昨年の今頃、資生堂ギャラリーでは、
資生堂のクリエイティブワークを紹介する展覧会として、
1970年代の資生堂雑誌広告にスポットを当てたものが開催されました。
現在開催されているのは、その第2弾ともいえる展覧会。
本展でスポットが当てられているのは、
資生堂がこれまでに世に送り出してきたパッケージデザインの数々。
明治の初期に作られた貴重な商品から、
2005年より今なお発売されているマキアージュまで、
歴代の商品パッケージ200点以上が一堂に会しています。
ちなみに。
個性的でありながら、展示品の邪魔は決してしない、
このユニークな展示台は、気鋭の建築コレクティブ「GROUP」によるデザイン。
クリエイティブが光る展示台です。
資生堂が生み出すデザインは、
いつだって洗練されているのか。
はたまた、一周回って新鮮に感じられるのか。
例え、何十年前のものでも、
決して、古臭い印象を受けませんでした。
パッケージデザインに対して、
一貫して、ある種の哲学や美意識が観て取れます。
そのように資生堂らしさを感じる、
時代を超えたパッケージデザインが大多数を占めていましたが。
中には、資生堂らしからぬデザインも。
時代の流れに乗った、と言いましょうか。
路線変更を狙ってみた、と言いましょうか。
展覧会を通じて、これまでと違う資生堂の一面が見られました。
紹介されていたパッケージデザインの中で、
とりわけ印象に残っているのは、リップアミュレット。
ティーン向けのリップクリームで、
指人形がモチーフとなっているのだそう。
資生堂というよりも、ソニプラ感が強いです。
それから、シティポップ全盛の1980年代、
“音楽を楽しむように香りを楽しむ”をコンセプトに、
発売されたというコロン「サウンドストリート」も印象的でした。
なお、使用後はこのパッケージに、
実際にカセットテープを2本収容することができたとか。
時代を感じずにはいられないデザインです。
時代を感じるといえば、1990年に発売されたこちらの商品も。
その名もずばり、トレンディ。
観れば観るほど、トレンディという概念がゲシュタルト崩壊してきました。
ちなみに。
個人的にもっとも印象深かったのは、
1989年から90年にかけて販売されたというこちらのサンケア商品。
左から、タコイル、イカスクリーン、マンボウシャンプーです。
目に飛び込んできた瞬間、強烈に懐かしさを覚えました。
確か、ウッチャンナンチャンがCMをやっていましたっけ。
デザインは可愛らしいと思いますが、
どう考えたって、ヒット商品にはなりようがないでしょ。
これが売れると思っていた1989年から90年。
完全なるバブル脳です。