2018年に、栃木県那須塩原市にオープンしたN's YARDに行ってきました。
N's YARDの『N』は、現代美術家・奈良美智さんの『N』。
「作品をより身近に見れる場所を設けたい」という思いで、
奈良さんがご自身で創設した私設の現代アートスペースです。
まず入り口を抜けると、奈良さんの『N』と、
奈良さんが長年蒐集してきたオブジェの数々がお出迎え。
そして、その先には、やはり長年かけて蒐集した、
レコードジャケットの数々の一部も紹介されています。
私設の現代アートスペースということで、
そこまで大きくない施設だろうと思い込んでいたのですが、
さすがは国際的に活躍する奈良さんだけあって、決してこじんまりとしておらず。
展示室は全部で5室もあり、想像以上に広々としていました。
アートスペースと名乗ってはいるものの、
スケール感としては、ミュージアムレベルです。
さて、もちろん、それぞれの展示室には、
奈良さんの作品が平面作品が所狭しと飾られていました。
奈良さんの代名詞ともいうべき、少女像がいっぱい。
これでもかというくらいに、奈良美智ワールドに溢れていました。
さらに、N's YARDでは平面作品だけでなく、
奈良さんの立体作品も数多く紹介されています。
立体になっても、その独特な可愛さは健在。
どの角度から見てもカワイイので、
ついつい立体作品の周りをグルグルしてしまいました。
また、展示されているのは、奈良さんの作品だけかと思いきや。
アメリカの女性写真家ダイアン・アーバスの写真群や、
現代美術家・名和晃平さんの「PixCell」シリーズなど、
奈良さんがコレクションしているアート作品も展示されていました。
私物あり、自身の作品あり、美術コレクションあり。
プライベートの一部までもが垣間見える、
まさに、奈良美智のすべてをさらけ出したような施設でした。
奈良美智ファンであれば、必訪。
そこまでファンでなくても、現代アート好きであれば、一度は訪れておきたい施設です。
ちなみに。
N's YARDを訪れたら、是非立ち寄りたいのが、
窓から大きなコナラの木が見える「コナラカフェ」です。
カフェイチオシのメニューは、もち粉ミニどらやきセットとのこと。
せっかくなので、そちらをオーダーしてみました。
どら焼きの表面には、奈良さんの絵がプリント。
しかも、抹茶のお茶碗は、
棚に並べられた奈良さんの茶碗から、
好きなものを1つ選べる仕様となっていました。
奈良美智ファンであれば、必食のメニューです。
なお、N's YARDというくらいなので、
館内だけでなく、YARD(=庭)も見どころの一つ。
青々とした芝生と樹木のある光景は、
どことなく、北欧のような印象を受けました。
なんとなくですが、キシリトールガムのCMっぽい印象を受けました(←?)。
また、庭の一角には、5mのブロンズ彫刻、
《Miss Forest / Thinker》も設置されています。
麻布台ヒルズにも似たような作品が設置されていますが、
個人的には、こちらの空間で観たほうがしっくりくるものがありました。
自然環境と調和していた、といいましょうか。
最後に。
今回展示されていた奈良美智作品の中で、
目にした瞬間、妙に心にささったものをご紹介。
悲しいかな、そう問われて、
即座に否定できない自分がいました。
奈良美智作品とともに、自分の心とも向き合える場所。
それが、N's YARDです。