【夕顔395-2】古文の主語の把握 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔395-2】古文の主語の把握

イラスト解釈では

源氏物語イラスト訳で出てきた古文の

入試対応オリジナル問題を掲載しています☆

源氏物語イラスト解釈

 

【これまでのあらすじ】

 天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。

 ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいます。失意の中、喪も明け、光源氏はかつて関係のあった人妻の空蝉へ、そして一夜の逢瀬であった軒端荻へと、想いを馳せつつも、夕顔の四十九日を迎えました

 

【今回の源氏物語】

忍びたまへど、御涙もこぼれて、いみじく思したれば、

「何人ならむ。その人と聞こえもなくて、かう思し嘆かすばかりなりけむ宿世の高さ」

と言ひけり。

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 ☆ 古文オリジナル問題~主語の把握~☆

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忍びたまへど、御涙もこぼれて、いみじく思したれば、

「何人ならむ。その人と聞こえもなくて、かう思し嘆かすばかりなりけむ宿世の高さ

と言ひけり。

 

問)傍線部は、誰のどういう気持ちか。最も適当なものを選べ。

 

1.法師の、光源氏と亡くなった女人との運命のいたずらを悲しみ嘆く気持ち。

 

2.光源氏の、悲しみの深さを周りの人々に悟られまいと我慢する気持ち。

 

3.光源氏の、亡くなった女人との前世からの因縁の深さを思い嘆く気持ち。

 

4.文章博士の、光源氏をこれほど嘆かす女人の妖艶さを怪しむ気持ち。

 

5.文章博士の、光源氏と亡くなった女人との宿縁の深さを賞賛する気持ち。

 

笑い泣きゲロー笑い泣きゲロー

 

さて。

 

前回は敬語の学習でしたが、

 

今回は、その敬語を確認しながらの主語の把握です。

おねがい

 

 

【主語の把握】

尊敬語があれば、身分の高い人が主語

⑵ 傍線部が会話文中の場合は、【…。」】の後の動詞を見て判断する。   

 

 

今回は、会話文中ですので、

 

【…。」】の後の「言ひけり」を見ましょう。

キョロキョロ

 

 

ほら、尊敬語が入ってませんね!

 

ならば、この主語(誰の)は、光源氏じゃありませんよぉ~!

笑い泣き

 

 

1.法師の、光源氏と亡くなった女人との運命のいたずらを悲しみ嘆く気持ち。

 

2.光源氏の、悲しみの深さを周りの人々に悟られまいと我慢する気持ち。

 

3.光源氏の、亡くなった女人との前世からの因縁の深さを思い嘆く気持ち。

 

4.文章博士の、光源氏をこれほど嘆かす女人の妖艶さを怪しむ気持ち。

 

5.文章博士の、光源氏と亡くなった女人との宿縁の深さを賞賛する気持ち。

 

選択肢2と3が消えましたね。

 

 

あと、論点が文章博士であったことを思い出せればいいのですが、

ここでは、それを置いておいて、

文脈で判断していきましょう。

照れ

 

 

「何人ならむ。その人と聞こえもなくて、かう思し嘆かすばかりなりけむ宿世の高さ

   上矢印

傍線部に、「思し(思す)」という尊敬語が入ってますね!

 

【おぼしなげく(思し嘆く)】

【自動詞:カ行四段活用】

…悲しみ嘆きなさる

 

 

 

 *『全訳古語例解辞典(小学館)』より

   

 

もちろん、この主語は光源氏です。

 

 

つまり、身分の低い人が、

光源氏が悲しみ嘆きなさっているのを思いやっているのですね。

 

 

…では、どんなことを思っているのでしょうか?

 

 

 

 

【すくせ(宿世)】

【名詞】

①先の世。前世

②前世からの因縁。宿縁。宿命

 

 *『全訳古語例解辞典(小学館)』より

   

人の力ではどうしようもない物事を

「宿世」「宿業」「宿縁」などと言い、

 

仏教では、すべて過去の業(ごう)によって

それが決定されると考えられていました。

 

 

その、宿業の深さを

話し手は驚きを持って、感嘆しているわけです。

 

「何人ならむ。その人と聞こえもなくて、かう思し嘆かすばかりなりけむ宿世の高さ

 

 

  下矢印

1.法師の、光源氏と亡くなった女人との運命のいたずら(△宿世とズレ)を悲しみ嘆く気持ち。

 

4.文章博士の、光源氏をこれほど嘆かす女人の妖艶さ(△ナシ)を怪しむ気持ち。

 

5.文章博士の、光源氏と亡くなった女人との宿縁の深さを賞賛する気持ち。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【答え】…

 

 

 

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