おや?休筆じゃなかったの?よ言われそうですが、なぜか思いのほか順調です。
ってことで、今夜は久しぶりに浮世絵の話題です。
テーマは『葛飾北斎のデッサン』
まずはこれを御覧ください。
右の絵を描くために、北斎は左のページのようにデッサン(?)しています。
その説明が空白部分に書かれています。
右のページは「ぶどうに栗鼠」と書いてあります。
葡萄の葉は六角形に対角線をひき、リスはコンパスのようなもので円を幾つか引いて、重ねているようです。
左のページは猫と犬。これもやはりコンパスのような物で円を描き、重ねています。
右の上は提灯、右下は笠を被っての踊りを行う姿の描き方。
左はシジミ掬いでしょうか。墨の筆跡が流麗すぎて私は判読できません(^o^;
こうやって見ていますと、北斎はコンパスや定規を用いて幾何学的な処理をしたりと、とても論理的なデッサンをしています。
私は北斎などはフリーハンドで一気にかきあげているものばかりかと思っていたのですが、もっときちんと計算された作画だったんですね。
ちなみにこの指南書は「略画早指南」(りゃくがはやおしえ) というもので、発刊は1814年だったそうです。
1814年はあのナポレオンがエルバ島へ配流された年ですって。
ここまでの流れを見てみると、「なぁ~んだ、北斎って言うほどのことはないんじゃない?コンパスとか定規で描くなんて、ちゃんとした技術がないんじゃないの?」なんて思われるかも知れません。
ところが・・・・これを御覧ください。
そうです。北斎の「神奈川沖浪裏」です。
で、図に絵描かれた白い線はなんですかって?これ曲線は北斎が描いた波が作る角度をなぞったものです。
これが実は 「対数螺旋」(たいすうらせん)になっているんです。
黄金分割比、フィボナッチ係数という言葉をお聞きになったことがある方もいらっしゃると思います。
この相模湾に立つ波は、なんと対数螺旋の姿を見せてくれているんです。
つまり確かに北斎は正確なデッサンのためにコンパスなどの道具を用いていたことは確かであっても、彼の目の中には後年になってから研究者がようやく発見出来るような「美意識」を備えていたという事実があった、そういうことです。
烏賊の仲間のアンモナイトの貝が巻く曲線が、この対数螺旋を描いていることも有名です。
自然が作り出した「美」それは巻貝も美しい波にも共通するのですね。
単にコンパスや定規を使って正確なデッサンをしていたのではなく、その配列やアングルをどう決めていくか、それは「美」を理解していればこその論理的手法だったに違いありません。
やはり北斎は面白いです。面白いなどと言っては失礼ですが。 また明日ね('-^*)/
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