【夕顔2-3】古文単語「むつかしげなり」
源氏物語イラスト訳のあいです
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…日本語にはあるが受験生世代はほとんど使わない語。
…ですが、今回の古語は、
重要古語の形容動詞形☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
御車入るべき門は鎖したりければ、人して惟光召させて、待たせたまひけるほど、むつかしげなる大路のさまを見わたしたまへるに、
――――――――――
今回出てきた古文単語
――――――――――
■【御】…尊敬の接頭語(作者⇒光源氏)
■【車】…牛車のこと
■【入る】…ラ行四段動詞「入(い)る」の終止形
■【べき】…当然の助動詞「べし」の連体形
■【門】…門戸。大弐の乳母の家の門のこと
■【は】…提示の係助詞
■【鎖し】…サ行四段動詞「鎖す」の連用形
※【鎖(さ)す】…施錠する。鍵をかけて門を閉ざす
■【たり】…完了の助動詞「たり」の連用形
■【けれ】…過去の助動詞「けり」の已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【人】…ここでは従者のこと
■【して】…~を使って(使役の格助詞)
■【惟光(これみつ)】…光源氏の従者。大弐の乳母の実子
■【召さ】…サ行四段動詞「召す」の未然形
※【召(め)す】…「呼ぶ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【せ】…使役の助動詞「す」の連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【待た】…タ行四段動詞「待つ」の未然形
■【せたまひ】…二重尊敬(作者⇒光源氏)
※【せ】…尊敬の助動詞「す」の連用形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞
■【ける】…過去の助動詞「けり」の連体形
■【ほど】…間。うち
■【むつかしげなる】…ナリ活用形容動詞「むつかしげなり」連体形
※【むつかしげなり】…むさ苦しい
■【大路(おおち)】…大通り
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【さま】…ようす
■【を】…対象の格助詞
■【見わたす】…遠く広く見る
■【たまへり】…~ていらっしゃる
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
※【る】…存続の助動詞「り」の連体形
■【に】…順接(単純接続)の接続助詞
◇ 単語の意味と文法的説明です。
―――――――――――――――――
☆ 今回の古文単語 「むつかしげなり」 ☆
―――――――――――――――――
「むつかし」という重要古語は、以前にもご説明しましたので、
下のリンクもご参照ください♪
ここでは、「むつかしげなり」という形容動詞です☆
「―げなり」というつながりの場合、
基本的に、形容動詞となりますっ!
(。´・∀・)ノ゙
「なり」の識別については
次回のアメンバー記事もご覧になってくださいねっ♪
御車入るべき門は鎖したりければ、人して惟光召させて、待たせたまひけるほど、むつかしげなる大路のさまを見わたしたまへるに、
問)傍線部の意味として最も適当なものを選べ。
1.複雑に入り込んだ大通りの様子
2.むさ苦しい大通りの様子
3.人通りの多い大通りの様子
4.ひどく見苦しい大通りの様子
5.通るのが難しそうな大通りの様子
「むつかし」という古語は、
マイナス・イメージの重要古語です。
したがって、
「むつかし」を見たら、眉間にシワ
をよせる感覚で、覚えてくださいねっ!
─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ
「むつかしげなり」も同等です
【形容動詞:ナリ活用】
①むさ苦しい。感じがよくない
②気味が悪い
③面倒だ。煩わしい
*「学研全訳古語辞典(Weblio辞書)」より
大路(=大通り)の叙述なので、
①か②の訳出がよいでしょう。
さて、語義でそこまで見分けたら、選択肢を見て
1.複雑に入り込んだ大通りの様子
2.むさ苦しい大通りの様子
3.人通りの多い大通りの様子
4.ひどく見苦しい大通りの様子
5.通るのが難しそうな大通りの様子
語義に合う選択肢は…明らかですよね!
(*。◇。)ハッ!
解答…2
御車入るべき門は鎖したりければ、人して惟光召させて、待たせたまひけるほど、むつかしげなる大路のさまを見わたしたまへるに、
● 過去記事リンク
■せたまふ
■むつかし
■たまへり
ーーーーーーーーーーーーー