昨日の晩御飯 | 夢から醒めた夢

夢から醒めた夢

ありそうで無いコントのような物語『シチュエーションネタ』を中心に更新しています!
是非読んで下さい♪

 

 

 

さぁ、いつの間にか玉木宏と松下奈緒の違いが分からなくなっていたんだけど、そんな自分が好き。夢から醒めた夢でございます。

 

 

 

 

ネタチャレ!!!

 

10日目でございます。

 

本日公開するネタは…、『昨日の晩御飯』!

 

 

H.S.S.Y.Yの5人全員が登場します!

 

バイト先の休憩所での会話をご覧下さい。

 

 

それではどうぞ!

 

 

 

 

吉田「1…2…3…4…5…。…はぁ…。」

 

芳賀「お疲れ〜。おっ、吉田も休憩 今か。」

 

吉田「あ、お疲れ。俺、13時から休憩だから。」

 

芳賀「そっか。…っていうか、何か今 溜息ついてなかった?」

 

吉田「あぁ、ちょっと金欠でな。今月あと5,000円で乗り切らないといけなくてさ。」

 

芳賀「今月まだ10日だぞ!?あと20日くらいあるぞ!?」

 

吉田「困ったなぁ…。」

 

芳賀「まず、何でそんなに金が無いの?」

 

吉田「バイクの修理費がすごいかかっちゃってさぁ。」

 

芳賀「あぁ、バイトによく乗って来てるやつか。」

 

吉田「そうなんだよ。あれが無いとこんな所までバイトに来れないしなぁ…。」

 

芳賀「俺もあんまり余裕は無いから貸せないけどさ…。バイト仲間の誰かにちょっとだけお金貸してもらったら?」

 

吉田「貸してくれる訳ないだろ…。俺、芳賀以外のバイト仲間とプライベートな話なんかした事無いんだぞ?そんな奴に金なんか貸してくれないよ…。」

 

芳賀「まぁ…、そっか…。」

 

今藤「あ〜、疲れた〜。」

 

三上「あ、芳賀くん お疲れ様〜!」

 

柳「芳賀と休憩時間被るの珍しいな。」

 

芳賀「お疲れ。確かに珍しいかもね。」

 

今藤「お腹空いた〜!早く食べよう〜!」

 

三上「あれ、今藤さん昨日も同じの食べてなかった?」

 

今藤「え、これ?…あれ、そうだっけ?」

 

三上「昨日の昼に食べた物 覚えてないの?笑」

 

今藤「あぁ、そうだった!これ昨日食べたわ!捨てよ〜っと!」

 

芳賀「待て待て待て!何で昨日食べた物だったら捨てるんだよ!食べ物を粗末にすんなよ!」

 

柳「っていうか、よく「前日の夜に何を食べたかを思い出せなかったら老化が進んでいる」みたいな話聞くよな。」

 

三上「みんなは思い出せる?」

 

芳賀「俺は晩飯作るの面倒くさかったから、カップ麺にした。」

 

柳「どこのメーカーの?」

 

芳賀「え、メーカー?」

 

今藤「エネルギー量は何kcal?」

 

柳「麺の数は何本だった?」

 

今藤「食品表示の欄には何文字書かれていた?」

 

芳賀「知らねぇよ!思い出せないとかじゃなくて知らねぇ!何だ「食品表示の欄には何文字書かれていた?」って!」

 

柳「こういう細かいのは無し?」

 

芳賀「無しに決まってんだろ!誰がクリア出来るんだよ!」

 

今藤「じゃあ三上さんは?」

 

三上「私は…、スクランブルエッグとベーコンと…、あとパン。」

 

芳賀「朝ごはんみたいな夜ごはん食うなよ!」

 

三上「…え?」

 

芳賀「スクランブルエッグとベーコンとパンは朝ごはんの献立だろ!朝ごはんみたいな夜ごはん食うなよ!」

 

今藤「でも、ちゃんと覚えてたね。」

 

芳賀「朝ごはんみたいな夜ごはん食ったからだろ!一生忘れねぇよ、そんな夜ごはん!」

 

今藤「柳は何食べたの?」

 

柳「カレーと豚汁。」

 

芳賀「カレーと豚汁は合わねぇだろ!」

 

柳「あ、間違えた。カレーと肉じゃがだった。」

 

芳賀「具が一緒の物を1回の食事で食うなよ!」

 

柳「…どういう事?」

 

芳賀「カレーと肉じゃがなんて、入ってる物がほぼ一緒なんだから、わざわざ手間かけて2パターンの料理作るなよ!」

 

柳「…あ、違うわ。これ昨年の昨日食べた物だったわ。」

 

芳賀「何で昨年の昨日食べた物が浮かんだんだよ!記憶力すげぇな、逆に!」

 

三上「じゃあ結局、昨日は何食べたの?」

 

今藤「ハヤシライスじゃない?」

 

芳賀「おい、ハヤシライスなんて食べ物じゃねぇよ!」

 

今藤「…何か、ハヤシライスに当たりキツくない?」

 

柳「餃子とアンパン。」

 

芳賀「お前、バカじゃねぇの!?何でそんなにミスマッチな組み合わせばっかりなんだよ!」

 

柳「別にいいだろ、一人暮らしで誰にも迷惑かけてないんだから。」

 

芳賀「別にいいけど、餃子とアンパンは合わねぇだろって!」

 

柳「合うだろ。「美味しいね」「美味しいね」って言いながら食べたし。」

 

芳賀「誰とだよ!一人暮らしなんだろ!?」

 

柳「んで、今藤は?」

 

今藤「鮭おにぎりと焼き鮭。」

 

芳賀「焼き鮭食うのに、何でおにぎりも鮭なんだよ!梅とかにしろ!」

 

今藤「梅嫌い。」

 

芳賀「じゃあ、おかかとかにしろ!」

 

今藤「おかか好き。」

 

芳賀「じゃあ、おかかにしろ!」

 

今藤「おかかのおにぎりと焼き鮭。」

 

芳賀「話変わってんじゃねぇか!過去は変えられないんだよ!」

 

今藤「でも、未来は変えられるでしょ?」

 

芳賀「お前が変えたのは過去なんだよ!」

 

三上「ねぇ、吉田くんは?」

 

吉田「えっ!?」

 

三上「吉田くんとあまり話した事無いから…。今の話聞いてた?吉田くんが昨日の夜に食べた物、思い出せる?」

 

吉田「………。」

 

芳賀「ほら、吉田も会話に混ざれよ。みんなと仲良くなるチャンスだぞ?」

 

吉田「…昨日の夜…、食べた物…。」

 

芳賀「ほら、思い出してバシッと言ってやれよ。」

 

吉田「………俺はいいよ…。」

 

芳賀「何でだよ、せっかく話しかけてくれてるんだから。」

 

吉田「…バカにしない?」

 

芳賀「しないよなぁ?しないよ!そもそも誰が何を食べても文句を言っていい人間なんて一人もいないんだから。」

 

柳「お前が言うなよ。」

 

芳賀「うるせぇな!」

 

今藤「あ、じゃあ みんなで当ててみる?確かにウチら吉田くんの事、何も知らないし!」

 

柳「でも、俺らが言った物が当たってたら、それで思い出しちゃうだろ。」

 

今藤「いいじゃん、いいじゃん。私はね…、コンビニ弁当だと思う!」

 

三上「じゃあ私は…、スクランブルエッグとベーコンとパン!」

 

芳賀「お前じゃないんだから!ん〜と…、俺はね…。………おにぎり…とか!」

 

今藤「いやいや、「おにぎり」って!貧乏じゃないんだから!笑」

 

芳賀「お前もおにぎりだったんだろうがよ!」

 

今藤「…あ、そっか。」

 

芳賀「よく考えたら、焼き鮭食うなら白米でいいだろ!何でわざわざ おにぎりなんだよ!」

 

今藤「別にいいでしょ!」

 

三上「柳くんは何だと思う?」

 

柳「う〜ん…。焼き鳥とかじゃね?」

 

今藤「よし、みんな答えたね!じゃあ、吉田くん!正解を教えて!」

 

吉田「…す…、すな………。」

 

今藤「ん?」

 

吉田「すな………。」

 

今藤「「すな」…?砂…、砂肝?砂肝の事?」

 

柳「え、じゃあ俺、正解じゃん!」

 

三上「すご〜い!」

 

吉田「砂っ!!

 

三上「………え、砂?地面の…地面の砂?」

 

今藤「…マジ?」

 

吉田「…だから言いたくなかったのに…。」

 

芳賀「ごめんって!でも、そんな正直に答えないで!?」

 

吉田「みんな俺の事をバカにしてるんだろ…。」

 

芳賀「そんな事無いって!さっきも言ったろ?誰が何を食べようが口出しする権利なんて誰にも無いんだから!」

 

柳「でも、さすがに砂は無いだろ。」

 

芳賀「お前、黙ってろって!」

 

吉田「…何か、腹痛くなってきた…。」

 

芳賀「砂を食うからだろうがよ!」

 

吉田「俺さ…。父親が小さい頃に死んで、母親が1人で育ててくれてさ。でも、その母親も無理をしながら仕事をしていたせいで病気になっちゃって…。俺がバイトして稼がなきゃいけないのに、通勤用のバイクが壊れちゃってさ…。修理代でバイト代が全部飛んで…、俺…、俺 本当に何やってんだろう…。」

 

芳賀「…吉田…。」

 

三上「…ねぇ…、今日みんなバイト何時に終わるの?」

 

今藤「今日はみんな18時じゃない?」

 

柳「だな。」

 

三上「今日のバイト終わりに、みんなでご飯行かない?」

 

芳賀「あ〜…、「みんな」っていうのは…。」

 

三上「もちろん、吉田くんも。」

 

吉田「…でも、俺 今月残り5,000円しか…。」

 

三上「私もそこまで余裕がある訳じゃないから、お金を貸してあげる事は出来ないけど、今日の分はご馳走してあげるよ!それでお腹いっぱい食べてよ!」

 

吉田「…でも、そんな…。…悪いよ…。」

 

今藤「じゃ、私も奢ってあげる!」

 

芳賀「仕方ないな、俺も!」

 

柳「じゃあ、俺も。…4人が折半して奢ってくれるって考えたら、申し訳なさも減るだろ。」

 

吉田「…みんな…。」

 

柳「もう二度と砂なんて食うなよ?」

 

吉田「ありがとう…!ありがとう…!」

 

三上「でも、明日思い出す「昨日の夜食べた物」が5人とも同じになるの、何か面白いね。」

 

今藤「5人とも、今日の夜ごはんを明日忘れてたら、とんでもないボケ老人って事だよね!笑」

 

吉田「…一生…、忘れられないよ…!」

 

 

 

 

 

…はい、いかがでしたでしょうか!

 

最後に笑いを封印するという とんでもなく冒険したコントでした!

このコント、劇団とかに脚本提供したいくらい実写で見たい!

メチャメチャ好きなんだけど、我ながら!

 

このコントの制作秘話を書くと、元々は『シチュエーションネタMONTH』でやった『犬』みたいに、みんなの夜ご飯が変過ぎるという”くだらなコント”枠でした。

(”くだらなコント”はKSKが勝手に呼んでいるジャンルです。笑)

ただ、面白い夜ご飯のパターン数が多くは浮かばなかったため、冒頭で吉田が貧乏という伏線を追加して砂を食べていた事にして、それを大ボケにしようと思ったのですが、芳賀が冒頭で結構親身に話していたため、そこをどうするか迷ってしまったんですね。

しかし、そこはKSKがキャラ付けを確立してきたH.S.S.Y.Y。

困っている吉田を三上が放っておく訳ないと判断し、メチャメチャ良い結末へ。

オチをボケとツッコミで締める必要が無いくらい伏線を回収出来たため、これで完成としました!

 

「昨日の晩御飯、思い出せる?」という話から、「一生忘れられない晩御飯」が生まれるという素敵なエンディングを演出してみました!

 

それにしても、H.S.S.Y.Yは本当に素晴らしいですわ。

KSKが行き詰っても、今回の三上のように道筋を勝手に照らしてくれるから。

これまでに書いてきたシチュエーションネタや『FRIENDS』シリーズの数々が、5人に魂を吹き込んでくれている。

だから、KSKも適材適所でコントを書きまくれるんだよな。

 

読み手と書き手で熱量が違うのは当然の事ですが、KSKはH.S.S.Y.Yを愛しています。

…あの、酔っ払ってこれを書いてる訳じゃないよ?笑

全然シラフよ?笑

 

…でも、今回は冒頭は伏線工事があったため、笑いどころは無いですが、中盤の昨日の晩御飯を思い出す所からは笑いの質感が個人的に超好き!

芳賀へのカップ麺の追究、三上に対する芳賀の同じ事を繰り返すツッコミ法、柳の晩御飯の献立のシュールさ、今藤の淡々としたボケ、全体的にメチャメチャ好きな感じの会話劇を書く事が出来た!

ラストがしっとり終わる代わりに、中盤で密度の高い笑いを作り出せたんじゃないかと思います!

 

…あと、アドリブで書き加えたんだけど、前日に公開した『ハヤシライス』にせっかくだから触れて、今回のネタにもぶち込んでみました。笑

前日のネタに被せるやり方も史上初ですね。笑

 

 

特殊でありながらも自信のあるコントをお送りしました!

それでは明日のコントも是非お楽しみ下さい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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H.S.S.Y.Y 第1回コントライブ『五人五色』

 

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【シリーズ第3弾『FRIENDS3』】

 

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