アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

 明日行きたくなる美術展情報をあなたに

星星星(3ツ星)
NEWカンディンスキー 世界は鳴りひびく  宇都宮美術館(~9/3)
  ・ルーシー・リー展―東西をつなぐ優美のうつわ―  東京都庭園美術館(~9/13)
  ・ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ  国立新美術館(~9/21) 
  ・大ゴッホ展 夜のカフェテラス  上野の森美術館(~8/12)
  ・ロン・ミュエク  森美術館(~9/23)
  
星星(2ツ星)
NEWまなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険  ヒカリエホール(~8/26)
NEW開館50周年記念 山口華楊展  SOMPO美術館(~8/30)
  ・町田市立国際版画美術館所蔵 長谷川潔展  パナソニック汐留美術館(~9/23)
  ・誕生50周年記念 ノンタン ずっとともだち!!!  PLAY! MUSEUM(~9/27)
  ・眼のごちそう 食器  サントリー美術館(~8/30)
  ・おとぎの国のモードをさがして/Fairy Tale MODE  千葉市美術館(~8/30)
  ・生誕130年 前田寛治 ポエジイとレアリスム  東京ステーションギャラリー(~8/30)
  ・トニー・アウスラー:技術と霊知のはざま  TOKYO NODE(~9/27)
  ・版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト  国立西洋美術館(~9/23)
  ・ひらく、めくる、めぐる―印刷博物館の美しい印刷  千葉県立美術館(~9/6)
  ・宇宙の非対称性について  チームラボボーダレス(~10/8)
  ・出光真子 おんなのさくひん  東京都写真美術館(~9/21)
  ・元禄!師宣劇場 十二ヶ月風俗図巻 大公開  静嘉堂文庫美術館(~8/23)
  ・エットレ・ソットサス  アーティゾン美術館(~10/4)
  ・北斎 広重 ふたりの富士、それぞれの富士  すみだ北斎美術館(~8/30)
  ・所蔵作品展 MOMATコレクション  東京国立近代美術館(~9/13)
  ・杉本博司 絶滅写真  東京国立近代美術館(~9/13)
  ・“カフェ”に集う芸術家  三菱一号館美術館(~9/23)
  ・いま、私は現代アートと出会う  浜松市美術館(~8/30) 
  ・「怖い」本  東洋文庫ミュージアム(~9/23)
  ・山室眞二の薯版画〈かまくら博物誌〉  神奈川県立近代美術館 鎌倉別館(~9/27)
  ・ピカソ・ミロ・バルセロのセラミック  ヨックモックミュージアム(~12/20)

星(1ツ星)
NEW2026イタリア・ボローニャ国際絵本原画展  板橋区立美術館(~8/16) 
NEWゲームと美術 信長の野望/コーエーテクモゲームスの野望  栃木県立美術館(~9/6)
  ・『My Birthday』展  弥生美術館(~9/27)
  ・ふたりのアフリカ、手仕事の宇宙  世田谷美術館(~9/6) 
  ・高浜利也 目黒でいえあつめ  目黒区美術館(~8/30)
  ・風そよぐ情景 ヴィクトリア朝絵画・フランス印象派  松岡美術館(~10/12)
  ・LINDER: GODDESS OF THE MIND  シャネル・ネクサス・ホール(~8/16)
  ・TOPコレクション 明日の食卓  東京都写真美術館(~9/21)
  ・心の声をきく わたしを生きる術  東京都渋谷公園通りギャラリー(~8/30)
  ・瀧口修造 書くことと描くこと  アーティゾン美術館(~10/4)
  ・ぐるぐる展 進化しつづける人類の物語  MoN Takanawa(~9/23)
  ・波板と珊瑚礁  WHAT MUSEUM(~9/13)
  ・“YOU MADE ME LEAVE HOME...  エスパス ルイ·ヴィトン東京(~9/13)
🔜・スープはいのち  21_21 DESIGN SIGHT(~8/9)

今年2026年は、弘法大師こと空海の生誕1250年目となる節目の年。

 

弘法大師坐像(秘仏)

弘法大師坐像 江戸時代 17世紀 和歌山・金剛峯寺蔵 通期展示

 

 

それを記念して、この夏、東京国立博物館では、

特別展“空海と真言の名宝”が開催されています。

 

空海と真言の名宝展ポスター
(注:展示室内は一部撮影可。写真撮影は、特別に許可を得ております。)
 
 
空海を開祖とする真言宗は、数多くの門派に分かれています。
その主要な門派の総本山および大本山で構成された真言宗十八本山と、
関係寺院の全面協力のもと開催される本展には、各寺院が所蔵する寺宝が集結!
その数、実に全88件。
それらの中には、空海が遣唐使として唐に留学した際、
現地で密教経典などを書写した国宝の《三十帖冊子 第二十二帖》や、
 
空海と真言の名宝展 仏像と蘭奢待

国宝 空海ほか筆《三十帖冊子  第二十二帖》 平安時代 9世紀 京都・仁和寺蔵

後期展示8/11(火)-9/6(日)展示
 
 
毎年1月に東寺こと教王護国寺で執り行われる真言宗最高の法会、
「後七日御修法 (ごしちにちみしほ)」にまつわる重要文化財《聖観音菩薩・梵天・帝釈天立像》
 
空海と真言の名宝 仏像群

重要文化財《聖観音菩薩・梵天・帝釈天立像(二間観音)》 鎌倉時代 13世紀 京都・教王護国寺[東寺]蔵

通期展示 画像提供:便利堂
 
 
意外なところでは、いわゆる「四大絵巻」の1つに数えられる、
朝護孫子寺が所蔵する国宝《信貴山縁起絵巻 飛倉巻》をはじめ、
 
信貴山縁起絵巻 飛倉巻の人物たち

国宝《信貴山縁起絵巻  飛倉巻》(部分) 平安時代 12世紀 奈良・朝護孫子寺蔵

前期展示7/14(火)-8/9(日)展示 画像提供:奈良国立博物館

 
 
国宝15件、重要文化財60件が含まれていました。
まさに弘法大師生誕1250年を祝うに相応しい豪華すぎる内容となっています。
 
 
もちろん、仏像も大充実!
展覧会は全4章構成となっていますが、
各章には必ず、仏像が展示されています。

 

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重要文化財《聖観音菩薩坐像》 奈良時代 8世紀 香川・願興寺蔵

 

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重要文化財《十一面観音菩薩立像》 鎌倉時代 13世紀 奈良・長谷寺蔵

 

 

そして、本展を締めくくる第4章は、仏像が主役。

真言宗各派の貴重な仏像で構成された仏像100%の贅沢な空間となっています。

 

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特別展「空海と真言の名宝」の仏像展示
第4章 展示風景
 

 

それらの中には、大報恩寺の国宝《地蔵菩薩立像》や、

 

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国宝《地蔵菩薩立像》 鎌倉時代 貞応3年(1224) 京都・大報恩寺蔵

 

 

快慶による《金剛薩埵坐像》《不動明王坐像》も。

(どちらも重要文化財!)

 

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第4章 展示風景

 

 

珍しいタイプとしては、奈良・寳山寺が所蔵する《倶利迦羅龍剣》も出品されていました。

 

倶利迦羅龍剣:空海展の伝説の武器
重要文化財《倶利迦羅龍剣》 江戸時代 17 ~18世紀 奈良・寳山寺蔵

 

 

まるでロールプレイングゲームに出てきそうな。

選ばれし人間にしか抜くことのできない“伝説の武器”感が溢れています。

仏像とはまた違った神々しさがありました。

 

さらに本展のハイライトといえるのが、秘仏コーナーです。

実は、本展の冒頭に展示されていた《弘法大師坐像》も、

後七日御修法の《聖観音菩薩・梵天・帝釈天立像》も秘仏。

それとは別に、本展のクライマックスには、

大阪・大門寺の秘仏《如意輪観音菩薩坐像》や、

 

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重要文化財《如意輪観音菩薩坐像》 平安時代 11世紀 大阪・大門寺蔵

 

 

和歌山・金剛三昧院の秘仏《千手観音菩薩立像》

 

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重要文化財《千手観音菩薩立像》 鎌倉時代 13世紀 和歌山・金剛三昧院蔵

 

 

さらには、33年に一度しか開帳されない秘仏中の秘仏、

三重・観菩提寺の《十一面観音菩薩立像》も展示されています。

 

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重要文化財《十一面観音菩薩立像》 平安時代 9~10世紀 三重・観菩提寺蔵

 

 

本展に出展される秘仏は9件11体(一部前後期展示替あり)

仏像を目玉にした寺宝展は、数多く開催されてきましたが、

これほどまでに秘仏が出展された寺宝展は、過去になかったような。

秘仏コーナーなる奇跡的な展示空間を味わうだけも本展を訪れる価値あり!

よくぞ秘仏コーナーを実現させたものです。

星星星

 

 

さてさて、そんな秘仏コーナーで思わず二度見したのが、

京都の泉涌寺に伝わる秘仏の《厨子入十一面観音菩薩立像》の・・・・・

 

空海展の仏像と蘭奢待の木片

《厨子入十一面観音菩薩立像》江戸時代 19世紀、

(左手前)《香木片 銘「蘭奢待」》 奈良時代 8世紀 ともに京都・泉涌寺蔵

 

 

隣にさりげなく展示されていた香木片です。

その包みには「蘭奢待」の文字が書かれていました。

え?何で蘭奢待の木片がここに??

実は、こちらの秘仏は、孝明天皇の妹で、

徳川14代将軍・家茂の御台所となった和宮に由来すると考えられているそう。

明治10年、時の明治天皇は、正倉院宝物をご覧になった際に、

蘭奢待を6cmほど切り、一部を焚いて、残りを東京に持ち帰りました。

この年、和宮は病気を患い、療養に入っています。

明治天皇は叔母である和宮を心配し、見舞いの品を贈りました。

その中に、この蘭奢待の木片が入っていたのかもしれません。

信じるか信じないかはあなた次第です。

 

 

ちなみに。

本展のラストには、写真撮影可能な仏像が展示されています。

1つは、山梨・放光寺が所蔵する重要文化財《愛染明王坐像》

 

愛染明王坐像:弓矢を構える珍しい姿

重要文化財《愛染明王坐像》 平安時代 12世紀 山梨・放光寺蔵

 

 

愛染明王自体はわりとポピュラーな存在ですが、

弓矢を天に向けて構える姿の彫像は、大変珍しいのだそう。

確かに、見たことのないタイプの愛染明王です。

 

空海展の倶利迦羅龍剣仏像
重要文化財《愛染明王坐像》 平安時代 12世紀 山梨・放光寺蔵

 

 

それから、五軀がそろう現存最古の五智如来像として知られる、

京都・安祥寺の国宝《五智如来坐像》も撮影可能となっています。

 

空海と真言の名宝、仏像展示

国宝《五智如来坐像》 平安時代 9世紀 京都・安祥寺蔵

 

 

こちらの《五智如来坐像》は現在、京都国立博物館に寄託されており、

同館でよく目にしていましたが、本展で初めてその後姿を拝むことができました。

 

空海と真言の名宝展 仏像群
国宝《五智如来坐像》 平安時代 9世紀 京都・安祥寺蔵

 

 

どっしりとした頼もしい背中×5。

正面から拝観するもイイですが、

後姿から拝観するのもオススメです。

 

 

 ┃会期:2026年7月14日(火)~9月6日(日) ※会期中一部展示替えあり

 ┃会場:東京国立博物館 平成館

 ┃https://tsumugu.yomiuri.co.jp/kukai2026/

 

 

 

 

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