アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

 明日行きたくなる美術展情報をあなたに

星星星(3ツ星)
  ・マリー・アントワネット・スタイル  横浜美術館(~11/23)
  ・フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展  大阪中之島美術館(~9/27)
  ・大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱  東京都美術館(~10/18)
  ・没後20年 ナムジュン・パイク|じゅげむ展  ワタリウム美術館(~11/23)
🔜・ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ  国立新美術館(~9/21) 
🔜・ロン・ミュエク  森美術館(~9/23)
  
星星(2ツ星)
NEW民藝SHOCK!!―没後60年 静嘉堂の河井寬次郎  静嘉堂文庫美術館(~11/8)
NEW特別展 没後100年記念 住友春翠  泉屋博古館東京(~10/12)
  ・多田美波―光、凛と ゆれる  東京都現代美術館(~12/6) 
  ・竹村京 うごくせかい  水戸芸術館現代美術ギャラリー(~10/12)
  ・追悼1年 上田薫のスーパーリアリズム  荏原 畠山美術館(~9/27)
  ・やきもの名品紀行 ―中国・日本・朝鮮半島―  根津美術館(~10/12)
  ・初!全点一挙公開 久保惣の西洋絵画  和泉市久保惣記念美術館(~10/4)
  ・この場所の風景―上野・大牟田・ブエノスアイレス  東京都美術館(~10/7)
  ・祈りと救いの美  大倉集古館(~9/27)
🔜・藝大式 美術の"ミカタ" ―この夏、藝大生になる―  東京藝術大学大学美術館(~9/23)
🔜・町田市立国際版画美術館所蔵 長谷川潔展  パナソニック汐留美術館(~9/23)
  ・誕生50周年記念 ノンタン ずっとともだち!!!  PLAY! MUSEUM(~9/27)
  ・トニー・アウスラー:技術と霊知のはざま  TOKYO NODE(~9/27)
🔜・版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト  国立西洋美術館(~9/23)
  ・宇宙の非対称性について  チームラボボーダレス(~10/8)
🔜・出光真子 おんなのさくひん  東京都写真美術館(~9/21)
  ・エットレ・ソットサス  アーティゾン美術館(~10/4)
🔜・“カフェ”に集う芸術家  三菱一号館美術館(~9/23)
🔜・「怖い」本  東洋文庫ミュージアム(~9/23)
  ・山室眞二の薯版画〈かまくら博物誌〉  神奈川県立近代美術館 鎌倉別館(~9/27)
  ・ピカソ・ミロ・バルセロのセラミック  ヨックモックミュージアム(~12/20)

星(1ツ星)
NEWきょうだいって、いいな  スヌーピーミュージアム(~2027/2/28)
NEWコーンミュニケーション展  生活工房(~10/4)
NEW方丈記に学ぶ –生きるを編み直す小さな建築–  21_21 DESIGN SIGHT(~2027/1/11)
  ・さっぱり こってり 江戸絵画  板橋区立美術館(~9/27)
  ・茶道具と銘をめぐる物語  荏原 畠山美術館(~9/27)
🔜・どうする、ニンゲン  国立科学博物館(~9/23)
  ・ジェフ・クーンズ「PAINTINGS AND BANALITY」  エスパス ルイ・ヴィトン大阪(~10/18)
  ・ICCアニュアル2026 遺す/残る/受けとめる  ICC(~11/8) 
  ・黒の躍動  岡本太郎記念館(~11/23)
🔜・ほぼ、空:青木淳+リチャード・タトル  東京オペラシティアートギャラリー(~9/23)
  ・若林奮-Run and Rest-|寺田真由美-不在の存在-  練馬区立美術館(~10/18)
  ・『My Birthday』展  弥生美術館(~9/27)
  ・風そよぐ情景 ヴィクトリア朝絵画・フランス印象派  松岡美術館(~10/12)
🔜・TOPコレクション 明日の食卓  東京都写真美術館(~9/21)
  ・瀧口修造 書くことと描くこと  アーティゾン美術館(~10/4)
🔜・ぐるぐる展 進化しつづける人類の物語  MoN Takanawa(~9/23)

銀座メゾンエルメス ル・フォーラムで現在開催されているのは、

“アン・ヴェロニカ・ヤンセン「東京、銀座5丁目4-1」”という展覧会。

ベルギー代表として、ヴェネツィア・ビエンナーレに参加した経験もある、

ベルギーの現代アーティスト、アン・ヴェロニカ・ヤンセン(1956~)の日本初個展です。

なお、なんとなく想像は付いているでしょうが、

タイトルの“銀座5丁目4-1”は、銀座メゾンエルメス ル・フォーラムの住所です。

 

アン・ヴェロニカ・ヤンセン展 開催概要

 

 

50年を超える長いキャリアの中で、ヤンセンは一貫して、

鑑賞者が空間や時間をどのように認識しているのかを問い続けてきました。

2009年には、科学者のナタリー・エルジーノと共同で、

空間や時間、脳の関係を探る「ブレイン・スペース・ラボラトリー」を設立しています。

・・・・・そう聞いてしまうと、小難しい作品を思い浮かべてしまうかもしれませんが。

彼女の作品は、むしろその逆で、いたってシンプルです。

 

アン・ヴェロニカ・ヤンセン展:鋼鉄の梁とブランコ

 

 

例えば、床置きされている《IPE 250》という作品。

何の変哲もない工業用の鋼製の梁が、ただ横たわっているだけ。

シンプルにもほどがある作品です。

しかし、よく見ると、その表面が研磨されており、

まるで鏡のように、周囲の景色を映し込んでいます。

たったそれだけのことで、単なる工業用品が、

美しく哲学性のあるオブジェに生まれ変わっていました。

 

なお、その奥の壁に立てかけられているのは、

《Magic Mirrors(Pink and Green)》という作品。

 

ガラスの作品、Magic Mirrors(Pink and Green)

 

 

色の付いたガラスを強化ガラスでサンドイッチし、圧力を加えます。

すると、強化ガラスはもちろん割れず、

挟まれた内側のガラスだけに亀裂が入るというわけです。

スマホの表面もそうですが、割れたガラスなんて、美しくもなんともないはずなのに。

この作品に関しては、プリズムのように美しかったです。

 

また、同じくらいに美しかったのが、《Untitled(blue glitter)》

 

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粒子の細かな青いラメを床に撒いただけの作品です。

ただそれだけなのに、角度によって、

ハッと驚くほど美しい姿を見せてくれます。

 

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ちなみに。

展示室の中央には、天井から吊るされた約7メートルのぶらんこもありました。

 
アン・ヴェロニカ・ヤンセン《Swings》作品

 

 

もちろんヤンセンによる作品。
その名もズバリ、 《Swings》です。
展覧会を観終わった後に知ったのですが、
こちらの作品は実際にぶらんことして乗ることもOKなのだそう。

座面に使われているのは、熱に反応する素材とのこと。

それゆえ、人が座った部分に反応して、色が変化するそうです。

気になる方は是非、座って確かめてみてくださいませ。

星星

 

 

他にも、鋳造ガラスによる彫刻作品や、

 

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ガラスの内部に液体を封入した作品など、

 

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(↑液体の表面は着色されており、見る角度によって表情を変える)

 

 

シンプルながら美しく哲学的な作品がありましたが、

個人的にもっとも感銘を受けたのは、《Rose》という作品です。

人口霧でうっすらと満たされた空間の奥に浮かんでいたのは・・・・・

 

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赤く光る星。

その正体は、7基のスポットライトです。

それぞれの光は、空間の中央に向かって照射されています。

なので、一定の位置からは星のように見えますが。

 

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横から見ると、この通り。

 

アン・ヴェロニカ・ヤンセン《Rose》作品
 
 
星の面影はどこにもありません。
ただ7基のスポットライトが壁に設置されているだけです。
 

なお、《Rose》と同じ空間内にある《Calcium Carbonate》は、本展のための新作。

一見するとどこにあるかわかりませんが、

炭酸カルシウムで覆われたガラス面が、《Calcium Carbonate》とのことです。

 

アン・ヴェロニカ・ヤンセン作品:ガラスのテクスチャ

 

 

ガラス面全てを塗ったのも大変でしょうが、

展覧会が終わって元に戻すのもさぞかし大変なことでしょう。

作品こそシンプルですが、作業は決してシンプルではありません。

 

 

 

 

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