アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-タイトル  明日行きたくなる美術展情報をあなたに

星星星(3ツ星)
  ・ハマスホイとデンマーク絵画  東京都美術館(~3/26)
  ・見えてくる光景 コレクションの現在地  アーティゾン美術館(~3/31)
  ・日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和  東京国立博物館(~3/8)
  ・ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年  国立新美術館(~3/16)

星星(2ツ星)
NEWクラシックホテル展―開かれ進化する伝統とその先―  建築倉庫ミュージアム(~5/31)
NEW奇蹟の芸術都市バルセロナ  東京ステーションギャラリー(~4/5)
  ・北斎師弟対決!  すみだ北斎美術館(~4/5)
  ・森田恒友展 自然と共に生きて行かう  埼玉県立近代美術館(~3/22)
  ・ルネ・ラリック アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美  東京都庭園美術館(~4/7)
  ・モダンデザインが結ぶ暮らしの夢展  パナソニック汐留美術館(~3/22)
  ・ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター  Bunkamura ザ・ミュージアム(~3/8)
  ・上村松園と美人画の世界  山種美術館(~3/1)
  ・もうひとつの歌川派?! 国芳・芳年・年英・英朋・朋世  弥生美術館(~3/29)
  ・所蔵作品展 パッション20 今みておきたい工芸の想い  東京国立近代美術館工芸館(~3/8)
  ・シュルレアリスムと絵画  ポーラ美術館(~4/5)
  ・DOKI土器!土偶に青銅器展 ―はにわもいっしょに古代のパレード―  岡田美術館(~3/29)
  ・未来と芸術展  森美術館(~3/29)

星(1ツ星) 
NEW村井正誠 あそびのアトリエ  世田谷美術館(~4/5)
NEW西野達 個展 やめられない習慣の本当の理由とその対処法  ANOMALY(~2/22)
もうすぐ…ものいう仕口-白山麓で集めた民家のかけら-  LIXILギャラリー(~2/22)
  ・日本オリンピックミュージアム
  ・大清帝国展  東洋文庫ミュージアム(~5/17)
  ・しきのいろ 志村ふくみ・洋子×須田悦弘  THE GINZA SPACE(~3/22)
  ・記憶の珍味 諏訪綾子展  資生堂ギャラリー(~3/22)
  ・雛人形と犬筥・天児・這子  さいたま市岩槻人形博物館(~4/12)
  ・うんことくらし-便所から肥やしまで-  川崎市立日本民家園(~5/31)
  ・白髪一雄 展  東京オペラシティアートギャラリー(~3/22)
  ・天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展  明治神宮ミュージアム(~3/29)
  ・貝の建築学  東京大学総合研究博物館小石川分館(~3/15)
  ・第8回菊池ビエンナーレ 現代陶芸の<今>  菊池寛実記念 智美術館(~3/22)
  ・㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画  21_21 DESIGN SIGHT(~3/8)
  ・フィリップ・パレーノ展 オブジェが語りはじめると  ワタリウム美術館(~3/22)
もうすぐ…特別展 ミイラ ~「永遠の命」を求めて  国立科学博物館(~2/24)
  ・藤原隆洋 Somewhere  下山芸術の森 発電所美術館(~3/22)
現在、横浜美術館で開催されているのは、“澄川喜一 そりとむくり” という展覧会。
日本の抽象彫刻のパイオニアにして、'生きるレジェンド' 澄川喜一さんの大々的な回顧展です。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)


念のために伝えておきますと。
タイトルにある “そりとむくり” は、
『そりとむくり』 なる1つの単語ではありません。
『「反(そ)り」 と 「起(むく)り」 』 という2つの単語を合わせたもの。
どちらも、五重塔や日本刀、富士山の稜線など、
日本の伝統的な造形や自然に見られる美しさで、澄川さんが作品に取り入れている概念です。
「そり」 とは、下に向かってゆるやかに湾曲する線や面を指し、
「むくり」 とは、その反対で、上に向かってゆるやかに湾曲する線や面を指すのだとか。

なお、会場の入り口に飾ってあるのは、
山口県岩国市にある日本三名橋の一つ、錦帯橋の模型。
岩国市で青春時代を過ごしたという澄川さんは、
錦帯橋の構造美を見て、「そり」 と 「むくり」 の魅力に目覚めたのだそうです。

ちなみに。
もし、澄川喜一さんの名は聞いたことがないという人も、
彼が制作やデザイン監修した作品は、一度は必ず目にしているはず。
メインとなる作品は木彫ですが、野外彫刻も多く手がけている澄川さん。
現在、日本国内にある彼の野外彫刻や記念碑は、120点を超えているそうです。




意外なところでは、東京湾アクアライン川崎人工島 「風の塔」 や、
東京駅八重洲口の新たなランドマーク 「グランルーフ」 も澄川さんがデザイン監修したもの。




そして、最も有名なところでは・・・・・




東京スカイツリー®のデザインも監修しています。
まさに、日本一の大仕事です。


さてさて、今回の展覧会では、そんな澄川さんの貴重な初期の作品や、


《S君》 1959年 ブロンズ 33×22×27cm 作家蔵(島根県立石見美術館寄託) ©Sumikawa Kiichi 撮影:村井修


平櫛田中賞を受賞した代表作 《そりのあるかたち-1》 から、


《そりのあるかたち-1》 1978年 欅 135×260×45cm 東京都現代美術館蔵 ©Sumikawa Kiichi 撮影:村井修


近作・最新作まで、約100点もの作品や資料が出展されています。
作品は、ほぼ時系列に沿って紹介されていました。


《木の群れ》 1992年 チーク、槐、黒御影石 196×246×42cm 島根県立美術館蔵 ©Sumikawa Kiichi




制作を続ければ続けるほど、作品はより抽象的な形へ。
見た目の印象も、どんどんとシンプルなものになっていきます。

正直なところ、近年の 《そりのあるかたち》 シリーズは、
あまりにもシンプル過ぎて、軽く手を抜いているのかなと思いましたが (←コラッ!)



《そりのあるかたち》 2007年 208×205×46cm 作家蔵(島根県立石見美術館寄託) ©Sumikawa Kiichi


しばらく見ていたところ、あることに気づかされました。
シルエットを見ただけでは、
ただただシンプルな造形のようにしか感じられません。
しかし、その表面を見てみると・・・・・




惚れ惚れするほど、木目が美しいのです。
なるほど。近年の 《そりのあるかたち》 は、
木目の美しさを最大限に活かすための 「そりのあるかたち」 だったのですね。


《そりのあるかたちf》 2010年 欅 107×106×29cm 作家蔵 ©Sumikawa Kiichi


《そりのあるかたちN》 2008年 栗、樫、槐 44×79×12cm 作家蔵 ©Sumikawa Kiichi


ちなみに、最新作の 《そりのあるかたち》 がこちら↓



《そりのあるかたち》 2019年 欅、カランタス 210×64×50cm 作家蔵 ©Sumikawa Kiichi


やはり木目が美しい。
何かの波動のようにも見え、神々しさすら感じられました。


《そりのあるかたち》 の木目の美しさに開眼してからというもの・・・。
そこばかりに集中してしまいました。
木を見て彫刻を見ず。




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