戦争で負った傷で盲目となったバラダイン大佐と妻のマッデリーナ、使用人のアンドレが屋敷に暮らしていた。
大佐が死亡した。原因は毒物。マッデリーナが起訴された。アンソニー・キーンが弁護をすることになった。
だがキーンは不覚にもマッデリーナに惹かれてしまった。
製作:1947年、脚本:ジェームズ・ブリディ他、監督:アルフレッド・ヒッチコック
■ はじめに
◆ 登場人物
アンソニー・キーン(グレゴリー・ペック) - 弁護士
ゲイ・キーン(アン・トッド) - アンソニーの妻
マッデリーナ・バラダイン(アリダ・ヴァリ) - パラダイン夫人
アンドレ・ラトゥール(ルイ・ジュールダン) - パラダイン家の使用人
サイモン・フレイカー(チャールズ・コバーン) - 弁護士
◆ 補足
参考。夫殺害(夫殺し)の映画のリスト
■ あらすじ
時代設定は1946年。戦争で負った傷で盲目となったバラダイン大佐と妻のマッデリーナ、使用人のアンドレが屋敷に暮らしていた。マッデリーナは盲目の夫を支える献身的な妻とみなされていた。しかしパラダイン大佐が死亡した。原因は毒物。
マッデリーナは夫殺害の容疑で逮捕され起訴された。マッデリーナはサイモンに弁護を依頼したが、サイモンは辞退してアンソニーを推薦した。「若くて有能」とのことである。アンソニーは躊躇したがゲイが勧めたこともあって弁護を引き受けた。
アンソニーはマッデリーナに会って彼女が絶世の美人であることに感心した。弁護士として、また妻がある身としては、あってはならないが、不覚にもマッデリーナに惹かれてしまった。
アンソニーは「やはり、彼女の弁護は辞退しよう」と考えた。この時点でアンソニーとゲイの間に隙間風が吹く。アンソニーは「仕事を断って、一緒に旅行に」と言ったが、同じようにゲイは仕事を引き受けるように勧めた。しかし二人の間には不信感が芽生えていた。むしろゲイは「アンソニーから遠ざかりたい」という気持ちが強く、仕事を勧めたようである。
アンソニーは調査のためにバラダインの屋敷を訪れた。ずいぶんと田舎ではあったが大きな屋敷である。
アンドレと会った。話を聞こうとしたが、アンドレは不気味な感じの人物で、またあまり語ろうとしない。近所で聞いてもアンドレの評判はよろしくない。というよりも非常に悪い。
アンドレを怪しいと感じ、また弁護士の当然の義務として、マッデリーナの無罪を勝ち取るべく弁護論理を構築しようとした。だがしかし驚いたことにマッデリーナは反対する。
アンソニーはマッデリーナの無罪を主張した。マッデリーナとアンドレが弁護側と検察側から尋問を受けた。アンソニーの奮闘の結果はマッデリーナの無実とアンドレの疑惑を強く示唆するものであった。注、しかしアンドレは起訴されているわけではない。
次回の法廷の最中に「アンドレが自殺した」との報告が入った。マッデリーナは「アンドレを愛していたのに!」と絶叫した。続いてマッデリーナは「自分が殺した」と喋った。
アンソニーは自信を失い弁護士を辞めようかと漏らした。それに対してゲイは「あなたは立派な仕事をした」と慰め励ました。二人には信頼と愛情が戻った。
■ 出演作
◆ ルイ・ジュールダン
(1947)パラダイン夫人の恋/The Paradine Case
(1948)忘れじの面影/Letter from an Unknown Woman
(1954)愛の泉/Three Coins in The Fountain
(1951)女海賊アン/Anne of the Indies
(1952)幸福の時間/ビビとペギー/The Happy Time
(1953)デカメロン夜話(海賊パガニノ、道徳の賭け、医師の娘)/Decameron Nights
(1951)南海の劫火、極楽鳥/Bird of Paradise
(1966)メイド・イン・パリ/Made in Paris
(1982)怪人スワンプシング:影のヒーロー/Swamp Thing
◆ グレゴリー・ペック
(1945)白い恐怖/Spellbound
(1947)パラダイン夫人の恋/The Paradine Case
(1962)アラバマ物語/To kill a Mockingbird(1958)大いなる西部/Big Country
(1947)決死の猛獣狩り/The Macomber Affair
(1948)廃墟の群盗/Yellow Sky