アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-タイトル  明日行きたくなる美術展情報をあなたに

星星星(3ツ星)
NEWカラーズ―色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ  ポーラ美術館(~5/18)
  ・そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠  東京都庭園美術館(~2/16)
  ・田村友一郎 ATM  水戸芸術館現代美術ギャラリー(~1/26)
もうすぐ…若冲激レア展  福田美術館(~1/19)
  ・モネ 睡蓮のとき  国立西洋美術館(~2/11)
  
星星(2ツ星)
NEW植物たちの声を聴く-岩谷雪子の世界-  練馬区立牧野記念庭園(~1/22)
NEW眠れよい子よ よい子の眠る/ところ  神奈川県民ホールギャラリー(~1/25)
NEW【特別展】HAPPYな日本美術  山種美術館(~2/24)
  ・川端龍子+高橋龍太郎コレクション「ファンタジーの力」  大田区立龍子記念館(~3/12)
  ・東急 暮らしと街の文化――100年の時を拓く  世田谷美術館(~2/2)
  ・ピカソ・セラミックー「見立て」の芸術  ヨックモックミュージアム(~12/28)
  ・須田悦弘  渋谷区立松濤美術館(~2/2)
  ・『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル  三菱一号館美術館(~1/26)
  ・Hello Kitty展  東京国立博物館表慶館(~2/24)
  ・儒教のかたち こころの鑑  サントリー美術館(~1/26)
  ・貝類展:人はなぜ貝に魅せられるのか  国立科学博物館(~3/2)
  ・鳥 ~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統~  国立科学博物館(~2/24)
もうすぐ…浅井忠、あちこちに行く  千葉県立美術館(~1/19)
  ・T2 Collection「Collecting? Connecting?」展  WHAT MUSEUM(~3/16)
  ・ひとを描く  アーティゾン美術館(~2/9)
  ・ピュシスについて  アーティゾン美術館(~2/9)
もうすぐ…HaikuとHaiga―芭蕉と蕪村、二人のカリスマ―  嵯峨嵐山文華館(~1/19)
もうすぐ…ルイーズ・ブルジョワ展  森美術館(~1/19)
  ・西川勝人 静寂の響き  DIC川村記念美術館(~1/26)

星(1ツ星)
  ・博物館に初もうで―ヘビ~なパワ~を巳たいの蛇!―  東京国立博物館(~1/26)
  ・東京メトロ 20年のあゆみ展  地下鉄博物館(~3/9)
  ・竹久夢二と読売新聞  竹久夢二美術館(~1/26)
  ・画業40周年記念 上條淳士展 LIVE  弥生市美術館(~1/26)
  ・中国陶磁展 うわぐすりの1500年  松岡美術館(~2/9)
  ・私は死を乗り越えて生きてゆきたい  草間彌生美術館(~3/9)
  ・しないでおく、こと。― 芸術と生のアナキズム  豊田市美術館(~2/16)
もうすぐ…現在地のまなざし 日本の新進作家 vol.21  東京都写真美術館(~1/19)
もうすぐ…アレック・ソス 部屋についての部屋  東京都写真美術館(~1/19)
  ・ゴミうんち展  21_21 DESIGN SIGHT(~2/16)

記念すべき20回目となるM-1グランプリが行われた今年2024年。

東京都現代美術館で定期的に行われているグループ展、

“MOTアニュアル”も今年、同じく20回目を迎える運びとなりました。

今回のタイトルは、“MOTアニュアル2024 こうふくのしま”です。

 

 

 

本展のラストには、東京都庭園美術館のコレクションのうちの一つで、

20世紀前半にアメリカで活躍した国吉康雄の《幸福の島》が展示されてはいましたが。

 

 

 

本展の参加作家の出展作品とは、特に関係は無さそうでした。

おそらく参加作家はおのおのが考える「こうふくのしま」をテーマにしているのでしょう。

星

 

 

さて、そんな今回の参加作家は全部で4名です。

まず紹介されていたのは、写真と小説の二刀流、清水裕貴さん。

 

 

 

清水さんは、土地の歴史や伝承といったものをリサーチし、

写真とテキストを組み合わせ、架空の世界を作り上げるアーティスト。

本展の出展作《星の回廊》のために、中国の大連や千葉の稲毛を取材したそうで。

会場ではそれらの写真とともに、架空の貝の一族の物語が朗読されています。

架空の話だとは頭ではわかっているのですが、

実景を映した写真が飾られていることで、妙なリアリティがあり。

どこまでがフィクションなのか?

架空と現実が入り混じってしまいました。

ついでに、下のフロアで開催中の展覧会、

“坂本龍一 | 音を視る 時を聴く”のサウンドも入り混じっていました。

 

 

 

続いて紹介されていたのは、主にフレスコ画で制作を続ける川田知志さん。

本展では、新作となるフレスコ画を発表しています。

 

 

 

この空間の壁一面が新作。

もちろんこの場での描き下ろし。

床にはその痕跡が残っていました。

 

 

 

なお、もう十分完成しているように思えましたが、

1月下旬まで壁画の制作は続けていく予定とのこと。

運が良ければ、制作中の川田さんを見られるかもしれません。

 

 

 

ちなみに。

巨大な壁画ということで、なんとなく勝手に、

メキシコの風景をモチーフにしているのかと思ったのですが。

日本の郊外の風景を描いているのだとか。

なるほど。そう言われてみれば、青い線のようなものは送電塔でしょうか。

 

 

3人目は一旦、飛ばしまして。

本展のラストを飾るのは、庄司朝美さん。

現代絵画の公募展「FACE展」2019年のグランプリに輝いた注目の画家です。

本展では初公開となる大型作品を中心に、新作・近作が展示されています。

 

 

 

ちょっと・・・いや、だいぶ不気味で、

でも、なんか不思議な温かみも感じられる。

そんな独特の味わいのある絵画です。

なお、会場内の椅子に、なぜか双眼鏡が置かれていました。

ということは、きっと双眼鏡でないと観れない作品があるということ。

 

 

 

どこにあるかはネタバレしませんが、

これから訪れる方は、どうぞお見逃し無きように。

 

 

さて、本展の出展作家のうち個人的にイチオシなのが、臼井良平さん。

展示空間には、日常的に目にするどこにでもあるものが建ち並んでいます。

 

 

 

それらに近づいてよくよく見てみると、そのほとんどに、

これまたどこにでもあるようなペットボトルが置かれていました。

 

 

 

ラベルこそありませんでしたが、

蓋の色からして、市販の水のペットボトルのようです。

 

 

 

・・・・・・と思いきや!!!

 

なんとこれらすべて、ガラスで作られているのだそうです。

その衝撃の事実を突きつけられて、思わず二度見三度見、いやガン見。

 

 

 

ただ、よっぽどマジマジと観ない限り、

これがガラスだとは到底思えませんでした。

見れば見るほど、感覚がバグりました。

 

なお、臼井さんの手にかかれば、

ビニール袋に入った水もこの通り完璧に再現。

 

 

 

どうやったら、ガラスでペットボトルとビニール袋の違いを表現できるのか??

考えたとて、僕に答えが出せるわけはありませんが、

実際にガラスで作ってみようというわけではないですが、

臼井さんの作品を前にして、うんうんと考え込んでしまいました。

多少、知恵熱が出たような。

反射的にこれで頭を冷やそうかと思いました。

 

 

 

 

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