薄桜鬼・現パロ【Love the Spiral】(土方・原田)#20 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

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設定無視、キャラ崩壊などご注意を。


それでもよろしければどうぞ。





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<土方視点>





休憩室の自販機前で一服していると明るい声が耳に入る。


高橋と雪村だ。


自然と口元が緩むのを感じた。


入口の方に視線を向けていれば、俺の視線に気付いた高橋が目を見張って声を上げる。



「わ!びっくりした!土方…先生、電気くらいつけましょうよ…」


「先生、先にお風呂頂きました」

雪村が小さく頭を下げる。


「ああ…。高橋、今話せるか」


「いいですよ。千鶴ちゃん先に部屋戻ってて。
あ、原田先生にお風呂どうぞって伝えてもらえる?いいですよね?先生」

俺が「ああ」と応えれば、雪村が頷く。


「わかりました。土方先生おやすみなさい」


「ああ、お疲れさん。おやすみ」

雪村に声をかけつつ、煙草を灰皿に押し付けながら、深く紫煙を吐く。



「何です?お話って」

高橋は歩み寄りながら声をかけてくる。


自販機だけの光の中。


まだ濡れたままの髪が少し色気を含んだような表情に見え、
トクンと小さく跳ねた胸中をごまかすかのように目を細めた。



「…何か飲むか。付き合えよ」

ソファから立ち上がり、千円札を出して自販機に滑り込ませる。


「お酒以外なら」


「当たり前だ。何にする?」


「じゃあカフェオレで」


ボタンを押せば、休憩室に無造作に缶が落ちる音が響く。



「ほら」


「わーい。いただきます」

嬉しそうにそれを取り、俺に笑みを向ける。


その表情は高校生だった頃と変わりなく、無邪気なものだった。


俺もブラックを買って、部屋にあるソファに並んで座り、蓋を開ける。



「…悪かったな。いきなり連れて来て」


「今それ言います?」

俺の言葉に少し目を丸くした高橋はクスクスと笑い出す。



「平気ですよ。実際暇だったんだし。明日からもっと忙しそうですけどね」


「お前がいてくれて助かるよ」


「じゃあもっと敬ってください」


「ばぁか。調子乗るんじゃねぇ」


「すみません」

俺が頭を小突けば、笑いながら言葉を零す高橋。


コイツの笑顔は俺の頬を緩めさす。


「まぁ、労ってやるよ。何だったら身体解してやろうか。まずは髪の毛乾かすとこからか?」


「ちょ、セクハラ!!」


俺が濡れた髪に手を伸ばし、指で髪を一束絡めれば、
くすぐったそうに笑いながらそれから逃れようとする高橋の身体。


『逃げるんじゃねぇ』


そう思って引き寄せようかと思ったその時。



投げられた声に俺達の動きが止まった。