アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-タイトル  明日行きたくなる美術展情報をあなたに

星星星(3ツ星)
NEWSTEPS AHEAD: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示  アーティゾン美術館(~5/9)
  ・筆魂 線の引力・色の魔力―又兵衛から北斎・国芳まで―  すみだ北斎美術館(~4/4)
  ・没後70年 吉田博展  東京都美術館(~3/28)
  ・ホキ美術館ベストコレクション展  ホキ美術館(~5/16)
  
星星(2ツ星)
NEWヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展  あべのハルカス美術館(~3/28)
  ・川合玉堂 ―山﨑種二が愛した日本画の巨匠―  山種美術館(~4/4)
  ・ミティラー美術館コレクション展  たばこと塩の博物館(~5/16)
  ・小村雪岱スタイル―江戸の粋から東京モダンへ  三井記念美術館(~4/18)
  ・佐藤可士和展  国立新美術館(~5/10)
  ・写真家ドアノー/音楽/パリ  Bunkamura ザ・ミュージアム(~3/31)
  ・没後30年記念 笠松紫浪―最後の新版画  太田記念美術館(~3/28)
  ・20世紀のポスター[図像と文字の風景]  東京都庭園美術館(~4/11)
  ・フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる  神奈川県立近代美術館 葉山(~4/11)
もうすぐ…阪本トクロウ|デイリーライブス  武蔵野市立吉祥寺美術館(~2/28)
  ・横浜の仏像―しられざるみほとけたち―  横浜市歴史博物館(~3/21)
  ・沈潜と蒸留 浜口陽三 濱田祐史 二人展  ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション(~4/4)
  ・香りの器 高砂コレクション 展  パナソニック汐留美術館(~3/21)
  ・アーノルド・ローベル展  PLAY! MUSUEM(~3/28)
もうすぐ…田中一村展―千葉市美術館収蔵全作品  千葉市美術館(~2/28)
もうすぐ…美を結ぶ。美をひらく。 美の交流が生んだ6つの物語  サントリー美術館(~2/28)
  ・-Inside the Collector’s Vault, vol.1-  WHAT(~5/30)
  ・トライアローグ  横浜美術館(~2/28)
  ・古代エジプト展 天地創造の神話  江戸東京博物館(~4/4)
  ・Connections―海を越える憧れ、日本とフランスの150年  ポーラ美術館(~4/4)
  ・ピカソ:コート・ダジュールの生活  ヨックモックミュージアム(~9/26)
  ・没後220年 画遊人・若冲  岡田美術館(~3/28)
もうすぐ…ミヒャエル・ボレマンス マーク・マンダース|ダブル・サイレンス  金沢21世紀美術館(~2/28)
  ・ドラマチック・ラリック  箱根ラリック美術館(~3/21)
  ・エリック・カール 遊ぶための本  PLAY! MUSEUM(~3/28)

星(1ツ星)
NEW髙林和作-サバクに立つ画家の眼差し-  さかい利晶の杜(~3/21)
NEWFragments of a landscape  エスパス ルイ・ヴィトン大阪(~7/4)
  ・DOMANI・明日展2021  国立新美術館(~3/7)
  ・メタセコイア-生きている化石は語る  国立科学博物館(~4/4)
  ・匠の世界 -木工芸家・中䑓瑞真と彫金家・服部雅永-  港区立郷土歴史館(~4/4)
  ・複製芸術家 小村雪岱 ~装幀と挿絵に見る二つの精華~  日比谷図書文化館(~3/23)
  ・輝板膜タペータム:落合多武展  銀座メゾンエルメス フォーラム(~4/11)
  ・アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ、潮田 登久子、他、そして…  資生堂ギャラリー(~4/18)
  ・千葉正也個展  東京オペラシティ アートギャラリー(~3/21)
もうすぐ…ブラチスラバ世界絵本原画展  千葉市美術館(~2/28)
  ・鈴木藏の志野 造化にしたがひて、四時を友とす  菊池寛実記念 智美術館(~3/21)
もうすぐ…三鷹市美術ギャラリー収蔵作品展Ⅰ 靉嘔  三鷹市美術ギャラリー(~2/28)
  ・謳う建築  WHAT(~5/30)
もうすぐ…眠り展:アートと生きること  東京国立近代美術館(~2/23)
  ・ようこそ!お菓子の国へ ―日本とフランス 甘い物語―  虎屋 赤坂ギャラリー(~4/11)
  ・トランスレーションズ展 -『わかりあえなさ』をわかりあおう  21_21 DESIGN SIGHT(~3/8)

現在、原宿のGYRE GALLERYで開催されているのは、

“2021年宇宙の旅 モノリス _ウイルスとしての記憶、そしてニュー・ダーク・エイジの彼方へ という展覧会。

そのタイトルからピンと来た方もいらっしゃるでしょうが、

スタンリー・キューブリック監督によるSF映画の金字塔・・・・・

 

 

 

『2001年宇宙の旅』 をテーマにした展覧会です。

それゆえ、会場の入り口には、

モノリスらしきオブジェが設置されていました。

 

 

 

ここ最近、アメリカでモノリスらしきオブジェが、

たびたび出現したことで、話題となっていましたが。

GYRE GALLERYに出現したモノリスらしきオブジェは、展覧会公認のもの。

展覧会キュレーターの解説にはこうありました。

 

 「モノリス」は強力な磁場を発生させている。

 形状は四角柱で各辺の比は1:4:9という最初の3つの自然数の二乗となっている。 

 そして、およそ300万年前に埋められたと地質学的に設定されている。

 科学者によって 「ティコ磁気異常1号(TMA・1)」 と、

 呼び名がついたモノリスはその名の通り、

 「巨大なニッケル=鉄鉱石」よりも強力な磁場を発生させている。 

 これはモノリス内部が超伝導体で出来ていて、

 強力な円電流が流れているという仮説でしかその現象を説明できない。

 これだけでも明らかにモノリスは何かしらの ”装置” なのだ。 

 それはつまり、「モノリス」 は人類の膨大な記憶を蓄えたアーカイヴと解することもできる。

 しかし、それは、コンピュータウィルス化して全ての記憶を消去することも可能となる。

 そして、モノリスがモノリス自体を消去するとしたら・・・

 いや、もうすでに消去されているかもしれない。

 

 

・・・・・スタンリー・キューブリック映画並みの難解さ。

5周ほど読んでみましたが、

まったく内容が頭に入ってこなかったです。

インプットしたものが、すぐに消去されているのかもしれません。

 

 

さてさて。

展覧会は、「時空の歪み」「月面とポストトゥルース」、

そして、「隠喩としてのスターチャイルド」 の3つのテーマで構成されています。

『2001年宇宙の旅』 をテーマにした展覧会だけに、

会場内は、どことなく宇宙を想起させる雰囲気となっていました。

 

 

 

出展作家は、全部で9名。

アニッシュ・カプーアや森万里子さんといったベテランから、

ネリ・オックスマンやジェームズ・ブライドルといった若手まで。

多彩な顔触れが楽しめる展覧会です。

星

 

意外なところでは、2014年にお亡くなりになった赤瀬川原平も。

赤瀬川原平といえば、街中にある無用の長物を、

『トマソン』 と命名し、路上を観察して歩き回っていた人物。

もしくは、千円札を印刷するという作品を制作したことで、

偽札を作った罪で裁判に掛けられ、その裁判すらも美術にしてしまった人物。

「宇宙の要素なんて、どこにもないのでは??」 と不思議だったのですが。

今回の展覧会では、初期の作品 《宇宙の罐詰》 が展示されていました。

 

 

 

こちらは、蟹缶の中身を食べ、綺麗に洗い、

外側のシールを剥がし、内側に貼りつけ直したもの。

この作品はわかりやすいように蓋が空いていますが、

ハンダで蓋を完全に密封した作品も存在しています。

で、それが何だというのか?

赤瀬川はこう語っています。

「ハンダで密封した瞬間!この宇宙は蟹罐になってしまう。

 この私たちのいる宇宙が全部その蟹罐の内側になるのです」

・・・・・・・・信じるか信じないかはあなた次第です(笑)

 

 

出展作品の中で他に印象的だったのが、

アニッシュ・カプーアの 《Syphon Mirror - Kuro》 という作品。

 

 

 

なんでも宇宙空洞 (=ヴォイド) やブラックホールをイメージしているのだそう。

確かに、じーっと見ていると、

吸い込まれてしまいそうな感覚がありました。

いや、実際、半分くらいは吸い込まれていたかも。

アニッシュ・カプーアはインド出身ロンドン在住のアーティストですが、

この作品に関しては、その色合いや光沢は、漆を連想させるものがありました。

なるほど。だから、タイトルには、「Black」 ではなく、

日本語の 「Kuro」 が使われているのかもしれません。

 

それともう一つ印象に残ったのが、

ネリ・オックスマンの 《流離う者たち》 という作品。

 

 

 

もし、人類が地球以外の惑星へ旅行、または移住できるには、

宇宙の過酷な環境に耐えられることが重要不可欠になってきます。

無重力や有害な大気、極限的な温度など、

人類が克服しないといけない課題は山積みです。
この 《流離う者たち》 という作品で提示されているのは、

人類が惑星で生活するための、3D印刷で設計された衣服型の人工臓器なのだそう。

宇宙服ではなく、衣服型の人工臓器。

こんなグロいのを身に付けないといけないだなんて。

惑星生活には夢も希望もなさそうです。

 

 

ちなみに。

展覧会のラストで目に飛び込んできたのは、

冒頭に出逢ったモノリスらしきオブジェの裏側でした。

 

 

 

圧倒的ハリボテ感。

一体何を暗喩しているのか??

『2001年宇宙の旅』 のラストくらいに、謎が謎を呼ぶ結末でした。





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