【帚木450-2】「して」の識別☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木450-2】「して」の識別☆

源氏物語イラスト訳のあいですラブラブ

 

では今日も行ってみましょう♪

ヽ(○・▽・○)ノ゙

 

これまでのあらすじ

 

天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏

ただ今、「2.帚木(ははきぎ)」の巻です。頭中将たちとの雨夜の品定め(=女性談義)の翌日、正妻葵の上の住む左大臣邸から、方違えのため紀伊守邸に泊まった光源氏。そこで出逢った伊予介の若妻(空蝉)と強引に契りを結んでしまいます。空蝉のことを忘れられない光源氏は、弟の小君を手なずけ、使い走りをさせますが、何度手紙を送っても、空蝉は心を許しません。とうとう光源氏は、方違えの日を口実に、再度紀伊守邸に泊まり、空蝉との逢瀬を画策しています。


 

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今回の源氏物語

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さる心して、人とく静めて、御消息あれど、小君は尋ねあはず。よろづの所求め歩きて、渡殿に分け入りて、からうしてたどり来たり。


帚木450のイラスト訳はこちら

 

 

 

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☆ 「して」 の識別☆

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よく出てくる識別の順でいうと…

 

1.格助詞

2.接続助詞

3.連語(サ変「す」の連用+接続助詞「て」)

 

です(^-^)/

 

特に、格助詞連語識別は、

接続による見分けが難しいので、

注意と練習が必要ですね!

ヽ(゚◇゚ )ノ


 

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大学入試古文 問題例

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さる心Aして、人とく静めて、御消息あれど、小君は尋ねあはず。よろづの所求め歩きて、渡殿に分け入りて、からうBしてたどり来たり。

問題)傍線部AB「して」の組み合わせとして正しいものを、次の中から選べ。

1.A 格助詞
  B 副詞の一部

2.A サ変動詞+接続助詞
  B サ変動詞+接続助詞

3.A サ変動詞+接続助詞
  B 副詞の一部

4.A 接続助詞
  B 副詞の一部

5.A 副助詞
  B サ変動詞+接続助詞

 

 

Bの「からうして」は、

「辛く」+「し」+「て」の連語が副詞になったパターンなので、

 

「して」は「サ変動詞+接続助詞」ととらえても

決して間違いとは言い切れないので、

入試に出ることはほとんどありませんが、

 

こんなふうに、選択肢の組み合わせ問題でなら、

出題される可能性がありますよね!

(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)

 

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☆ 「して」 識別一覧☆

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【して】

(格助詞)…体言・連体形につく
①〔共に動作を行う人数・範囲〕…で。…と(ともに)
②〔手段・道具・材料〕…で。…でもって
③〔使役の対象〕…に。…を使って。…に命じて


(接続助詞)…形容詞や「ず」の連用形につく
①〔対等・並列〕…て
②〔状態〕…の状態で。…で
③〔原因・理由〕…ために。…だから
④〔逆接〕…
が。…のに


(連語:サ変「す」+接続助詞「て」)
…(ある動作を)して

(副助詞)…「より」や「から」につく
…(「よりして」「からして」で)上の語を強める

  ※入試では文法はほぼ出ません。

 *「学研全訳古語辞典」より

 

 

あと、

すぐに見分けられる自立語として、



■接続詞「して」

 …そうして

 EX.「して、あなたは?」

 

■名詞「して(仕手・為手)」

 …する人。能などの主人公

 

などもあります。


 

問題集にもあまり出てきませんが、

 

古文ではよく登場しますよね。

∑(゚Д゚)




 

出てきたときに、

品詞をチェックする癖をつけていきましょう♪



 

このブログでは、

明日UPする【重要古語】カテゴリ

毎回の古文を品詞分解しています。

 

参考にしてみてくださいね♪

(o^-')b


 

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今回の 「して」は…?

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Bの「からうして」は、

副詞として辞書に載っています。



 

また、「辛く/し/て」と分解すれば、

 

「して」は、サ変「し」+助詞「て」

とも取れるので…

(;゚;∀;゚;)


 

今回は、Aで見分けましょ♪

('-^*)/

 

 

さる心Aして、人とく静めて、御消息あれど、小君は尋ねあはず。

 

 

「心」という体言(名詞)に接続しています。

 

なので、活用語の連用形に接続する接続助詞ではありません。

∑(゚Д゚)


 

格助詞か、連語か…

 

 

接続で見分けられなければ、

次は意味で識別します☆

φ(.. )



 

「さる心(=そのような心づもり)」

   アップ

光源氏は、これがあって、

従者たちを早々と寝静まらせて、

空蝉に連絡しようとしたんですね。

ヽ(゚◇゚ )ノ

 

 

(格助詞)
①〔共に動作を行う人数・範囲〕…で。…と(ともに)
②〔手段・道具・材料〕…で。…でもって
③〔使役の対象〕…に。…を使って。…に命じて


(連語:サ変「す」+接続助詞「て」)
…(ある動作を)して

 

 

格助詞なら、

【手段】が可能性ありそうですが、


 

「さる心(という手段・材料)で」⇒従者たちを寝静まらせて…

 

というつながりは、なんかおかしい…

(;゚;∀;゚;)



 

連語なら、

 

「さる心づもり」をして

   アップ

こっちのほうが、しっくりきますよね♪

ヘ(゚∀゚*)ノ

 


さる心して

 

 

正解は……

 

第2帖「帚木」の巻

 

「帚木」の巻 ~第1章~

 雨夜の品定め 光源氏と頭中将

「帚木」の巻 ~第2章~

 雨夜の品定め 左馬頭の女性論

「帚木」の巻 ~第3章~

 左馬頭の女性体験談

「帚木」の巻 ~第4章~

 頭中将・式部丞の女性体験談

「帚木」の巻 ~第5章~

 光源氏17歳 空蝉との出逢い

「帚木」の巻 ~第6章~

 光源氏17歳 空蝉との逢瀬

「帚木」の巻 ~第7章~

 光源氏17歳 空蝉への恋慕

 
 

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