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土方√
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昼食の後、それぞれ準備を済ませてバスに乗り込んだ。
行き先は「西之邦高校」。
何やらうちが合宿しているとどこかから聞きつけ初日に練習試合を申し込んできたらしい。
「それが強豪校みたいで」
「そうなんだ」
千鶴ちゃんから話を聞きながら、どこかしら車内に緊張感が漂ってるのはそのせいかと納得する。
「あ、でもうちも強いですよ!この合宿の成果も出ると思います!」
「うん、そうだね。私たちも応援しなきゃね」
千鶴ちゃんと頷きあう。
それにしても…、「西之邦高校」ねぇ…。
どっかで聞いたような。
どことなく静まっている車内。
私は通路を挟んで座っている土方さんを盗み見てみた。
寝てる…。
腕を組んで、俯きながら眠る姿が何だか微笑ましくて笑みが零れてしまう。
疲れてるんだろうな。
合宿の合間に仕事もしてるだろうし。
その眠る横顔が綺麗で。
またあの時の状況を思い出しそうになり、顔を正面に向けて頬を押さえる。
静かに息を吐いて、またゆっくりとその表情を見ようとしたとき。
うっすらと瞼が開いて、上がってきた視線と絡んだ。
その視線を逸らすことも出来ずに見つめていれば、
土方さんの目が柔らかく細められて、口元にうっすらと笑みが浮かんだ。
その表情に胸の内に波紋のように広がった温かいもの。
私もつられる様に口元に笑みが浮かんで。
何気ない二人のやりとりが今の自分にはくすぐったいように思えた。
「西之邦高校」に着いて、副顧問の天霧先生と主将の出迎えを受ける。
顧問は用事があるとかで遅れてくるんだとか。
案内された道場はうちの高校よりは広くて隅々まで綺麗に掃除が行き届いていて、
武道に力を入れているんだろうなと感じた。
何か手伝いをしようと思ったけど、「見ててください!」と千鶴ちゃんや他の部員たちにも言われて。
パイプ椅子を持ってきてくれたけど、それは断って道場の隅に正座した。
用意が整って両校ともに準備運動が始まる。
真面目な表情の部員達。
道場での姿をあまり見ることのなかった私は、リラックスしてる表情を見ることの方が多かったから、その凛々しい姿に頼もしさを感じる。
練習試合で勝敗がつくとはいえ、やっぱり皆には日頃の鍛錬やこの合宿の成果を精一杯出して欲しい。
神聖な道場内の響き渡る逞しい声。
私もどこかしら緊張を覚えて、口元を結んだ。
そんな部員達に見入っていると、ふと誰かが近づいてきた。
何気なくその気配に目をやると、その人物と視線が絡んだ。
「千亜…?」
「え…?!…千景?!!」
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出ました、ちー様。
まぁでも土方√ですからね。
程ほどです、はいw
みふゆ