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それでもよろしければどうぞ。
会社をリストラされてしまった。
会社が芳しい営業状況じゃないのは知っていたけど…。
私を含め、多くの人はリストラ。
残った人たちは会社の後処理として残されたらしい。
それでも馬車馬のように働かされてはいたんだけどね。
職安に行って、手続きをすませて。
外に出れば茹だるような暑さと心の重さに溜め息が零れる。
次に職安に行くまでに結構日数がある。
部屋の掃除とか熱心にしてみても、仕事で埋まっていた身体はぽっかりと穴が開いたようだった。
報告も兼ねて、母親に電話すれば
「どうせすぐには職なんて見つからないだろうし、あんたの声にやる気も感じない。
久しぶりにのんびりこっちに帰ってきなさい。電気代が勿体無いわよ」
との言葉。
確かに街もこうも暑いと昼間家にいればエアコン代も馬鹿にならない。
「まぁ、それもそうか」と思った私は久しぶりにのんびりと帰省することにした。
土曜の午後。
久しぶりに実家のドアを開ける。
「ただいまー」
奥からパタパタと母が現れる。
「おかえりー。暑かったでしょ」
「ううん、向こうに比べたらこっちの方が涼しいよ」
「ま、のんびりとしなさいよ。あ、優衣(ゆい)が丁度来てるわよ」
リビングに行けば地元に住んでいる妹の優衣と優衣の子供達の姿。
「あ、おねぇちゃん、おかえりー」
「ただいまー」
「え!千亜ちゃんだ!何でいるの?!」
「うーん、色々あってね~。ちょっと帰って来た」
「じゃあ私たちと遊んでくれる?」
「うん、いいけど。ちょっとお茶くらい飲ませてね」
「やったー!」
喜ぶ子供達を見て、しょうがないなと笑いながら椅子をひいて腰を下ろす。
途端、向かいに座る妹が身を乗り出してきた。
「おねぇちゃん、ちょうどいいとこ帰ってきてくれた」
「…何。悪い予感しかしないんだけど」
「今日、パート休みだったんだけどさ。休んじゃった子がいて急遽入れないかって言われたの。
でね、この子達と海行く約束してたんだよね」
「まさか海に連れてけって言うんじゃないでしょうね」
「お願い!」
「千亜ちゃん、海行こうよー!」
「連れてってよー!」
「…私水着なんて持ってきてないし、日焼け対策だって…」
「ここにございます、お姉さま!!」
「あんた策士?」
「いやいや、私が連れてこうとしてて実家寄ったら丁度連絡がきたんだもん。不可抗力です!」
「「行こうよー!」」
必死で頼み込む妹とその横でせがむ姪っ子たち。
私は盛大に息を吐いた。
「…わかったわよ、行きゃいいんでしょ、行けば。優衣、この代償高いからね」
「恩に着ます!!今度ランチ行こう!奢る!」
「じゃあ用意してくるから待っててね」
「「はーい」」
「千亜ちゃん早くね!」
「海は逃げないから大丈夫だよ」
「はーやーくー」
「はいはい」
急かされるようにして、私は甥っ子、姪っ子と海に行くことになった。
そこに彼が来ていることも知らずに。
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ヒロインしか出てきてなくてごめんなさいw
色々と諸事情が控えてそうな予感もするので、
このお話はこのくらいの量で進めさせてくださいm(_ _ )m
宜しくお願いします!
みふゆ