夫殺害の映画はかなりあると思うが、私が見たものは次の通り。他人と共謀するものも含んでいる。また殺す場面が描写されていないものも含んでいる。
- (1940)長距離トラック運転手:夜までドライブ/They Drive by Night
- (1944)深夜の告白/Double Indemnity
- (1945)殺人への謝罪/Apology for Murder
- (1946)新妻は連続殺人犯?/Bedelia
- (1947)アイヴィー、三股浮気女の殺人計画/Ivy
- (1947)パラダイン夫人の恋/The Paradine Case
- (1949)地獄の銃火/Hell Fire
- (1949)遅すぎた涙/Too Late for Tears
- (1950)刑事=犯人が自分の事件を捜査/The Man Who Cheated Himself
- (1950)秘境/LUST FOR GOLD
- (1953)殺人の青写真/Blue Print For Murder
- (1953)吹き荒ぶ風/Blowing Wild
- (1954)湖の殺意/Heat Wave/The House Across the Lake
- (1955)恐怖の影/Shadow Of Fear/Before I Wake
- (1956)俺を殺せ/Please Murder Me
- (1956)A Life at Stake
- (1956)疑惑の拳銃/The Come On
- (1958)死刑台のエレヴェーター/Elevator to the Gallows
- (1960)ヒル女の恐怖/The Leech Woman
- (1962)怪しい美人家主/The Notorious Landlady
- (1963)女王セミラミス/I Am Semiramis/Slave Queen of Babylon
- (1964)誰が私を殺したか?/Dead Ringer
- (1981)白いドレスの女/Body Heat
- (1981)郵便配達は二度ベルを鳴らす/The Postman Always Rings Twice
- (1987)黒い未亡人:次々と死亡する富豪/Black Widow
- (1991)愛がこわれるとき/Sleeping with the Enemy
- (1991)愛を殺さないで/夫殺しの真実/Mortal Thoughts
- (1992)愛という名の疑惑/Final Analysis
- (1995)誘う女/To Die For
- (1995)黙秘/Dolores Claiborne
- (1996)死体の行方:女教師二人は校長を殺した/Diabolique
- (1998)沈黙のジェラシー/Hush
- (1999)グッバイ・ラバー/Goodbye Lover
- (1999)ダブル・ジョパディー:夫殺しの冤罪/Double Jeopardy
- (2002)イナフ/Enough
- (2013)サイドエフェクト:副作用/Side Effects
バーバラ・スタンウィック出演が二作。「深夜の告白」「吹きすさぶ嵐」。アンジェラ・ランズベリー出演作が二作。「俺を殺せ」「A Life at Stake」。ジェシカ・ラングも二作。「郵便配達は二度ベルを鳴らす」「沈黙のジェラシー」。
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」は四度映画化されている。取り上げたのは最後のもの。
妻が悪人でないものは「愛がこわれるとき」「ダブル・ジョパディー」「怪しい美人家主」「イナフ」「黙秘」。
「怪しい美人家主」はコメディで夫を殺すのはキム・ノヴァクだったりする。
「愛を殺さないで」は二組の夫婦が登場。夫が二人とも殺される。
■ (1940)長距離トラック運転手:夜までドライブ/They Drive by Night
ジョージ・ラフト、ハンフリー・ボガート、アイダ・ルピノ、アン・シェリダン。
ジョー(ジョージ・ラフト)とポール(ハンフリー・ボガート)の兄弟は長距離のトラック運転手。ポールの妻はもっと危険がない仕事にと訴えている。ジョーはキャシー(アン・シェリダン)と言う女性と付き合い始めた。
ポールが事故で右腕をなくし、二人は元の運転手仲間で運送会社を経営しているエドに雇われた。
だがエドの妻ラナ(アイダ・ルピノ)はジョーが好きで露骨に言い寄ってくる。エドが酔っぱらって、ラナが運転して帰ってきた夜、ラナはエドを殺害した。
だがジョーがキャシーと結婚するつもりであると知って、ラナは「ジョーが夫を殺した」と警察に訴えた。
■ (1944)深夜の告白/Double Indemnity
出演はバーバラ・スタンウィック、フレッド・マクマレイ。
保険外交員のウォルター・ネフ(フレッド)は自動車保険の更新で訪問したが、妻のフィリス・ディートリクスン(バーバラ)から障害保険の話を提示された。支払いは自分がするという。
フィリスの悪意は明確で、その場で断った。しかし再度フィリスと会い惹かれた。歯車が回り始めた。もう止められない。
二人が建てた計画は次の通り。
夫が列車でパロアルトの同窓会に行く機会を利用して、予め夫を殺害し、ウォルターが変装して列車に乗る。
フィリスは夫の死体を車に乗せて列車を追いかける。適当なところでウォルターは「列車から飛び降りた」と偽装する。
その場所に夫の死体を置く。
実行まではうまく行くがウォルターの同僚の調査員が執念深く調査する。また列車の中で話した時の目撃者が現れる。
最後はフィリスがウォルターに拳銃を向けるが撃てない。ウォルターが拳銃を奪ってフィリスを撃つ。その後ウォルターはすべてを暴露する。
■ (1945)殺人への謝罪/Apology for Murder
出演はラッセル・ヒックス、アン・サヴェージ、ヒュー・ボーモント、チャールズ・D・ブラウン、ノーマン・ウィリス。
記者のケニー・ブレイク(ヒュー)は取材でハーヴェイ・カークランド(ラッセル)宅を訪れた。取材を終えて部屋を出るとケニーの妻のトニー(アン)に声をかけられた。
新聞社に戻り仕事を終えて社のビルを出ると、トニーが車で待っていた。ドライヴした。早くも湖のそばでキスをした。
トニーの悪意は明らかであった。ケニーは断ったが、また会ってみるとトニーに惹かれた。
ケニーのスイッチが入り、もう後戻りはできなくなった。
二人で山の方へ行く。トニーが民家で電話をかけて、車の故障を偽装してハーヴェイを呼び出した。
ハーヴェイを殺し車の事故を偽装した。
しかし「イグニッションスイッチが入っていなかった」というつまらない理由で偽装はばれた。そして二人とは無関係の人物が逮捕された。
さらにこの容疑者も無実が証明された。ここでケニーは弱気になった。
トニーはケニーに「私たちはもう一緒なのよ」と催促したが、ケニーは拒否。
ここにいたってトニーは新たに知り合ったアレン・ウェブ(ノーマン)と言う弁護士と結びつき、ケニーを殺害しようとする。
一方、ケニーの上司ウォード・マッキー(チャールズ)が、本事件に疑問を持って動き出した。
■ (1946)新妻は連続殺人犯?/Bedelia
マーガレット・ロックウッド、イアン・ハンター
チャーリー・キャリントンはベデリアという女性と結婚した。モンテカルロに新婚旅行に来た。
当地でベン・チェイニーという画家と知り合った。疑問があってベンはベデリアの素性を調べた。
ベデリアは複数回の結婚歴があって夫が不審死していた。
■ (1947)アイヴィー、三股浮気女の殺人計画/Ivy
出演はジョーン・フォンテイン、リチャード・ネイ、パトリック・ノウルズ、ハーバート・マーシャル。
アイヴィー(ジョーン)と夫のジャーヴィス(リチャード)の家計はひっ迫していた。それは主にアイヴィーの浪費癖が原因。しかしアイヴィーは反省する気はさらさらない。
さてアイヴィーはロジャー・グレトレックス(パトリック)と浮気をしている。さらに最近マイルズ・ラッシュワース(ハーバート)とう魅力的な男性と知り合った。
ここでアイヴィーは一石三鳥の野心的な計画を立てる。ジャーヴィスを殺して、その犯人をロジャーに見せかける。そしてマイルズと結婚する。
ロジャーは医師。彼の診療所には毒物がある。それをこっそり盗んでジャーヴィスに飲ませる。いかにもロジャーが飲ませたように細工をする。
ロジャーは逮捕されて裁判となった。そして死刑判決。ここまではパーフェクト。
しかしロジャーの母親と捜査を担当したオーピントン警部が疑問を持つ。
二人はロジャーのメイドがアイヴィーが来た時に診療所から何かを持ち出したことを目撃したことを掴んだ。
最後、アイヴィーは空のエレヴェーター空間の中に転落して死亡した。
■ (1947)パラダイン夫人の恋/The Paradine Case
グレゴリー・ペック、アン・トッド、アリダ・ヴァリ、ルイ・ジュールダン
戦争で負った傷で盲目となったバラダイン大佐と妻のマッデリーナ(アリダ・ヴァリ)、使用人のアンドレ(ルイ・ジュールダン)などが屋敷に暮らしていた。
大佐が死亡した。原因は毒物。マッデリーナが起訴された。アンソニー・キーン(グレゴリー・ペック)が弁護をすることになった。
だがキーンは不覚にもマッデリーナに惹かれてしまった。被告人不利の状況でキーンは何とかマッデリーナを弁護しようとする。
だが法廷に突然、アンドレ自殺の知らせが入り、マッデリーナは「アンドレが好きだったのに」と叫んで、夫を殺害したことを白状した。
■ (1949)地獄の銃火/Hell Fire
出演はマリー・ウィンザー、ウィリアム・エリオット、フォレスト・タッカー。
冒頭の部分。酒場から銃声が聞こえてきた。男がよろめきながらでてくる。続いて男が出て来て、さらに拳銃を撃って止めを刺す。
その後、男は帽子を取る。長い髪。実は女。ドール・ブラウン(マリー)、本名はメアリー・カーソン。殺されたのは、実はメアリーの夫。
ここの夫殺しの部分は全体ストーリーとは無関係。ドールのキャラクタを表現するためのもの。ドールは列車強盗犯で5000ドルの賞金がかかっている。
賭博師のゼブ・スミス(ウィリアム・エリオット)は、インチキをして拳銃で撃たれた。しかしその場にいた牧師が横っ飛びに動いて牧師が撃たれて死亡。牧師は「教会を作れなかったのが残念。教会を作ってくれ」との遺言。
ゼブは心を入れ替えて教会を作るための金を集める。もう賭博はしないので、金を集める見込みはない。
ゼブはドールと会って、ドールに「懸賞金を教会建設に」と言うが、当然ドールは拒否。二人は旅をしていく。
ドールは行方不明の妹を探すために旅をしている。また連邦保安官のバッキー・マクリーン(フォレスト)がドールを追っている。ただしドールの顔は知らない。またゼブとバッキーは親友である。
そしてドールの妹は実はバッキーの妻である。これは誰も知らない。
二人は山の中の小屋でバッキーに会う。ゼブはドールのことを庇う。またドールに仲間を殺された悪徳三人組もドールを狙って追いかけている。
だいたいこんなストーリーである。
■ (1949)遅すぎた涙/Too Late for Tears
出演はアーサー・ケネディ、リザベス・スコット、ダン・デュリエ、ドン・ディフォア。リザベス・スコットはむしろ歌手として有名。
アラン(アーサー・ケネディ)/ジェーン(リザベス・スコット)・パーマー夫妻がオープンカーを止めていたところ、反対車線から来た車からバッグが投げ込まれた。中には多額の現金。
二人はそれを貰うことにしてロッカーに入れた。しかし金の処理のことで言い争いになり、ジェーンはアランを拳銃で射殺した。
ダニー・フューラー(ダン・デュリエ)という男が来た。どこで知ったのか現金の件でジェーンを脅した。
ジェーンは逆に「夫の殺害犯人」とダニーを脅した。二人はアランの死体を隠した。のちほどダニーを毒殺した。
ジェーンの前夫は不審死している。それを疑問に思った前夫の兄弟ドン・ブレイク(ドン・ディフォア)がジェーンの前に現れた。
ドンとアランの妹キャシーが調査を開始した。ジェーンは高跳びしようとしたが、結局ホテルのヴェランダから転落死した。
■ (1950)刑事=犯人が自分の事件を捜査/The Man Who Cheated Himself
出演はリー・J・コッブ、ジェーン・ワイアット、ジョン・ドール。
ロイス・フレイザー(ジェーン・ワイアット)は夫ハワードが自分の財産を狙って、自分を殺すつもりであると思っていた。
ちょうどロイスの浮気相手で刑事のエド・カレン(リー・J・コッブ) が訪ねてきた時、ロイスはハワードを射殺した。
エドとロイスは死体を隠し、事件が他の場所で発生したかのように偽装した。
事件をエドと弟のアンディ(ジョン・ドール)が担当することになった。
だが次第にアンディはエドを疑い始めた。ついにエドはアンディを縛り上げてロイスと逃亡した。
結局二人は逮捕されたが犯人はエドにされた。ロイスには優秀な弁護士がついていた。
エドは有罪となった。裁判所の廊下でロイスと弁護士が腕を組んで仲睦まじく通り過ぎるのを見た。
■ (1950)秘境/LUST FOR GOLD
出演はグレン・フォード、アイダ・ルピノ、ギグ・ヤング
ジェイコブ・ワルツ(グレン・フォード)は金鉱を見つけた。みんなが群がる。
ジュリア・トーマス(アイダ・ルピノ)には夫ピート(ギグ・ヤング)がいるが、嘘をついてジェイコブに近づく。
ジュリアはジェイコブから地図を手に入れて、ピートと一緒に金鉱に向かう。
ジェイコブは二人を追跡する。
二人はついに金鉱の場所を見つけた。ジェイコブは二人を見下ろす少し上の場所。二人の場所からは近づけない。
二人には水がなくなった。夜になり朝になった。ジェイコブは二人が連れてきたロバを隠した。
二人には手の打ちようがない状況。ピートはライフルを撃ちまくるが、腕が悪くて当たらない。
ジュリアはナイフで背後からピートを刺した。ピートは絶壁を転落。
ジュリアはジェイコブに助けを求めるが、ジェイコブは無視。
ここで大地震が発生し、ジェイコブもジュリアも死亡。補足。この大地震は実際に発生した地震。1887/05/03。
■ (1953)殺人の青写真/Blue Print For Murder
出演はジョゼフ・コットン、ジーン・ピーターズ。本作はジーンの唯一の悪役。ジョゼフとジーンは「(1953)ナイアガラ/Niagara」でも共演。
ホイットニー(ジョゼフ)の弟は結婚し二人の子供ができた。ポリーとダグ。しかし妻が死亡した後に再婚した。再婚相手はリン(ジーン)。そして弟が死亡した。
二人の子供とリンは今までの屋敷にメイドと一緒に暮らしている。
ポリーが突然大声を上げて苦しみだした。病院に運び込まれた。ホイットニーも知らせを受けて駆けつけた。リンはオロオロしている。
ポリーは死亡した。ホイットニーは弟とポリーの死に疑問を持った。さらに辿れば弟の妻の死も。リンを疑った。
リンはタグを連れてヨーロッパ旅行に出かける。それを知ったホイットニーは同じ船を予約した。
すでにリンを疑っているホイットニーは、先にリンを毒殺しようとする。リンの飲み物に砒素を入れようとした。
しかしリンが持ち歩いている薬瓶の中に一つだけ違う錠剤があるの発見した。
ホイットニーは自分が持って来たものではなく、その錠剤を入れた飲み物をリンに与えた。
■ (1953)吹き荒ぶ風/Blowing Wild
ゲイリー・クーパー、バーバラ・スタンウィック、アンソニー・クイン、ルース・ローマン。
メキシコ。ジェフ(ゲイリー・クーパー)とダッチは石油を掘っていたが、盗賊団に襲われて破壊された。
無一文の二人は、同じく石油を掘っているパコ(アンソニー・クイン)に雇われた。しかしパコの妻マリーナ(バーバラ・スタンウィック)はジェフの昔の恋人だった。
マリーナはジェフを誘惑したが拒否。サル・ドネリー(ルース・ローマン)という女性と付き合った。
マリーナはパコを穴に突き落として殺した。その時に再び盗賊団が襲撃してきた。
ジェフたちは盗賊団と銃撃戦を繰り広げた。その混乱の中でマリーナはパコを突き落とした穴に転落した。
ジェフとサルはアメリカに帰ることになった。
■ (1954)湖の殺意/Heat Wave/The House Across the Lake
出演はアレックス・ニコル、ヒラリー・ブルック、シド・ジェームス。
小説家のマーク(アレックス・ニコル)は湖の向こうの屋敷の一家と知り合った。
夫ベヴァリー(シド・ジェームス)は再婚の妻キャロル(ヒラリー・ブルック)を信用しておらず、マークはキャロルと親しくなった。
三人で船に乗っている時、船が揺れてベヴァリーが倒れた。キャロルはベヴァリーを湖に投げ捨てた。事故死と処理された。
マークはキャロルから結婚を提案されてロンドンに戻って待ったが、いつまで経ってもキャロルは来なかった。
訪ねていくと屋敷は売りに出されてキャロルはいなかった。さらに行方を追及すると、キャロルは別の男と結婚していた。
■ (1955)恐怖の影/Shadow Of Fear/Before I Wake
出演はモナ・フリーマン、ジーン・ケント、マクスウェル・リード。
エイプリル(モナ・フリーマン)は父親が死亡したので帰郷した。
湖のそばの屋敷。はじめて継母フローレンス(ジーン・ケント)と会った。幼馴染で医師となっているマイケル(マクスウェル・リード) と再会した。
フローレンスとは気が合わず、またフローレンスが父親や母親を殺したのではないかとの疑念が沸き起こった。しかし周りの人間はエイプリルの主張を取り合わなかった。
この件でフローレンスとの関係が悪化した。
ある時父親が死亡した時に乗っていた船の船首に衝突と見られる傷跡を見つけた。
二人で断崖の道を走っている時に、フローレンスは「ブレーキが利かない」と言って飛び降りた。エイプリルは必死が車を運転してなんとか生き延びた。
フローレンスの部屋には父親からエイプリルに宛てた手紙が投函されずに残っていた。
もうすぐエイプリルは21歳になる。すると父親の遺産を受け継ぐ。
ある日食事をするとエイプリルは意識を失った。フローレンスはエイプリル抱えて船に乗せた。エンジンをかけて、船を発進させた。船は岩礁に激突するはずである。
フローレンスがエイプリルの事故のことを泣きながら警察に説明している。
そこにケガをしたエイプリルを連れてマイケルが現れた。
■ (1956)俺を殺せ/Please Murder Me
出演はアンジェラ・ランズベリー、レイモンド・バー。
弁護士のグレイグ(レイモンド・バー)は人妻のマイラ・リーズ(アンジェラ・ランズベリー)と浮気していた。
マイラは夫のジョー(ディック・フォーラン)を殺した。グレイグが弁護してマイラは無罪となった。ジョーは自殺したことになった。
グレイグはマイラと一緒になれると考えた。
しかしもともとマイラは付き合っている男があってグレイグは利用されただけだった。
グレイグは復讐しようとする。しかし裁判では無罪となっている。マイラを罠に嵌めることにする。
■ (1956)A Life at Stake
出演はダグラス・ダンブリル、アンジェラ・ランズベリー、キース・アンデスなど。本作は複雑な展開をするので、かなりマジメに見ないとストーリーが分からない。
建築業者だったエドワード・ショー(キース・アンデス)は仕事がなくてブラブラしていたが、不動産ブローカーのドリス・ヒルマン(アンジェラ・ランズベリー)から誘われて仕事を始めた。二人はお互いに保険金をかける。注、ビジネスの相手が死亡すると損失を被るので。
しかしドリスは怪しい。ドリスの妹に聞いたところドリスの前夫は睡眠薬の飲み過ぎで死亡したとのこと。
エドワードの車のブレーキが効かない事件などが発生する。
途中はずっと省略して最後は山小屋。ドリス、エドワード、ドリスの夫ガス(ダグラス・ダンブリル)が対決する。
ドリスがエドワードに拳銃の引き金を引いた。エドワードの肩に当たって倒れた。
銃声を聞いてガスが入ってきて拳銃を取り上げてドリスに向けた。立ち上がったエドワードが拳銃を叩き落す。
二人は格闘する。床に落ちた拳銃をドリスが拾ってガスを撃つ。
ガスとドリスは絡み合って崖から落ちて死亡した。
■ (1956)疑惑の拳銃/The Come On
出演は、アン・バクスター、スターリング・ヘイドン。
メキシコの海岸でデイヴ・アーノルド(スターリング・ヘイドン)はリタ・ケンドリック(アン・バクスター)という女性と知り合った。
だがリタには結婚していて、夫のハーレイから虐待されているという。しばらくして「夫を殺して」と依頼されたが、拒否した。
だがハーレイが殺された。二人は疑われたが、マグニグルという人物が現れて「ハーレイは自殺した」と証言して二人を助けた。
だが二人の疑いが晴れた後、マグニグルは二人を脅した。リタが一人でマグニクルの事務所に行った時に襲われたので射殺した。
リタとデイヴはサン・ディエゴに逃亡した。ホテルのラウンジで背後から声をかけられた。振り返るとなんとハーレイ。
リタは逃げ出して船着き場に来た。ハーレイも追って来た。
リタはデイヴのことを謝って「キスをして」と誘った。ハーレイが近づいた。リタはハーレイを撃った。
■ (1958)死刑台のエレヴェーター/Elevator to the Gallows
出演はジャンヌ・モロー、モーリス・ロネ、ジョルジュ・プージュリー、ヨリ・ベルタン。
フローレンス・カララ(ジャンヌ・モロー)と愛人のジュリアン・タヴェルニエ(モーリス・ロネ)はフローレンスの夫シモンを殺すことにした。殺害は成功したが、ジュリアンはビルのエレヴェーターに閉じ込められた。
ジュリアンの車を奪ったアベック(ジョルジュ・プージュリー、ヨリ・ベルタン)はドイツ人夫妻と知り合い、彼らを殺害して、ジュリアンの仕業に見せかけた。
■ (1960)ヒル女の恐怖/The Leech Woman
出演はコリーン・グレイ、フィリップ・テリー、ジョン・ヴァン・ドレーレン、キム・ハミルトン。
内分泌を研究しているポール・タルボット博士(フィリップ)の元にマラと称する老女が訪問してきた。140年前にアフリカから来たそうである。
「望むならば若返りの秘法を示す」と述べた。ポールにとっては興味ある分野である。
ポールと妻のジューン(コリーン)、知人のバートラム・ガーヴェイ(ジョン)はアフリカに渡り、マラの村を目指した。
マラを初め多数の住民がいた。マラは一人の若者を指定した。若者は必死で抵抗したが、みんなに取り押さえられた。
マラは指輪を取り出して、その若者を殴りつけた。指輪に血が付いた。若者は死亡した。若者はいわば生贄となったのである。
ある箱を取り出した。箱には何やら粉末が入っている。指輪に粉末をつけた。
マラは顔を伏せた。そして顔を上げると20代かと思うような容貌に変化した。キム・ハミルトン。
次にジューンが試してみるように促された。まず生贄を誰にするか。ジューンは住民の前に進み出た。みんなを見渡した。しかし突然後ろを振り向きポールを指さした。
ポールは驚いたが取り押さえられた。ジューンは指輪でポールを殴りつけた。ポールは死亡してジューンは若返った。
その間にバートラムが粉末が入った箱とダイナマイトを盗み出した。バートラムはジューンを連れて逃げ出した。住民は追いかけたが、ダイナマイトを投げつけて逃げた。
二人は長い間ジャングルを彷徨った。そしてジューンの容貌は元に戻った。今度はバートラムを指輪で殴りつけて若返った。
ジューンはアメリカに戻った。飛行場では迎えが来ていたが、ジューンは若返っているので「ジューンの姪のテリー・ハート」と名乗った。
以降も若返りの効力が切れるたびに殺人を繰り返した。
■ (1962)怪しい美人家主/The Notorious Landlady
キム・ノヴァク、ジャック・レモン
ハードウィック家から夫のマイルズが消えた。妻のカーリー(キム・ノヴァク)が怪しいとの噂。
ハードウィック家の貸室の広告が出た。アメリカ大使館員のビル・グリッドリーがその部屋を借りた。
いろいろ展開の後、グリッドリーがカーリーが夫の死体の前で拳銃を持って立っているのを発見。
裁判となったが、結局カーリーの正当防衛が認められた。
本作はコメディでいろいろと展開があるので、解説を見ていただきたい。
■ (1963)女王セミラミス/I Am Semiramis/Slave Queen of Babylon
本作はイタリア映画。セミラミスは古代バビロンの実在の女王。ただし名前を借りているだけでストーリーは創作。
バビロン王国。ミエルテ王、王の娘セミラミス、セミラミスの息子アダート。アダートはまだ子供である。
バビロンの軍隊は遠征して多くの捕虜を連れ帰った。その中にトロイ王であったキールがいた。
キールは処刑されようとしたがセミラミスが助けた。キールはアダートとも仲良くなり、文芸や武術を教えるようになり、キールは王宮内で認められた。
叛乱が発生しミエルテ王は殺された。セミラミスが女王となった。キールとセミラミスは結婚した。
セミラミスはさらに王国を大きくしようと、巨大な宮殿を建設し、さらに他国を征服しようと考えた。
しかしキールが反対する。この路線対立は次第に激しくなった。
セミラミスはグラスを二つ用意して一つに毒を入れた。一つをキールに差し出した。
キールは警戒して、もう一つのグラスを取って中の酒を飲みほした。実はそれに毒が入っており、キールは死亡した。
キールの葬儀が行われようとしたときに、また叛乱軍によりセミラミスが殺された。まだ子供のアダートが王となった。
補足。他にセミラミスを取り上げた映画として「(1954)風雲のバビロン/バビロンの女王/The Queen Of Babylon」がある。セミラミス役はロンダ・フレミング。
■ (1964)誰が私を殺したか?/Dead Ringer
出演はベティ・デイヴィス:二役。
マーガレット(ベティ)と双子のエディス(ベティ)はフランクと付き合った。エディスはフランクと結婚したかったが、マーガレットが「妊娠した」と言うので、フランクとマーガレットが結婚した。
18年後フランクが死亡した。エディスはずっと会っていなかったがマーガレットを訪問した。
マーガレットにはもともと子供がいないことが判明した。
ここでエディスはマーガレットを殺して入れ替わった。双子なので誰も気がつかない。フランクの財産が手に入った。
その後、マーガレットがフランクを殺害していたことが判明する。
エディスはマーガレットのままでいるならば、フランク殺害犯であり、エディスであることを表明すれば、マーガレット殺害犯となる。
■ (1981)白いドレスの女/Body Heat
出演はキャスリーン・ターナー、ウィリアム・ハート。
弁護士のネッド(ウィリアム)は人妻のマティ(キャスリーン)と知り合い深い仲となった。
マティが夫のエドモンドを怖れていることもあり、ネッドがマティの自宅に忍び込んで夫のエドモンドを殺害した。
エドモンドの財産がマティに転がり込んだが、マティはボート小屋で爆殺された。死体は区別がつかなかったが、歯の治療跡を調べてマティと判断された。
エドモンド殺害時のネッドのアリバイが巧妙に崩されており、さらにネッドはマティ殺害犯としても逮捕された。
しかしネッドは刑務所の中でマティが卒業した高校のアルバムを取り寄せた。ネッドが認識しているマティは別の人物であった。
■ (1981)郵便配達は二度ベルを鳴らす/The Postman Always Rings Twice
出演はジョン・コリコス、ジェシカ・ラング、ジャック・ニコルソン。
ニック・パパキダス(ジョン)は妻のコーラ(ジェシカ)とともにロスアンジェルス郊外でガソリンスタンド+軽食店を開いていた。「車のことを知っている」ということで流れ者のフランク・チェンバース(ジャック)を雇う。
しばらくしてフランクとコーラは関係を持つようになる。
二人はニック殺害を計画した。一回目はニックが浴室に入っている時に殴り倒す計画。しかし失敗した。ただニックは二人の悪意に気がつかない。
二回目は峠の道で車の転落を装って殺害した。
二人は疑われたが、保険金を支払いたくない生命保険会社に脅されてフランクは「コーラの単独犯」との供述書に署名した。コーラだけが起訴された。
しかし弁護士が損害保険会社とかけあって生命保険会社は訴訟を取り下げた。補足。本当は、殺人事件なので保険会社が訴訟を取り下げることはできないはず。
■ (1987)黒い未亡人:次々と死亡する富豪/Black Widow
デブラ・ウィンガー、テレサ・ラッセル
アレクサンドラ・バーンズ捜査官は、富豪が結婚後に不審死したいくつかの事例を調査した。
ある女性が別の人物を名乗って、次々と富豪に接近したことを突き止めた。富豪の遺族などに会って犯人を追跡し始めた。
■ (1991)愛がこわれるとき/Sleeping with the Enemy
ジュリア・ロバーツ、パトリック・バーギン、ケヴィン・アンダーソン
ローラ・ウィリアムズは金持ちのマーティン・バーニーと結婚して海辺の豪邸に住んだ。
だがマーティンは異常な潔癖症で嫉妬深かった。次第にローラに暴力を振るうようになった。
ローラは水死を偽装して姿を消した。新しい土地で恋人もできたが、ローラが生きていることを掴んだマーティンが迫ってきた。
ついにマーティンがアパートに侵入。恋人が助けに来たが、マーティンは拳銃を突きつけた。スキを見て恋人は反撃したが、マーティンにやられた。
ローラは落ちた拳銃を拾ってマーティンを射殺した。
■ (1991)愛を殺さないで/夫殺しの真実/Mortal Thoughts
本作は厳密にいえば夫殺しの映画ではない。
デミ・ムーア、グレン・へドリー、ブルース・ウィリス、ジョン・パンコウ
シンシア(デミ・ムーア)は友人のジョイス(グレン・へドリー)の美容室で働いていた。
ジョイスの夫ジェームズは麻薬中毒でジョイスに暴力を働いていた。
三人で出かけた時にジェームズ(ブルース・ウィリス)が殺される事件が起こった。ジョイスが疑われ、シンシアは警察に尋問された。
続いてジョイスの夫アーサー(ジョン・パンコウ)も殺された。
真実は、ジェームズを殺したのはシンシアで理由はレイプされそうになったから。
アーサーを殺したのはジョイス。理由はアーサーから事件がばれると恐れたから。
■ (1992)愛という名の疑惑/Final Analysis
出演はリチャード・ギア、キム・ベイシンガー、ユマ・サーマン。
精神分析医のアイザック(リチャード)のところにダイアナ・ベイラー(ユマ)という患者が来ている。ダイアナは「姉とあってほしい」という。
そのうちに姉のヘザー・エヴァンズ(キム)から会いに来た。二人は付き合うようになった。ヘザーは「夫に虐待されている」ようなことを言う。アイザックはヘザーに同情する。
二人で灯台に行った時、ヘザーのバッグからダンベル棒が転がり出た。「護身用なの」。アイザックはダンベル棒を拾ってヘザーのバッグに入れた。
アイザックがヘザーを自宅まで送っていった夜。ヘザーはダンベルで夫を殴り殺した。
裁判となった。ヘザーには「病的酩酊症」の病歴があり、アイザックもそのように証言した。ヘザーは無罪、しかし八週間の入院となった。
その後、ヘザーの病気が偽装であることに気がついたアイザックはヘザーを罠に嵌めて入院期間を大幅に延長させた。
対してヘザーは「指紋がついたダンベル棒があるのよっ!」とアイザックを脅した。
ダイアナとヘザーは病院のトイレで入れ替わった。ヘザーは拳銃を持ってアイザックを追いかけた。しかしヘザーは例の灯台から転落して死亡した。
その後ダイアナは病院から出て来た。ヘザーとして遺産を相続した。
■ (1995)誘う女/To Die For
ニコール・キッドマン、マット・ディロン
スザンヌは上昇志向が強くテレヴィで有名になりたいと思った。その夢を後押ししてくれるというのでラリーと結婚した。
だがラリーの気が変わり、ラリーを邪魔に思うようになった。スザンヌは仕事で知り合った不良少年を唆した。
■ (1995)黙秘/Dolores Claiborne
スティーヴン・キング原作/キャシー・ベイツ、ジェニファー・ジェーソン・リー
記者のセレナは母親ドロレスがメイドをしている金持ちの女性ヴェラを殺したと聞いて故郷の島に戻った。
ドロレスは無実だと主張するものの黙秘をしていた。だが少しずつセレナに過去のことを話し始めた。
■ (1996)死体の行方:女教師二人は校長を殺した/Diabolique
シャロン・ストーン、イザベル・アジャーニ、キャシー・ベイツ
教師のミアとニコルは二人でミアの夫で校長のガイをバスタブに沈めて殺し学校の池に沈めた。
だが池からは死体は上がらず、ガイが生存していると思われる事象が発生した。
■ (1998)沈黙のジェラシー/Hush
出演はジェシカ・ラング、グウィネス・パルトロー、ジョナサン・シェック、ニナ・フォック。
ヘレン(グウィネス・パルトロー)はジャクソン・ベアリング(ジョナサン・シェック)と妊娠して結婚してジャクソンの実家に住み始めた。
ジャクソンはヘレンに「父親が浮気をしたことに怒って、階段から突き落として殺した」と白状した。
実家は競走馬を育成する牧場で、ジャクソンの母親のマーサ(ジェシカ・ラング)がいた。
今は施設にいるジャクソンの父親の母親アリス(ニナ・フォック)に会った。「マーサには注意しなさい」とアドヴァイスを受けた。
マーサは勝手に「ヘレンは自宅で出産する」と宣言して産婦人科医に通告した。
ヘレンはニューヨークに戻ろうとするが、マザコンのジャクソンに説得された。ヘレンは逃げ出そうとしたが、マーサに阻止された。
ヘレンは自力でいろいろと調査した。
ヘレンは出産した。マーサは注射器を持ってヘレンに近づいた。だがジャクソンが入って来たので、慌てて注射器を隠した。
恢復したヘレンは二人の前で注刺したことを暴露した。父親を殺したのはマーサで、浮気がばれたためであった。
ジャクソンとヘレンはニューヨークに戻ることにした。
■ (1999)グッバイ・ラバー/Goodbye Lover
出演はパトリシア・アークエット、ダーモット・マローニー、ドン・ジョンソン、メアリー=ルイーズ・パーカー。
サンドラ・ダンモア(パトリシア・アークエット)と夫のジェイク(ダーモット・マローニー)は、ジェイクの兄で独身のベン(ドン・ジョンソン)をアパートから突き落として殺害した。保険金が目的。
だがベンの秘書のペギー(メアリー=ルイーズ・パーカー)が「ベンと結婚している」と言い出した。保険金がふいになる。
二人はペギー殺害を殺し屋の通称ドクターに頼んだ。だが、ジェイクはもう一度ドクターを訪ねて「サンドラを殺してくれ」と依頼内容を変更した。
サンドラはジェイクを怪しんで尾行した。するとジェイクとペギーはバイクに乗って田舎に出かけた。
察知したサンドラは急いで中古車を購入し、崖の道でバイクを崖に追い落として二人を殺害した。
■ (1999)ダブル・ジョパディー:夫殺しの冤罪/Double Jeopardy
アシュレイ・ジャッド、ブルース・グリーンウッド、トミー・リー・ジョーンズ。
リビー・パーソンズの夫ニックは行方不明になり、リビーには血がついたナイフが残された。リビーは夫殺しの罪で服役した。
子供マティは友人のアンジェラ・グリーンに預けた。だがアンジェラからの連絡が途絶えた。
アンジェラの電話番号を調べて電話をかけた。マティと話していると「パパ」との声が聞こえて、ニックが生きていることが判明した。アンジェラも裏切っていた。
受刑者仲間から「もう一度夫を殺しても罪にはならない」とアドヴァイスされた。リビーは仮出所した。
だがアンジェラも死亡しており、ニックに殺されたものと思われた。ニックは行方不明になっていた。リビーはニックの行方を何とかして掴んで、復讐しようとした。
苦労して偽名で生活しているニックを発見。ニックに拳銃を向けるが、躊躇した。
この時にリビーの動きを察知した保護観察官トラヴィス・リーマンが入って来た。
リビーは部屋を出た。トラヴィスとニックが争った。だがニックがトラヴィスを制圧した状況となった。
リビーが再度入ってきて、ニックを射殺した。
■ (2002)イナフ/Enough
ジェニファー・ロペス
ウェイトレスをしていたスリムはミッチ・ヒラーと知り合って結婚し、娘のグレイシーも生まれた。
6年目になってミッチの浮気が発覚し、ミッチは反省しないどころか、暴力を振るうようになった。
ミッチが離婚に応じないので、グレイシーを連れて逃げ出したが、ミッチはどこまでも追いかけた来た。この事態にいたってスリムは覚悟を決めた。
■ (2013)サイドエフェクト:副作用/Side Effects
ルーニー・マーラ、ジュード・ロウ、キャサリン・ゼタジョーンズ
精神科医のジョナサン・バンクスは夫が服役していたエミリー・テイラーという女性を診断した。
抗鬱剤を与えたが効果がないようだったので、彼女を以前担当していたビクトリア・シーバートと相談してアブリキサという新薬を与えた。
だがエミリーに夢遊病の兆候が表れて、ある日突然エミリーは夫を刺し殺した。