大学関連のデータの集計に一区切りがつきましたのでしばらくイギリスの大学の紹介を行っていきます。大学の一般的な情報はWikipediaなどの繰り返しになりますので、今までこのブログで紹介してきましたデータを中心に書きます。それぞれのデータの根拠はページの最後の方の一覧に載せました過去の記事を参考にしてください。

今回はユニバーシティカレッジロンドンをとりあげます。


ユニバーシティカレッジロンドン (University College London, UCL)


イギリスの大学徹底分析-UCL (撮影者Steve Cadman/Wikipediaより)
(撮影者Steve Cadman/Wikipediaより)

イギリスの大学徹底分析-UCLの入学難易度/大学の特徴
グラフで見たUCLの主な特徴



ユニバーシティカレッジロンドンのサマリーデータ
大学名University College London
主要な所属大学連合ラッセルグループ / ロンドン大学
創立1826年
立地London市内 (London中心から徒歩30分)
学生数(正規のみ)学部20121学年 平均4,212人 /全学年  12,635人
大学院20128,915人
学生の割合(学部)英国人201263.2%
欧州留学生20128.6%
他留学生201228.2%
学生の割合(大学院)英国人201257.4%
欧州留学生201216.8%
他留学生201225.8%
学部学生の出身高校(私立高卒) 35.4% : 64.6% (公立高卒)
男女比 (2013)(男) 48% : 52% (女)
人種の多様性 (2008)非白人学生率 31.5%
学部入学難易度 (2013)6位UCAS 509 / 換算偏差値 69
学部入学難易度 (過去8年平均)8位平均偏差値 67
同世代人口比で見た選抜水準(学部)(2013) 上位2.0%  (過去8年の平均) 上位2.2%
卒業難易度やや厳しい学部最終卒業率 93.8% 学部成績優等率 78.4%
教員一人当たり学生数 (2013)1位10.0人
学生一人当たり教育支援支出 (2013)7位£1,832 (約27万円)
学生一人当たり施設支出 (2013)98位£269 (約4万円)
研究力 (2008)5位RAE 2.84 / 換算偏差値 64
研究費予算配分 (2011 / 人件費込)4位£283,383,000 (約425億円)
ノーベル賞3位26人(OB 6人  教員 21人)
就職/進学率 (2012)8位82.9%
卒業生の初任給平均 (2009)3位£25,248 (約379万円)
NYTimes トップ企業の採用評価 (2012)5位世界16位
Spear's 富裕層の輩出人数 (2013)8位世界114位
時価総額世界上位500社のCEO輩出力
(2011)
8位世界92位
(ロンドン大学全体)
日本の大学ライバル校総合選抜度地方旧帝大、神戸大、及び早慶水準の上位
平均研究力分野別順位平均: 理系:東京大学  文系:該当無し
教員当たり平均研究実績: 該当無し
採用評価東京工業大学~東京大学
米国の大学ライバル校総合選抜度全米総合大学選抜度上位22位~26位水準
平均研究力分野別順位平均: Boston University
教員当たり平均研究実績: UCLA
採用評価全米総合大学採用評価上位6位~7位水準
国内大学ランキングIndependent社(2014) 7位  (過去7年の平均) 8位
Guardian社(2014) 5位  (過去7年の平均) 5位
世界大学ランキングTimes社201421位
QS社20134位
上海交通大201321位
Times名声調査世界ランキング201320位


主要専攻の学部入学難易度と研究力2014 (UCAS/RAEスコアの偏差値での換算値)
学問分野全平均法律政治経済経営会計心理哲学歴史古典英文芸術言語教育
難易度(学部)6976757463--71656866676162--
研究力64706281N/A--68726767646568--
学問分野数学物理化学生物電子機械材料土木情報建築医学歯学薬学
難易度(学部)746968706465--71646775--62
研究力586263566356--59727066--64


研究力及び研究者育成力の世界順位 (上位200位まで/2013年版ARWUより)
学問分野社会科学自然科学工学生命科学医学&薬学
経済学&経営学数学物理学化学情報工学
順位51-75位51-75位51-75位--37位51-75位151-200位76-100位22位14位


ユニバーシティカレッジロンドンは創立185年でイングランドではオックスフォード大ケンブリッジ大に次いで古い大学です。ロンドン大学のカレッジの一つですが独立した大学として扱われます。ロンドン大学の最古のカレッジです。英国の研究型上位大学連合であるラッセルグループに属しています。

特徴を箇条書きにしますと次のようになります。

(1) 立地・大学の雰囲気
ロンドンの中心から徒歩で30分ほどの距離にあるブルームズベリーに位置しています。立地的には英国の大学の中で最も恵まれている大学の一つです。大学構内の雰囲気や大学のシステムは都会型で緑地が少なく敷地の大半が宗教色の無い近代・現代的な建物で占められています。ただしロンドン大学の中では広めのキャンパスを持っています。州立高校卒業生比率が64.6%とかなり低く、裕福な家庭の学生が数多く集まる大学です。

(2) 学生数・教員数
教員一人当たりの学生数は10.0人英国総合大で最も良い状態となっています。教育環境は英国最上位と見てよいでしょう。学生数は学部・大学院を合わせて約21,000人でイギリスの上位大学の中では大きめです。在学生の男女比は48:52と女子学生が若干多めになっています(参照元)。

(3) 入学難易度
学部入学難易度は高く、UCASの入学者平均スコアから計算した2013年度入学者の偏差値は69でイギリスで6番目です。専攻や年によって上下しますが、毎年同世代人口でだいたい英国の上位2.2%の学生が集まっています。法学、政治学、経済学の社会科学主要分野の入学難易度が特に高く、オックスブリッジに準ずる難易度となっています。また理系では医学の人気が高いのも特徴です。なお学部入試の平均倍率はおよそ9倍です(参照元)。

(4) 成績評価・卒業難易度
最終的な卒業率は平均して93.8%、学部生の成績優等率は平均して78.4%です。学生の学力水準に対し、成績評価はイギリスの中で標準的ですが卒業難易度ではイギリスの中で厳しい大学グループに属します。

(5) ノーベル賞受賞者数・研究力
ノーベル賞受賞者総数は26人で英国ではケンブリッジ大オックスフォード大に次いで3番目に多いです。米国の大学と比較すると総数、卒業生の受賞者数共にペンシルバニア大学とほぼ互角です。ARWUのデータで見ますと、医学の研究力が英国2位、世界10位と非常に高い水準となっています。一方、RAEで見ました大学の総合研究力はイギリスでは5番目となっています。薬学、法律学、経済学が際立っており、それぞれ英国1位、2位、2位の研究水準を誇っています。特に経済学の研究力はLSEに次いで英国の全ての大学の全ての専攻の中で最も高い水準となっています。なお、研究人件費を含んだ2011年の研究費予算配分では2億8338万ポンド(約425億円)を獲得しています(参照元)。

(6) 就職力・経済界での活躍度
卒業生の収入は初任給平均では英国3位、文理別ではそれぞれ2位と非常に良い結果となっています。これは地の利による就職の有利さが理由だと推測されます。卒業6ヶ月後時点の未就職者数は7.2%です(参照元)。一方、時価総額で世界上位500社の経営者の輩出力のランキングでは2011年のランキングでロンドンビジネススクールを除いたロンドン大学全体としてイギリス国内で8位、世界全体で92位という結果になっています(参照元)。また、2012年にNewYorkTimesが世界20カ国のトップ企業に聞き取り調査しました卒業生の採用評価では英国5位、世界16位となっています(参照元)

(7) 日本のライバル
日本で同水準の大学は選抜度に関しては、以前掲載しました英国上位12大の選抜度国際比較データの傾向から推測しますと地方旧帝大、神戸大、慶應大、早稲田大の上位水準です。研究力及び研究者育成力で同水準の大学は、ARWU分野別の研究力世界200位のデータから推測しますと理系では東京大学ですが、文系では日本の全大学を上回っています。一方、教員一人あたりの平均研究実績はARWUのPer Capita Performanceのスコアで見ますと日本の全ての大学を上回っています。また企業の採用評価に関しては、2012年にNewYorkTimesが世界20カ国のトップ企業に聞き取り調査しました卒業生の採用評価で東京工業大学(日本1位/世界14位)と東京大学(日本2位/世界23位)の間という結果(世界16位)が出ています。

(8) アメリカのライバル
米国で同水準の大学は選抜度では上記同様の理由からジョージタウン大学などの全米総合大で選抜度上位22~26位水準です。研究力及び研究者育成力ではボストン大学です。一方、教員一人あたりの平均研究実績はARWUのPer Capita Performanceのスコアで見ますと31.3ポイントでカリフォルニア大学ロサンゼルス校などがほぼ同水準です。また企業の採用評価に関しては、2012年にNewYorkTimesが世界20カ国のトップ企業に聞き取り調査しました卒業生の採用評価でプリンストン大学(全米6位/世界8位)とボストン大学(全米7位/世界17位)の間という結果(世界16位)が出ています。

(9) 国内大学ランキング
新聞社が毎年出している国内大学ランキング表を見ますとIndependent社のランキングで2008年~2014年の7年間の平均ランキングで国内8位、Guardian社の2008年~2014年の7年間の平均ランキングで国内5位となっています。(近年授業料の急激な変動や景気変動などの国内情勢を反映し国内の大学ランキングは毎年乱高下しています。特にGuardian社のランキングは変動が激しくなる傾向があります。そのため、変動要素を減らすためにここでは平均で見ています。)

(10) 世界大学ランキング
2013年度版の世界大学ランキングではTHEのランキングで21位、QS社のランキングで4位、ARWUのランキングで21位となっています。世界大学ランキングのポジションは英国の中で4番目に高い結果になっています。

(11) 著名なOB
著名なOBはフレミングの法則の物理学者ジョン・フレミング、電話の発明家のグラハム・ベル、フィールズ賞受賞の数学者のアラン・ベイカーなどです。また日本との関係が深く、伊藤博文、井上馨、森有礼、寺島宗則、夏目漱石、小泉純一郎など政治、文化面での要人が数多く留学しました。

(12) 人種・国際性
人種別の学生比率は白人が68.5%、非白人が31.5%です。イギリスの全大学の非白人の人口平均が16%(参照元)である事を考えると非常にマイノリティの学生が多いのが伺えます(参照元)。研究型大学の上位20校(ラッセルグループ)の中ではLSEKCLインペリアルカレッジに次いでマイノリティが4番目に多い大学です。ケンブリッジ大オックスフォード大が主に白人の学力上位層を中心に集めているのに対し、UCLはマイノリティの学力上位層を積極的に集めているという対比的な特徴があります。全体の38%がイギリス国外からの学生となっています(参照元)。


総合的に見ますと英国で5番目の大学と言ってよいと思います。


英国の大学に関する記事
イギリスの大学の分類イギリスの大学の4つの分類
入学難易度(偏差値)と研究力イギリスの大学入学難易度と研究力のランキング
イギリスの大学の専攻別の入学難易度と研究力
近年のイギリスの大学の学部入学難易度の変遷
2013年度の大学入学難易度
2014年度の大学入学難易度
選抜度の国際比較英米大学の選抜度比較一覧表
選抜度で見たイギリスの大学とその国際比較
ラッセルグループなど主要大学グループの難易度と選抜水準
研究力の国際比較英米大学の研究力比較一覧表
イギリスの大学の研究力の国際比較
イギリスの大学の研究力の国際比較 (2013年版)
ノーベル賞受賞者数ノーベル賞受賞者数で見るイギリスの大学
卒業生の初任給イギリスの大学の初任給ランキング
富裕層の出身大学富裕層を輩出する英国大学はどこか
公立高校出身比率公立高校卒業生比率で見るイギリスの大学
成績評価と卒業難易度イギリスの大学の成績評価と卒業難易度の傾向
世界大学ランキング世界大学ランキングの問題点と信頼性

英国の主要大学の紹介記事
ケンブリッジ大学オックスフォード大学インペリアル・カレッジ・ロンドン (IC)ロンドンスクール・オブ・エコノミクス (LSE)ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン (UCL)
ウォーリック大学ダラム大学セントアンドルーズ大学ブリストル大学エジンバラ大学
バース大学キングス・カレッジ・ロンドン (KCL)ヨーク大学ノッティンガム大学マンチェスター大学
バーミンガム大学シェフィールド大学サウサンプトン大学グラスゴー大学エクセター大学
東洋アフリカ研究学院 (SOAS)カーディフ大学クイーンズ大学ベルファストロンドンビジネススクール (LBS)クランフィールド大学
大学関連のデータの集計に一区切りがつきましたのでしばらくイギリスの大学の紹介を行っていきます。大学の一般的な情報はWikipediaなどの繰り返しになりますので、今までこのブログで紹介してきましたデータを中心に書きます。それぞれのデータの根拠はページの最後の方の一覧に載せました過去の記事を参考にしてください。

今回はダラム大学をとりあげます。


ダラム大学 (Durham University)


イギリスの大学徹底分析-Durham大学 (撮影者Gabez/Wikipediaより)
(撮影者Gabez/Wikipediaより)

イギリスの大学徹底分析-Durham大学の入学難易度/大学の特徴
グラフで見たDurham大学の主な特徴


ダラム大学のサマリーデータ
大学名Durham University
主要な所属大学連合ラッセルグループ
創立1832年
立地Durham市 (Londonから電車で約3時間)
学生数(正規のみ)学部20121学年 平均3,873人 /全学年  11,620人
大学院20123,170人
学生の割合(学部)英国人201287.2%
欧州留学生20123.4%
他留学生20129.4%
学生の割合(大学院)英国人201253.7%
欧州留学生201210.0%
他留学生201236.4%
学部学生の出身高校 (2009)(私立高卒) 38.5% : 61.5% (公立高卒)
男女比 (2013)(男) 47% : 53% (女)
人種の多様性 (2013)非白人学生率 17.5%
学部入学難易度 (2013)7位UCAS 507 / 換算偏差値 69
学部入学難易度 (過去8年平均)6位平均偏差値 68
同世代人口比で見た選抜水準(学部)(2013) 上位2.0%  (過去8年の平均) 上位1.9%
卒業難易度標準的学部最終卒業率 96.8% 学部成績優等率 78.0%
教員一人当たり学生数 (2013)26位15.1人
学生一人当たり教育支援支出 (2013)22位£1,332 (約20万円)
学生一人当たり施設支出 (2013)4位£940 (約14万円)
研究力 (2008)12位RAE 2.72 / 換算偏差値 61
研究費予算配分 (2011 / 人件費込)26位£48,740,000 (約73億円)
ノーベル賞0人
就職/進学率 (2012)13位79.5%
卒業生の初任給平均 (2009)21位£21,016 (約315万円)
NYTimes トップ企業の採用評価 (2012)14位世界138位
Spear's 富裕層の輩出人数 (2013)14位世界173位
時価総額世界上位500社のCEO輩出力
(2011)
8位世界92位
日本の大学ライバル校総合選抜度地方旧帝大、神戸大、及び早慶水準の上位
平均研究力分野別順位平均: 理系:名古屋大学 文系:該当無し
教員当たり平均研究実績: 大阪大学、東北大学
採用評価大阪大学~一橋大学
米国の大学ライバル校総合選抜度全米総合大学選抜度上位22位~26位水準
平均研究力分野別順位平均: Georgetown University
教員当たり平均研究実績: Dartmouth College
採用評価全米総合大学採用評価上位46位~47位水準
国内大学ランキングIndependent社(2014) 5位  (過去7年の平均) 5位
Guardian社(2014) 6位  (過去7年の平均) 11位
世界大学ランキングTimes社201480位
QS社201390位
上海交通大2013201-300位
Times名声調査世界ランキング2013N/A


主要専攻の学部入学難易度と研究力2014 (UCAS/RAEスコアの偏差値での換算値)
学問分野全平均法律政治経済経営会計心理哲学歴史古典英文芸術言語教育
難易度(学部)6971697458566673757075----58
研究力6166535959596158616463----51
学問分野数学物理化学生物電子機械材料土木情報建築医学歯学薬学
難易度(学部)79787669--------63--------
研究力61626356--58----63--------


研究力及び研究者育成力の世界順位 (上位200位まで/2013年版ARWUより)
学問分野社会科学自然科学工学生命科学医学&薬学
経済学&経営学数学物理学化学情報工学
順位101-150位--51-75位--39位151-200位--------


ダラム大学は創立179年でイングランドではオックスフォード大ケンブリッジ大に次いで古い大学の一つとなります。英国の研究型上位大学連合であるラッセルグループに属しています。

特徴を箇条書きにしますと次のようになります。

(1) 立地・大学の雰囲気
ロンドンから電車で3時間ほどの距離にあるダラム市に位置しています。立地的にはあまり恵まれていませんがハリーポッターのロケ地にもなったキャンパスはイギリス有数の美しさを誇ります。大学構内の雰囲気や大学のシステムはイギリスの古い大学の伝統を引き継いでいて、伝統的な建築と広い緑地が特徴です。2万9000人の町の人口の6割ぐらいが大学の学生または教職員関係者です。州立高校卒業生比率が61.5%と非常に低く、裕福な家庭の学生が数多く集まる大学です。

(2) 学生数・教員数
教員一人当たりの学生数は15.1人で上位大学の中では多めです。一方、学生数は学部・大学院を合わせて約16,000人と他の上位総合大学と比べるとやや少なめです。在学生の男女比は47:53と女子学生が若干多めになっています(参照元)。

(3) 入学難易度
学部入学難易度は高く、UCASの入学者平均スコアから計算した2013年度入学者の偏差値は69でイギリスで7番目の難易度です。専攻や年によって上下しますが、毎年同世代人口でだいたい英国の上位1.9%の学生が集まっています。人文科学と理学に強く、それらの分野はオックスブリッジに準ずる難易度です。なお学部入試の平均倍率はおよそ8倍です(参照元)。

(4) 成績評価・卒業難易度
最終的な卒業率は平均して96.8%、学部生の成績優等率は平均して78.0%です。学生の学力水準に対し、卒業難易度、成績評価はイギリスの中では標準的です。

(5) ノーベル賞受賞者数・研究力
ノーベル賞受賞者はまだ輩出していません。理由はおそらく研究より学部教育に力を入れている事や、入学が難化したのが比較的最近である事に起因しているのではないかと考えられます。RAEで見ました大学の総合研究力はイギリスでは12番目です。一方、ARWUのランキングによりますと自然科学の研究力及び研究者育成力で世界で51位~75位と高い水準となっています。RAEでも物理学の研究力は英国3位と高い水準を誇っています。なお、研究人件費を含んだ2011年の研究費予算配分では英国で26番目に多い4874万ポンド(約73億円)を獲得しています(参照元)。高額な研究予算が必要な医学部が無いため配分額は少なめになっています。

(6) 就職力・経済界での活躍度
卒業生の収入は初任給平均では英国21位で上位大学の中ではパフォーマンスが悪いです。これは立地的な不利さが就職に影響していると推測されます。卒業6ヶ月後時点の未就職者数は8.3%です(参照元)。一方、時価総額で世界上位500社の経営者の輩出力のランキングでは2011年のランキングでイギリス国内で8位、世界全体で92位という結果になっています(参照元)。また、2012年にNewYorkTimesが世界20カ国のトップ企業に聞き取り調査しました卒業生の採用評価では英国14位、世界138位となっています(参照元)

(7) 日本のライバル
日本で同水準の大学は選抜度に関しては、以前掲載しました英国上位12大の選抜度国際比較データの傾向から推測しますと地方旧帝大、神戸大、慶應大、早稲田大の上位水準です。研究力及び研究者育成力では、ARWU分野別の研究力世界200位のデータから推測しますと理系は名古屋大ですが文系は日本の全ての大学を上回っています。一方、教員一人あたりの平均研究実績はARWUのPer Capita Performanceのスコアで見ますと21.1ポイントで大阪大学と東北大学がほぼ同水準です。また企業の採用評価に関しては、2012年にNewYorkTimesが世界20カ国のトップ企業に聞き取り調査しました卒業生の採用評価で大阪大学(日本6位/世界127位)と一橋大学(日本7位/世界145位)の間という結果(世界138位)が出ています。

(8) アメリカのライバル
米国で同水準の大学は選抜度では、上記同様の理由からバージニア大学などの全米総合大で選抜度上位22~26位水準です。研究力及び研究者育成力ではジョージタウン大学です。一方、教員一人あたりの平均研究実績はARWUのPer Capita Performanceのスコアで見ますと21.1ポイントでダートマス大学などがほぼ同水準です。また企業の採用評価に関しては、2012年にNewYorkTimesが世界20カ国のトップ企業に聞き取り調査しました卒業生の採用評価でフロリダ大学(全米46位/世界137位)とラトガース大学(全米47位/世界140位)の間という結果(世界138位)が出ています。

(9) 国内大学ランキング
新聞社が毎年出している国内大学ランキング表を見ますとIndependent社のランキングで2008年~2014年の7年間の平均ランキングで国内5位、Guardian社の2008年~2014年の7年間の平均ランキングで国内11位となっています。(近年授業料の急激な変動や景気変動などの国内情勢を反映し国内の大学ランキングは毎年乱高下しています。特にGuardian社のランキングは変動が激しくなる傾向があります。そのため、変動要素を減らすためにここでは平均で見ています。)

(10) 世界大学ランキング
2013年度版の世界大学ランキングではTHEのランキングで80位、QS社のランキングで92位、ARWUのランキングで201-300位となっています。医薬系が無い事もあって世界大学ランキングのポジションは振るいませんが自然科学ではTHEのランキングで66位、QSで67位、ARWUで51-75位と評価され、自然科学の分野は健闘しています。

(11) 著名なOB
著名なOBは天体物理学者のジョン・バロウ、地球物理学者のハロルド・ジェフリーズなどです。理系研究者のOBや作家などが目立つのが特徴です。

(12) 人種・国際性
学部学生の2010年の入学者では人種構成は白人が85.8%で、その他インド系が1.3%、中国系が4%、黒人が1%強など有色人種が14.7%となっています(参照元)。イギリスの全大学の非白人の人口平均が16%(参照元)なので大学の人種構成は平均的です。全体の16%がイギリス国外からの留学生です(参照元)。


総合的に見ますと英国で6~8番目の大学だと思います。


英国の大学に関する記事
イギリスの大学の分類イギリスの大学の4つの分類
入学難易度(偏差値)と研究力イギリスの大学入学難易度と研究力のランキング
イギリスの大学の専攻別の入学難易度と研究力
近年のイギリスの大学の学部入学難易度の変遷
2013年度の大学入学難易度
2014年度の大学入学難易度
選抜度の国際比較英米大学の選抜度比較一覧表
選抜度で見たイギリスの大学とその国際比較
ラッセルグループなど主要大学グループの難易度と選抜水準
研究力の国際比較英米大学の研究力比較一覧表
イギリスの大学の研究力の国際比較
イギリスの大学の研究力の国際比較 (2013年版)
ノーベル賞受賞者数ノーベル賞受賞者数で見るイギリスの大学
卒業生の初任給イギリスの大学の初任給ランキング
富裕層の出身大学富裕層を輩出する英国大学はどこか
公立高校出身比率公立高校卒業生比率で見るイギリスの大学
成績評価と卒業難易度イギリスの大学の成績評価と卒業難易度の傾向
世界大学ランキング世界大学ランキングの問題点と信頼性

英国の主要大学の紹介記事
ケンブリッジ大学オックスフォード大学インペリアル・カレッジ・ロンドン (IC)ロンドンスクール・オブ・エコノミクス (LSE)ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン (UCL)
ウォーリック大学ダラム大学セントアンドルーズ大学ブリストル大学エジンバラ大学
バース大学キングス・カレッジ・ロンドン (KCL)ヨーク大学ノッティンガム大学マンチェスター大学
バーミンガム大学シェフィールド大学サウサンプトン大学グラスゴー大学エクセター大学
東洋アフリカ研究学院 (SOAS)カーディフ大学クイーンズ大学ベルファストロンドンビジネススクール (LBS)クランフィールド大学
大学関連のデータの集計に一区切りがつきましたのでしばらくイギリスの大学の紹介を行っていきます。大学の一般的な情報はWikipediaなどの繰り返しになりますので、今までこのブログで紹介してきましたデータを中心に書きます。それぞれのデータの根拠はページの最後の方の一覧に載せました過去の記事を参考にしてください。

今回はロンドンスクール・オブ・エコノミクスをとりあげます。


ロンドンスクール・オブ・エコノミクス (London School of Economics, LSE)


イギリスの大学徹底分析-LSE (撮影者Mulloom2/Wikipediaより)
(撮影者Mulloom2/Wikipediaより)

イギリスの大学徹底分析-LSEの入学難易度/大学の特徴
グラフで見たLSEの主な特徴


ロンドンスクール・オブ・エコノミクスのサマリーデータ
大学名London School of Economics
主要な所属大学連合ラッセルグループ / ロンドン大学
創立1895年
立地London市内 (London中心から徒歩15分)
学生数(正規のみ)学部20121学年 平均1,312人 /全学年  3,935人
大学院20125,245人
学生の割合(学部)英国人201255.4%
欧州留学生20127.1%
他留学生201237.5%
学生の割合(大学院)英国人201218.0%
欧州留学生201227.6%
他留学生201254.4%
学部学生の出身高校 (2009)(私立高卒) 33.8% : 66.2% (公立高卒)
男女比 (2013)(男) 48% : 52% (女)
人種の多様性 (2008)非白人学生率 41.1%
学部入学難易度 (2013)4位(文系 3位)UCAS 541 / 換算偏差値 73
学部入学難易度 (過去8年平均)4位(文系 3位)平均偏差値 71
同世代人口比で見た選抜水準(学部)(2013) 上位1.2%  (過去8年の平均) 上位1.1%
卒業難易度厳しい学部最終卒業率 96.0% 学部成績優等率 76.3%
教員一人当たり学生数 (2013)2位11.1人
学生一人当たり教育支援支出 (2013)5位£1,913 (約29万円)
学生一人当たり施設支出 (2013)32位£472 (約7万円)
研究力 (2008)2位RAE 2.96 / 換算偏差値 67
研究費予算配分 (2011 / 人件費込)43位£24,068,000 (約36億円)
ノーベル賞6位17人(OB 5人  教員 13人)
就職/進学率 (2012)6位85.1%
卒業生の初任給平均 (2009)1位(文系 1位)£29,253 (約439万円)
NYTimes トップ企業の採用評価 (2012)4位世界15位
Spear's 富裕層の輩出人数 (2013)3位世界27位
時価総額世界上位500社のCEO輩出力
(2011)
8位世界92位
(ロンドン大学全体)
日本の大学ライバル校総合選抜度一橋大学
平均研究力分野別順位平均: 文系:該当無し
教員当たり平均研究実績: 東京大学
採用評価東京工業大学~東京大学
米国の大学ライバル校総合選抜度全米総合大学選抜度上位15位~16位水準
平均研究力分野別順位平均: Uni of Michigan - Ann Arbor
教員当たり平均研究実績: Northwestern University
採用評価全米総合大学採用評価上位6位~7位水準
国内大学ランキングIndependent社(2014) 3位  (過去7年の平均) 4位
Guardian社(2014) 3位  (過去7年の平均) 4位
世界大学ランキングTimes社201432位
QS社201368位
上海交通大2013101-150位
Times名声調査世界ランキング201325位


主要専攻の学部入学難易度と研究力2014 (UCAS/RAEスコアの偏差値での換算値)
学問分野全平均法律政治経済経営会計心理哲学歴史古典英文芸術言語教育
難易度(学部)737574786971--6871----------
研究力677163826767--6766----------
学問分野数学物理化学生物電子機械材料土木情報建築医学歯学薬学
難易度(学部)75------------------------
研究力56------------------------


研究力及び研究者育成力の世界順位 (上位200位まで/2013年版ARWUより)
学問分野社会科学自然科学工学生命科学医学&薬学
経済学&経営学数学物理学化学情報工学
順位15位13位--151-200位------------


ロンドンスクール・オブ・エコノミクスは創立110年ちょっとでイギリスでは比較的新しい大学の一つとなります。社会科学のみの文系の大学です。ロンドン大学のカレッジの一つですが独立した大学として扱われます。英国の研究型上位大学連合であるラッセルグループに属しています。

特徴を箇条書きにしますと次のようになります。

(1) 立地・大学の雰囲気
ロンドンの中心から徒歩で15分ほどの距離にあるオールドウィッチに位置しています。オールドウィッチはビジネスの中心地であるシティのすぐ真横ですので立地的には英国の大学の中で最も恵まれている大学の一つです。大学構内の雰囲気や大学のシステムは都会型で緑地はほぼ存在せず敷地の大半が宗教色の無い近代・現代的な建物で占められています。またキャンパスはイギリスの上位大学の中では最も小さいです。州立高校卒業生比率が66.2%とかなり低く、裕福な家庭の学生が数多く集まる大学です。

(2) 学生数・教員数
教員一人当たりの学生数は11.1人でイギリストップクラスです。学生数は学部・大学院を合わせて約9,000人で単科大学という事もありイギリスの上位大学の中ではセント・アンドルーズ大学に次いで最も少ない大学です。在学生の男女比は48:52と若干女子学生が多めになっています(参照元)。

(3) 入学難易度
学部入学難易度は非常に高く、UCASの入学者平均スコアから計算した2013年度入学者の偏差値は73でイギリスの文系で3番目です。専攻や年によって上下しますが、毎年同世代人口でだいたい英国の上位1.1%の学生が集まっています。法学、政治学、経済学の社会科学主要分野の入学難易度が特に高く、オックスブリッジに準ずる難易度となっています。なお学部入試の平均倍率はおよそ13倍です(参照元)。

(4) 成績評価・卒業難易度
最終的な卒業率は平均して96.0%、学部生の成績優等率は平均して76.3%と、学生の学力水準に対して卒業難易度や成績評価がイギリスの中で厳しい大学グループに属します。

(5) ノーベル賞受賞者数・研究力
ノーベル賞受賞者総数はやや少なく17人で英国では6番目に留まっています。ただし文系のノーベル賞受賞者数で見ますと英国2位、特にノーベル経済学賞受賞者総数では英国1位となっています。米国では文系の受賞者総数でカリフォルニア大学バークレー校とほぼ互角、卒業生の受賞者数ではコーネル大学と互角です。ARWUによる社会科学分野の研究力評価では英国で1番高い水準となっています。一方、RAEで見ました大学の総合研究力はイギリスでは2番目の水準です。研究力は経済学、法律学が英国1位、政治学、会計学・ファイナンスが英国2位となっています。特に経済学の研究力は英国の全ての大学の全ての専攻の中で最も高い水準となっています。なお、研究人件費を含んだ2011年の研究費予算配分では英国で43番目に多い2407万ポンド(約36億円)を獲得しています(参照元)。配分額が少ないのは機材や実験設備を必要としない社会科学分野のためです。

(6) 就職力・経済界での活躍度
卒業生の収入は初任給平均では英国で1番高く、非常に良い結果となっています。これは地の利による就職の有利さが理由だと推測されます。卒業6ヶ月後時点の未就職者数は8.1%です(参照元)。一方、時価総額で世界上位500社の経営者の輩出力のランキングでは2011年のランキングでロンドンビジネススクールを除いたロンドン大学全体としてイギリス国内で8位、世界全体で92位という結果になっています(参照元)。また、2012年にNewYorkTimesが世界20カ国のトップ企業に聞き取り調査しました卒業生の採用評価では英国4位、世界15位となっています(参照元)

(7) 日本のライバル
日本で同水準の大学は選抜度に関しては、以前掲載しました英国上位12大の選抜度国際比較データの傾向から推測しますと一橋大学です。研究力及び研究者育成力では、ARWU分野別の研究力世界200位のデータから推測しますと日本の全ての大学を上回っています。一方、教員一人あたりの平均研究実績はARWUのPer Capita Performanceのスコアで見ますと26.8ポイントで東京大学がだいたい同水準です。また企業の採用評価に関しては、2012年にNewYorkTimesが世界20カ国のトップ企業に聞き取り調査しました卒業生の採用評価で東京工業大学(日本1位/世界14位)と東京大学(日本2位/世界23位)の間という結果(世界15位)が出ています。

(8) アメリカのライバル
米国で同水準の大学は選抜度では上記同様の理由からジョンズホプキンス大学などの全米総合大で選抜度上位15~16位水準です。研究力及び研究者育成力はミシガン大学アナーバー校がほぼ同水準です。一方、教員一人あたりの平均研究実績はARWUのPer Capita Performanceのスコアで見ますと26.8ポイントでノースウェスタン大学などがほぼ同水準です。また企業の採用評価に関しては、2012年にNewYorkTimesが世界20カ国のトップ企業に聞き取り調査しました卒業生の採用評価でプリンストン大学(全米6位/世界8位)とボストン大学(全米7位/世界17位)の間という結果(世界15位)が出ています。

(9) 国内大学ランキング
新聞社が毎年出している国内大学ランキング表を見ますとIndependent社のランキングで2008年~2014年の7年間の平均ランキングで国内4位、Guardian社の2008年~2014年の7年間の平均ランキングで国内4位となっています。(近年授業料の急激な変動や景気変動などの国内情勢を反映し国内の大学ランキングは毎年乱高下しています。特にGuardian社のランキングは変動が激しくなる傾向があります。そのため、変動要素を減らすためにここでは平均で見ています。)

(10) 世界大学ランキング
2013年度版の世界大学ランキングではTHEのランキングで32位、QS社のランキングで68位、ARWUのランキングで102-150位とイギリスで9番目の結果となっています。文系の大学であるため理系研究力が重視される世界大学ランキングのポジションは振るいませんが社会科学の世界ランキングで見ますとTHEのランキングで13位、QS社のランキングで2位、ARWUのランキングで15位と高い評価を受けています。

(11) 著名なOB
著名なOBはノーベル経済学賞受賞の経済学者のロナルド・コース、アメリカ元大統領のジョン・F・ケネディ、投資家のジョージ・ソロスなどです。政治家や金融関係者、経済学者のOBが目立つのが特徴です。

(12) 人種・国際性
学部学生の人種構成は白人が60%以下、非白人が40%以上となっています(参照元)。イギリスの全大学の非白人の人口平均が16%(参照元)である事を考えると非常にマイノリティの学生が多いのが伺えます(参照元)。特に多いのがインド系英国人の学生で全体の学生のうち14.5%を占めます(参照元)。研究型大学の上位20校(ラッセルグループ)の中ではKCLと並んで最もマイノリティが多い大学です。ケンブリッジ大オックスフォード大が主に白人の学力上位層を中心に集めているのに対し、LSEはマイノリティの学力上位層を積極的に集めているという対比的な特徴がある事が見てとれます。また学部学生の半数がイギリス国外の出身です(参照元)。留学生が多いロンドンの大学の中でもこの数値は特に多く、事実イギリスで最も留学生が多い大学の一つです。


総合的に見ますと英国で文系の3番目の大学と言ってよいと思います。


英国の大学に関する記事
イギリスの大学の分類イギリスの大学の4つの分類
入学難易度(偏差値)と研究力イギリスの大学入学難易度と研究力のランキング
イギリスの大学の専攻別の入学難易度と研究力
近年のイギリスの大学の学部入学難易度の変遷
2013年度の大学入学難易度
2014年度の大学入学難易度
選抜度の国際比較英米大学の選抜度比較一覧表
選抜度で見たイギリスの大学とその国際比較
ラッセルグループなど主要大学グループの難易度と選抜水準
研究力の国際比較英米大学の研究力比較一覧表
イギリスの大学の研究力の国際比較
イギリスの大学の研究力の国際比較 (2013年版)
ノーベル賞受賞者数ノーベル賞受賞者数で見るイギリスの大学
卒業生の初任給イギリスの大学の初任給ランキング
富裕層の出身大学富裕層を輩出する英国大学はどこか
公立高校出身比率公立高校卒業生比率で見るイギリスの大学
成績評価と卒業難易度イギリスの大学の成績評価と卒業難易度の傾向
世界大学ランキング世界大学ランキングの問題点と信頼性

英国の主要大学の紹介記事
ケンブリッジ大学オックスフォード大学インペリアル・カレッジ・ロンドン (IC)ロンドンスクール・オブ・エコノミクス (LSE)ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン (UCL)
ウォーリック大学ダラム大学セントアンドルーズ大学ブリストル大学エジンバラ大学
バース大学キングス・カレッジ・ロンドン (KCL)ヨーク大学ノッティンガム大学マンチェスター大学
バーミンガム大学シェフィールド大学サウサンプトン大学グラスゴー大学エクセター大学
東洋アフリカ研究学院 (SOAS)カーディフ大学クイーンズ大学ベルファストロンドンビジネススクール (LBS)クランフィールド大学