薄桜鬼・現パロ【Love the Spiral】(土方・原田)#14 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

お話の設定などはこちらから → 




設定無視、キャラ崩壊などご注意を。


それでもよろしければどうぞ。




#1 #2 #3 #4 #5 #6 #7 #8 #9 #10 
#11 #12 #13













<土方視点>






SAでの休憩中、喫煙スペースを探して一服をする。


最近は何処もかしこも禁煙禁煙で、喫煙者には大分肩身が狭くなった。

身体に悪いってこともわかってはいるがやめられねぇな。

何かデカいきっかけでもない限り。




何人かの喫煙者に混じって一服していると、自然と視線で高橋を探し始める。



…いた。


喫煙スペースからかなり離れた場所に高橋はいた。


高橋が歩いていく方向には…、原田がいた。


無意識のうちに舌打ちする。



俺は遠くからでもわかるぎこちない二人の様子から、視線を外すことも出来ずにずっと見ていた。






「土方さん、何見てるんです?」


不意に声をかけられ、その声の主を見れば総司だった。


気付けば回りにいた喫煙者はいなくなり、俺一人。



「煙草、なくなりそうですよ」


「…」

俺はそれを灰皿へと落とし、また箱から一本取り出した。


火をつけ、紫煙を吸い込み、何かを吐き出すように深く息を吐いた。


その様をベンチに座りながらニヤニヤと見ている総司。



「何がおかしい」


「別に」


「お前は気管が弱いんだからここから離れてろ」


「小さい頃じゃないんですからもう大丈夫ですって。で。何でそんなにイラついてるんです?」

覗き込むような視線をふいっと逸らして、また紫煙を飲み込んだ。



総司や斎藤、一年の平助、そして原田や永倉は昔から同じ剣道の道場に通っていたこともあり長い付き合いだ。

総司に関しては人の感情にかなり敏感なところがある。

そこがこいつのいいところでもあり、やっかいなところでもある。



「何でもねぇよ。一週間合宿でお前に振り回されるかと思ったら寝れなかったんだよ」

俺の返答にカラカラと笑う総司。


「それはご期待に応えなきゃいけないなぁ」


「応える必要なんざ全くねぇぞ」

思い切り総司を睨みつければ、視線をそらしていた総司が声を弾ませた。


「千亜さんと左之さん、仲良いんだ。知り合いだったんだ。あ、頭撫でてる。流石、左之さん。手が早い」


高橋と原田の方を見れば、さっきとは違い打ち解けたかのような雰囲気だった。


俺は煙草を咥えた。



「…で、何で千亜さんを呼んだんです?」


「深い意味はねぇよ。合宿手伝ってもらうだけだ」


「へぇ」


「もうすぐ休憩終わるぞ。早くバスに行け」


「あ、僕ソフトクリーム買おうと思ってたんだ。誰かさんが不機嫌そうだったから声かけてあげたのに」


「うるせぇ、ソフトクリームなんてガキか!とっととバスに乗れ!」


「じゃあ行ってきまーす」

立ち上がり売店に向かいながら、背を向けたままヒラヒラと手を振る総司。


俺は大きく溜め息を吐いた。


そして視線を高橋へと向ける。



原田の後ろに付いて行くように歩く姿。





原田と別れたことなんざ、原田が新任としてうちの高校に来た時に、何気に聞いてから知っていた。


もうお前と会うことなんてないと思っていた。


思っていたからこそ、昨日お前と会えた時は心底驚いて。


そしてこの機会を逃すわけにはいかねぇと思った。


例え、副顧問として原田がいようが関係なかった。

原田と引き合わることになったとしても、だ。



原田の後ろを歩くお前。


それを遠くから見ている俺。



これが今の俺達の距離のような気がするな。




込み上げてきた自嘲は煙と共に吐き出し、火をもみ消した。









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急遽、土方さん視点を書いてみました。


わかりにくく、書いてみましたw



だってタイトルにスパイラルですからね。

色んなシーンをそれぞれの視点で書いていければいいなぁと思ってます。