【若紫131-3】古文単語「ひがむ」☆
古文単語には、
1.とにかく丸暗記して覚える
2.漢字やイメージで覚える
3.文脈判断で決める
などの覚え方があります。
今回は、現代語よりも幅広の古語☆
【今回の源氏物語】
「いとうれしう思ひたまへぬべき御ことながらも、聞こしめしひがめたることなどやはべらむと、つつましうなむ。…」
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今回出てきた古文単語
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■【いと】…とても
■【うれしう】…シク活用形容詞「うれし」連用形ウ音便
■【思ひ】…ハ行四段動詞「思ふ」連用形
■【たまへ】…ハ行下二段動詞「たまふ」連用形
※【たまふ】…謙譲の補助動詞(尼君⇒光源氏)
■【ぬ】…強意の助動詞「ぬ」終止形
■【べき】…推量の助動詞「べし」連体形
■【御こと】…お言葉
■【ながら】…なのに(逆接の接続助詞)
■【も】…強意の係助詞
■【聞こしめし】…サ行四段動詞「聞こし召す」連用形
※【聞こしめす】…「聞く」の尊敬(尼君⇒光源氏)
■【ひがめ】…マ行下二段動詞「ひがむ」連用形
※【ひがむ】…事実と異なる
■【たる】…存続の助動詞「たり」連体形
■【や】…疑問の係助詞
■【はべら】…ラ変動詞「はべり」未然形
※【はべり】…「あり」の丁寧(尼君⇒光源氏)
■【む】…推量の助動詞「む」連体形
■【と】…引用の格助詞
■【つつましう】…シク活用形容詞「つつまし」連用形ウ音便
※【つつまし】…遠慮する
■【なむ】…強意の係助詞(結びの省略)
◇ 今回は「ながら」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「ひがむ」☆
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「いとうれしう思ひたまへぬべき御ことながらも、聞こしめしひがめたることなどやはべらむと、つつましうなむ。…」
問)傍線部の意味として最も適当なものを1つ選べ。
1.現実をゆがめてお聞きしたということ。
2.事実とは違うようにお聞きになっているということ。
3.ねじけたようにお聞き申し上げるということ。
4.全く反対のことをお聞きなさったということ。
5.事実に反して申し上げたということ。
古文読解のためには
次の3つの知識が必要です。
● 古文単語をきっちり覚える
● 古典文法を押さえる
● 古文常識を理解する
この【重要古語】カテゴリでは
今回出て来た『源氏物語』の一語一語を
詳しく解説しつつ、
特に今回注目したい古語をピックアップして
詳しく解説しています。
今回の古語はこれ☆
「ひがむ」といったら
なんか、わざとひねくれたようなイメージがありますよね。
もちろん古文でも
上の自動詞のような意味もあるのですが
よく出てくるのは、他動詞の「ひがむ」です。
下二段活用なので
文脈の中では、本文のように「ひがめ」といった形で出てきます。
…そうなると
もとの基本形「ひがむ」と勘違いしたりするのではなく
たんに、重要古語として見分けられるかが鍵となってきます。
この名詞の関連語だと見抜けられれば
一発でわかりますよね!
【答え】…2
「いとうれしう思ひたまへぬべき御ことながらも、聞こしめしひがめたることなどやはべらむと、つつましうなむ。…」
● 過去記事リンク
■いと
■思ふ
■たまふ
■ながら
■も
■ひがむ
■はべり
■つつまし
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