歩み寄ってきた土方さんは沖田くんを睨みつけている。

何だか険悪?な雰囲気を変えたくて私は声を上げた。


「あ、私雪村さんの隣がいいな!」


「私も高橋さんの隣がいいです!」


「じゃあ決定!」

応えてくれた雪村さんと笑いあう。


「じゃあ二人は僕と一緒に後ろに…」


「高橋と雪村は俺らと一緒に最前列だ。打ち合わせしなきゃいけねぇこともあるしな。
総司、何ならお前俺の隣に座るか」

沖田くんの言葉に、彼を目を細めて睨みながら口角を上げる土方さん。


「死んでも遠慮しまーす」

それを笑顔で返す沖田くん。


「雪村、荷物の最終確認しよう。俺も手伝う」


「はい!」

斎藤くんと雪村さんは軽く会釈してその場を離れる。


沖田くんも部員に呼ばれてその場から立ち去った。




「賑やかですまねぇな」


「ぃや、楽しいですよ」

溜め息交じりの土方さんの言葉に笑顔で応える。

土方さんの目が優しく細まった。


土方さんが車の中で言ってた生意気な奴って沖田くんのことかな?

沖田くんに手を焼いてるってことか。


そう思えばじわじわと込み上げてきた笑い。

手で口元を押さえていたのに「何笑ってやがる」って土方さんに小突かれた。


「沖田君に手を焼いてんのかなと思って」


「どの代にも生意気な奴ってのはいるもんだよ」


私の言葉に軽く笑いながら、部員達を見守る土方さんの視線は優しい。

「変わらないなー」そんな風に思いながら、土方さんを見ていた。




「おーい、バスが来たぞー」


その声に近づいてきたバスへと皆視線を向けた。