薄桜鬼・現パロ【Love the Spiral】(土方√)#6 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

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設定無視、キャラ崩壊などご注意を。


それでもよろしければどうぞ。







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土方√

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目を丸くする私に、目を細める千景。



何でここに?!



「久しぶりだな、千亜。…何故お前がここにいる」


「それは…こっちの台詞でもあるんだけど」


急いで立ち上がれば、思った以上に足が痺れていたらしく、バランスを崩す身体。


ガクっと倒れそうになるのを千景に抱きしめるように支えられた。



「久しぶりに会ったかと思えば随分と積極的だな」


「違っ!!足が痺れて…!!」

私の反論も聞かずにフッと鼻で笑う千景。


「潤んだ目で俺を誘っているのか?積極的になったもんだな、千亜。
やはり契りは早く結ばねばならんな。早速お前の家に…」


混乱しながらも、そう言えばこういう性格だったと思い出す。

身体を離しながら不敵に見下ろす瞳を睨みつける。


「痛いから泣いてんの!!何でそんな話になってんのよ!その早とちり癖早く治しなさいよ!!ってか何でここに千景が…」


「愚問だな、俺はここの教師で剣道部の顧問だ。お前の方こそ何故ここにいる」


そういや、千景は西之邦高校の教師だったんだ。

だからどこかで聞いたことあったのか…。



妙に納得していると、突然お腹の辺りを抱えられるようにグッと引っ張られた。



千景と離れて、トンと背中に感じた温もり。




「何してやがる」



耳元近くで怒気を含んだような低い声が響いた。


途端に身体が硬直したように感じる。


鼻を掠める煙草混じりの淡い香水。




視線を上げれば、間近で土方さんの顔があって私は息を飲んだ。


土方さんが千景を睨みつけている。



「土方…。久しいな。お前は千亜とはどういう関係だ」


「…こいつは剣道部のマネージャーだったからな、合宿の手伝いに連れて来た。
…てめぇはこいつとどういう関係だ」


「千亜とは将来を誓いあった仲…。俺と千亜は従兄妹になる」


不敵な表情を浮かべる千景に私は反論する。


「は?違うでしょ!千景と将来も誓い合ったことないし!!
それに私と貴方は再従兄弟(はとこ)でしょうが!!!」


「幼い頃の約束を覚えていないのか。『いつまでも仲良くしようね』と言ったのはお前だぞ」


「何でそれが結婚の約束になるのよ!!」


「まぁいい」


「良くないから!!」


鼻で笑う千景に私は訴えた。


目を細めた千景が土方さんを睨みつける。


「土方…。貴様いつまで我妻に触れているつもりだ」


「千景の妻になったつもりは微塵もありません!!」


「はぁ…。くだらねぇな」

土方さんが大きく溜め息を吐いた。


「くだらない、だと?面白い、土方、勝負しろ。
この練習試合、我が西之邦高校が勝ったら土下座して詫びろ。そして一生千亜に近づくな」


「意味わかんない!!練習試合をなんだと思ってるの?!試合するのは部員だよ?!」


「…わかった」

土方さんの言葉に私は咄嗟に顔を見上げた。


「その代わり風間、お前が負けたら一生高橋に近づくな。その馬鹿らしい勘違いも止めろ」


お腹の辺りに回されていた腕に力が篭って、きゅっと引き寄せられる。



その動作に、意識してしまってか、心臓がうるさい。



「成立だな。結果は目に見えているがな。お前の土下座楽しみにしている。
千亜、試合が終わったらすぐさま俺の家に来い」


「行 き ま せ ん!!!」


私の言葉を鼻で笑うように背を向ける千景。


千景が立ち去るのを確認して、まだ回されている腕を意識しつつも、その表情を下から覗う。



「あの…、土方さん…。いいんですか?」


「あ?何だ、お前うちの部員たちが負けると思ってんのか」


「…思ってません」


「それでいい」

フッと土方さんの表情が緩んだ。