【夕顔395-3】古文単語「高し」
重要古語の記事では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
単語を1つピックアップしています♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.とにかく丸暗記して覚える語
2.漢字やイメージで覚える語
3.文脈判断で決める語
があります。
今回は現代語と同様の古語です♪
【今回の源氏物語】
忍びたまへど、御涙もこぼれて、いみじく思したれば、
「何人ならむ。その人と聞こえもなくて、かう思し嘆かすばかりなりけむ宿世の高さ」
と言ひけり。
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今回出てきた古文単語
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■【忍び】…バ行上二段動詞「忍ぶ」連用形
※【忍(しの)ぶ】…人目をしのぶ
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【ど】…逆接確定条件の接続助詞
■【御―】…尊敬の接頭語
■【も】…強意の係助詞
■【こぼれ】…ラ行下二段動詞「こぼる」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【いみじく】…シク活用形容詞「いみじ」連用形
※【いみじ】…ひどく悲しい
■【思し】…サ行四段動詞「思す」連用形
※【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【たれ】…完了の助動詞「たり」已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【何人】…どのような人
■【なら】…断定の所年「なり」未然形
■【む】…推量の助動詞「む」連体形
■【その人】…誰それ
■【と】…引用の格助詞
■【聞こえ】…評判。噂
■【も】…強意の係助詞
■【なく】…ク活用形容詞「なし」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【かう】…このように。これほど
■【思し嘆く】…悲しみお嘆きになる
※【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(文章博士⇒光源氏)
■【す】…使役の助動詞「す」終止形
■【ばかり】…程度の副助詞
■【なり】…断定の助動詞「なり」連用形
■【けむ】…過去の婉曲「けむ」連体形
■【宿世(すくせ)】…宿縁。前世からの因縁
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【高さ】…深さ。すばらしさ
■【と】…引用の格助詞
■【言ひ】…ハ行四段動詞「言ふ」連用形
■【けり】…過去の助動詞「けり」終止形
◇ 今回は「けむ」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「高し」 ☆
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忍びたまへど、御涙もこぼれて、いみじく思したれば、
「何人ならむ。その人と聞こえもなくて、かう思し嘆かすばかりなりけむ宿世の高さ」
と言ひけり。
問)傍線部の説明として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.前世からの因縁のすばらしいいこと。
2.宿縁のむずかしいことだなあ。
3.前世のなんとふがいないことか。
4.宿業がどうしようもなかったのだなあ。
5.前世にもまさっていたのだなあ。
ちなみに…
「宿世(すくせ)」という古語は
選択肢どれも、間違いじゃありませんよ!
ならば…
【たかし(高し)】
【形容詞:ク活用】
①高い。上の方にある
②音や声が大きい
③広く知られている
④身分・地位が上である。高貴である
⑤考えがすぐれている。立派である
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
こちらの古語のニュアンスで決まりです。
古文は、
一語一語の古語のニュアンスをとらえ、
特に、「宿世」などの古文常識に着目して
内容を把握していきます。
イメージが涌いたら、
選択肢を検討していきましょう。
古文読解は、その積み重ねだと思って下さい。
【答え】…1
忍びたまへど、御涙もこぼれて、いみじく思したれば、
「何人ならむ。その人と聞こえもなくて、かう思し嘆かすばかりなりけむ宿世の高さ」
と言ひけり。
● 過去記事リンク
■しのぶ
■も
■いみじ
■ならむ
■その人
■聞こえ
■ばかり
■けむ
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