レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)結成後,1968年9月7日デンマークは グラッドサクセのグラッドサクセ・ティーン・クラブを皮切りに行われた北欧ツアー,10月4日英国はニューカッスルのメイフェア・ボールルームを皮切りに行われた英国内ツアー(北欧ツアーを含め初期の幾つかの公演は ニュー・ヤードバーズ:New Yardbirds 名義)に続き,12月26日米国はコロラド州デンバーのデンバー・オーディトリウム公演を皮切りに,年を跨いで1969年2月15日フロリダ州はマイアミ・ビーチのジー・イメージ・クラブ公演まで行われた初の北米ツアー.
実は,この北米ツアーは,マネージャーの ピーター・グラント(:Peter Grant)が,当時,並行してマネージメントをしていた,ジェフ・ベック(:Jeff Beck)が,ヴァニラ・ファッジ(:Vanilla Fudge)との北米ツアーに参加できなくなった関係で,代わりに レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)を送り込んだもの.
当然,メイン・アクトは,ヴァニラ・ファッジ(:Vanilla Fudge)で,オープニング・アクトと言うか前座的に出演している レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)ですが,このツアーへの参加で,1969年1月に米国で発売予定のデビュー・アルバムに 5万枚の予約が殺到すると言う,爆発的な評判を呼び,同時に人気を博しました.
本商品は,上述の結成後初の北米ツアーから,ツアー中盤に当たる 1月26日マサチューセッツ州ボストンはボストン・ティー・パーティー公演のオーディエンス録音を収録した 『 Killing Floor (No Label) 』 です.
音像は近めで,座席位置の関係なのか,正直,各パートの出音のバランスは今一で,ギターが前面に出ていますが,逆に迫力と臨場感あふれる高音質のオーディエンス録音と言えますし,ギターフリークには堪らないでしょう.
メーカー情報では
『たとえ良好オーディエンスとは言えなくとも、その凄まじい演奏内容からマニアに愛されているZEPのライブ音源というのがあります。
その典型が1972年シアトルでのマラソン・ショーを収めた音源の新たな決定版である「SIZZLES IN SEATTLE」でしょう。同じようにマニアの間で高く評価されつつ、それでいて決定版と呼べるアイテムが存在しない日であったのが1月26日のボストン・ティー・パーティ。この日は古くからバイオ本などにおいて「4時間を超えた伝説の一夜」として紹介されており、その音源の登場が渇望されていました。
ZEPが初めてボストン後に降り立った1969年の1月は先の会場にて四日連続の公演が行われましたが、残念ながらサウンドボード録音は存在せず、かろうじてオーディエンス録音だけで垣間見られるものとなっていました。おまけに1969年の録音ということもあって、なかなかアイテムが登場しなかったのです。ところがLPアイテムの末期になって一月のボストン・ティー・パーティの音源がリリースされるようになり、マニアが発掘を待ち望んだ26日の記録に関しても「KILLING FLOOR」というタイトルでリリースされました。あのTMOQ系列からのリリースということもあり、いにしえのスタンプカバー風レイアウトのジャケットも印象的なアイテム。
残念ながら四時間半にも及んだというステージのすべてが記録されていた訳ではなく、オープニングから90分ほど(それでも当時のZEPのステージとしては長い部類)までの不完全版ではありました。
そもそも前年末からアメリカに上陸したZEPはウイスキー・ア・ゴーゴー、フィルモアといった名会場で毎晩全力のステージを披露しており、中でも「FILLMORE WEST 1969 DAY 2」で聞かれた1月10日のフィルモアは1月前半における名演を捉えていた定番の一つ。
この時期のZEPの凄いところは、毎晩の演奏ボルテージが当たり前のように高く、それでいて到達点というものが存在しない、つまり進化が当たり前であったことに驚きを禁じえません。ジミー以下、絶対にアメリカを虜にしてみせる…と言わんばかりの大熱演が連日にわたって繰り広げられていた。
おまけにこの日のオーディエンス録音は彼のギターの音が文字通りの爆音で捉えられており、その迫力が凄まじい。当時のアメリカにおいては駆け出しのバンドでしかなかったZEPのギグでポジション前方を確保するのは難しくなかったはず。もしかしたらステージ最前、ジミーの目の前で録音したのでは?と思えるほど凄まじい彼のギターの音圧。トータルなバランスは圧倒的にジミーで、彼のプレイが抑え気味になる個所では他のメンバーの音もかなり鳴っている。結局ロバートの歌声が追いやられている状態なのです。
こうなると普通は飽和状態となって聞き込めないはずなのですが、この日の音源はむしろこのバランスが吉と出ているから驚き。おかげでオープニングの「The Train Kept A Rollin'」からしてジミーがもの凄い気迫でステージに挑んでいる様子がはっきり伝わってくる。それまでもLA、ニューヨークと詰めかけたオーディエンスを虜にしてきただけに、ここボストン、さらには最終日となるギグに全身全霊を傾けて弾き倒す様はジミーが完全に「ゾーン」に入ってプレイに打ち込んでいるというもの。
あまりにも彼のギターの音がリアルなので、この時期のジミーのプレイはまだヤードバーズのスタイルを引きずっているのもよく解る。そんな好例が当時「Killing Floor」で後の「Lemon Song」。その基本形は既に出来上がっているものの、途中でヤードバーズ時代における彼の得意技でもあったサイレンの音を鳴らす場面などはその典型ですし、リードギターのフレーズもまたサイケ感が溢れている。ブルーズバンドとしての完成形はむしろジミーがレスポールに持ち替えた4月のフィルモアやウインターランドですので、テレキャスだからこそヤードバーズっぽさが見え隠れするこの時期ならではの貴重な記録とも。
ロバートはそのことも承知していて、この日の「Dazed And Confused」では、これまたヤードバーズ「Shapes Of Things」の一節を歌い出している。それはルーズな調子であり、これが「サイケ」から「ロック」へと向かうZEPサウンドの変化の兆しと言えるかもしれません。
同じように「How Many More Times」になると今度はジミーがバイオリンの弓で「For Your Love」のメロディを弾くというのがまた実に面白い。というのも同曲は先のウイスキー・ア・ゴーゴーやフィルモアではレパートリーの一曲として演奏されていた訳で、それがお役御免となってこのようにメロディが弾かれるだけの扱いにとどまったという。この場面だけでも毎晩が「攻め」の姿勢であったことを思い知らされます。
ところが今までリリースされてきたアイテムに使われてきたカセット・トレード時代のバージョンだと、この「How Many More Times」弓弾きの途中で録音が止まってしまう状態を隠蔽すべく、演奏から10分辺りの個所をコピペ。さらには「Killing Floor」終演後のロバートのMCまでつなぎ合わせた、うそこエンディングを演出していたのです。
もちろん今回Krw_coが公開してくれたバージョンはそうした小細工のない生のままのバージョン。しかしそれだけではありません、音質が相当に向上している。本音源のCDアイテムにおけるベストとされたCobra Standardと比べても解りやすい程のアッパー感。元々の録音状態のせいで歪みと粗さが気になる音質ではあるのですが、今回は「ジェネ不明」とのことながらも、そうした既発にあった刺々しさが自然に緩和され、はるかに聞きやすくなっている。その粗いなりに聞きやすくなった状態は絶対に驚かされるはず。もはや既発盤は明らかにアナログのジェネ落ち感が気になってしまう。
そして本音源における最大の問題だったピッチの狂い。既発盤ですとライブ前半が高くて後半は低くなるという落ち着きのなさ。そこに目を付けCobra盤からおおまかにピッチ修正した「A SUDDEN ATTACK BOSTON」なんていうアイテムもありましたし、最近になってもCobra盤をピッチ修正したバージョンがアップされたほどでした。
そこは今回のバージョンも別種の狂いがあり、今度は狂いこそ一定していたものの、何と60%も高くなってしまったという。今回の限定プレスCDにリリースに際しては、この問題を緻密にアジャスト。これまで最大の懸案だったピッチの狂いを遂に気にせずに、この伝説の名演を聞きこめるようになりました。その全編を通して聞かれる掛け値なしの名演、さらにはジョンジーがオルガンを弾くという、当時としては極めて貴重なフォーメーションで演奏される「You Shook Me」など、聞きどころ満載な1969年前半における重要音源の一つが遂に満足のいく形でリリースされます。もちろんタイトルは「KILLING FLOOR」!
(リマスター・メモ)
★半音の60%程度高いピッチを修正。
★波形が崩れない範囲で音圧を上げました。
★フェードは掛けませんでした。』
Killing Floor (No Label)

Live At Boston Tea Party,Boston,MA,USA
26th January 1969
[UPGRADE]
Disc 1
01. The Train Kept A Rollin'
02. I Can't Quit You Baby
03. Killing Floor
04. Dazed And Confused incl. Shapes Of Things
05. You Shook Me
06. Communication Breakdown
TOTAL TIME (44:33)
Disc 2
01. White Summer / Black Mountain Side
02. Babe I'm Gonna Leave You
03. Pat's Delight
04. How Many More Times
incl. Duke Of Earl,
Kisses Sweeter Than Ever,
For Your Love,
Over Under Sideways Down
TOTAL TIME (48:05)
The Train Kept A Rollin'
Dazed And Confused
How Many More Times
[参考]
North American Tour 1968–1969
1968
December
26 Denver Auditorium Arena,Denver,CO,USA
27 Seattle Center Arena,Seattle,WA,USA
28 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,Canada
29 Civic Auditorium,Portland,OR,USA
30 Kennedy Pavilion,Spokane,WA,USA
1969
January
02 Whisky a Go Go,West Hollywood,CA,USA
03 Whisky a Go Go,West Hollywood,CA,USA
04 Whisky a Go Go,West Hollywood,CA,USA
05 Whisky a Go Go,West Hollywood,CA,USA
09 Fillmore West,San Francisco,CA,USA
10 Fillmore West,San Francisco,CA,USA
11 Fillmore West,San Francisco,CA,USA
12 Fillmore West,San Francisco,CA,USA
13 Fox Theater,San Diego,CA,USA
15 Iowa Memorial Union – Ballroom,Iowa City,IA,USA
16 Baltimore Civic Center,Baltimore,MD,USA
17 Grande Ballroom,Detroit,MI,USA
18 Grande Ballroom,Detroit,MI,USA
19 Grande Ballroom,Detroit,MI,USA
21 Hunt Armory,Pittsburgh,PA,USA
23 Boston Tea Party,Boston,MA,USA
24 Boston Tea Party,Boston,MA,USA
25 Boston Tea Party,Boston,MA,USA
26 Boston Tea Party,Boston,MA,USA
27 Symphony Hall,Springfield,IL,USA
29 Electric Factory,Philadelphia,PA,USA
31 Fillmore East,New York City,NY,USA
February
01 Fillmore East,New York City,NY,USA
02 Rockpile,Toronto,ON,Canada
07 Kinetic Playground,Chicago,IL,USA
08 Kinetic Playground,Chicago,IL,USA
10 Elma Roane Fieldhouse,Memphis,TN,USA
14 Thee Image Club,Miami Beach,FL,USA
15 Thee Image Club,Miami Beach,FL,USA
North America Spring 1969
April
24 Fillmore West,San Francisco,CA,USA
25 Winterland Arena,San Francisco,CA,USA
26 Winterland Arena,San Francisco,CA,USA
27 Fillmore West,San Francisco,CA,USA
May
01 Crawford Hall,Irvine,CA,USA
02 Rose Palace,Pasadena,CA,USA
03 Rose Palace,Pasadena,CA,USA
04 Santa Monica Civic Auditorium,Santa Monica,CA,USA
05 Santa Monica Civic Auditorium,Santa Monica,CA,USA
11 Aqua Theater,Seattle,WA,USA
13 Honolulu Civic Auditorium,Honolulu,HI,USA
16 Grande Ballroom,Detroit,MI,USA
17 Convocation Center,Athens,OH,USA
18 Guthrie Theater,Minneapolis,MN,USA
23 Kinetic Playground,Chicago,IL,USA
24 Kinetic Playground,Chicago,IL,USA
25 Merriweather Post Pavilion,Columbia,MD,USA
27 Boston Tea Party,Boston,MA,USA
28 Boston Tea Party,Boston,MA,USA
29 Boston Tea Party,Boston,MA,USA
30 Fillmore East,New York City,NY,USA
⇒ [Two Shows]
31 Fillmore East,New York City,NY,USA
⇒ [Two Shows]
North America Summer 1969
July
05 Atlanta International Pop Festival,Atlanta International Raceway,Hampton,GA,USA
06 Newport Jazz Festival,Festival Field,Newport,RI,USA
11 Laurel Pop Festival,Laurel Race Course,Laurel,MD,USA
12 Spectrum Pop Festival,Spectrum,Philadelphia,PA,USA
19 Kinetic Playground,Chicago,IL,USA
20 Musicarnival,Warrensville Heights,OH,USA
21 Schaefer Music Festival,Wollman Skating Rink,New York,NY,USA
25 Midwest Rock Festival,Wisconsin State Fair Park,West Allis,WI,USA
26 PNE Agrodome,Vancouver,BC,CANADA
27 Seattle Pop Festival,Gold Creek Park,Woodinville,WA,USA
29 Kinsmen Field House,Edmonton,AB,CANADA
30 Terrace Ballroom,Salt Lake City,UT,USA
August
01 Earl Warren Showgrounds,Santa Barbara,CA,USA
02 Albuquerque Civic Auditorium,Albuquerque,NM,USA
03 Houston Music Hall,Houston,TX,USA
04 Fair Park Coliseum,Dallas,TX,USA
06 Sacramento Memorial Auditorium,Sacramento,CA,USA
07 Ice Palace,Las Vegas,NV,USA
08 Swing Auditorium,San Bernardino,CA,USA
09 Anaheim Convention Center,Anaheim,CA,USA
10 International Sports Arena,San Diego,CA,USA
11 Ice Palace,Las Vegas,NV,USA
14 Municipal Auditorium,Austin,TX,USA
15 HemisFair Arena,San Antonio,TX,USA
16 Convention Hall,Asbury Park,NJ,USA
17 Oakdale Theatre,Wallingford,CT,USA
18 The Rockpile,Toronto,ON,CANADA
⇒ [Two Shows]
20 Aerodrome,Schenectady,NY,USA
⇒ [Two Shows]
21 Carousel Theater,Framingham,MA,USA
22 Pirates World,Dania Beach,FL,USA
23 Pirates World,Dania Beach,FL,USA
24 Jacksonville Memorial Coliseum,Jacksonville,FL,USA
27 Hampton Beach Casino Ballroom,Hampton Beach,NH,USA
⇒ [Two Shows]
29 Singer Bowl,New York,NY,USA
30 Singer Bowl,New York,NY,USA
31 Texas International Pop Festival,Dallas International Motor Speedway,Lewisville,TX,USA
North America Autumn 1969
October
17 Carnegie Hall,New York City,NY,USA
⇒ [Two Shows]
18 Detroit Olympia,Detroit,MI,USA
19 Kinetic Playground,Chicago,IL,USA
⇒ [Two Shows]
24 Public Hall,Cleveland,OH,USA
25 Boston Garden,Boston,MA,USA
30 Kleinhans Music Hall,Buffalo,NY,USA
31 Springfield Municipal Auditorium,Springfield,MA,USA
⇒ [Gansett Tribal Rock Festival, Two Shows]
November
01 Onondaga Veterans Auditorium,Syracuse,NY,USA
02 O'Keefe Centre,Toronto,ON,CANADA
⇒ [Two Shows]
04 Kitchener Memorial Auditorium Complex,Kitchener,ON,CANADA
05 Memorial Hall,Kansas City,MO,USA
⇒ [Two Shows]
06 Winterland Ballroom,San Francisco,CA,USA
07 Winterland Ballroom,San Francisco,CA,USA
08 Winterland Ballroom,San Francisco,CA,USA
[関連記事]
「Carnegie Hall 1969 (No Label)」

「O'keefe Centre 1969 Late Show (No Label)」

「Fillmore West 1969 Day 4 (No Label)」

「Fillmore West 1969 Day 2 (No Label)」

「San Bernardino 1969 (No Label)」

「Olympia 1969 (No Label)」

「Texas International Pop Festival 1969 : Audience Source 3 (Gift CDR)」

「Final Winterland 1969 2nd Night : Source 2 (No Label)」

「Midwest Rock Festival 1969 (No Label)」

「Atlanta Pop Festival 1969 (No Label)」

「Newport Jazz Festival (Gift CDR)」

「Soars On : Buffalo 1969 (LZSC-1030)」

「Schaefer Music Festival 1969 (Gift CDR)」

「Sixty Nine Special : Stereo Matrix Master (EVSD-1209/1210/1211)」

「Fresh Garbage : Fillmore West January 1969 (LZSC-169)」

「Boston Tea Party 1969 1st Night (No Label)」

「Gonzaga University 1968 (No Label)」

「Fillmore West 1969 Final:Audience Recording (Gift CD)」

「Denmark 15th March 1969 (No Label)」

「Stockholm 1969 (No Label)」

「Texas International Pop Festival 1969 : Audience & Soundboard Recording (Gift CDR)」

「Texas International Pop Festival 1969 : Stereo Matrix (No Label)」

「Texas International Pop Festival 1969 (No Label)」

「Fillmore East 1969 DAY 2 (Gift CDR)」

「Fillmore West 4.24.1969 (No Label)」

「Fillmore West 1969 Final:Audience Recording (No Label)」

「Fillmore West 1969 Final:Soundboard Recording (No Label)」

「Winterland Ballroom 1969 Day 2 (No Label)」

「Fillmore West 1969 Off Reels (IMP-N-040F)」

「Newport Jazz Festival (MASTER PORT-219)」

「Olympia 1969 Pre-FM Master (No Label)」

「Chatenay - Malabry 1969 (No Label)」

「Final Winterland (TCOLZ 064/065/066/067/068/069)」

「The Complete Rock Pile Tapes (TCOLZ 031/032/033/034/035)」

#2022-05-31
実は,この北米ツアーは,マネージャーの ピーター・グラント(:Peter Grant)が,当時,並行してマネージメントをしていた,ジェフ・ベック(:Jeff Beck)が,ヴァニラ・ファッジ(:Vanilla Fudge)との北米ツアーに参加できなくなった関係で,代わりに レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)を送り込んだもの.
当然,メイン・アクトは,ヴァニラ・ファッジ(:Vanilla Fudge)で,オープニング・アクトと言うか前座的に出演している レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)ですが,このツアーへの参加で,1969年1月に米国で発売予定のデビュー・アルバムに 5万枚の予約が殺到すると言う,爆発的な評判を呼び,同時に人気を博しました.
本商品は,上述の結成後初の北米ツアーから,ツアー中盤に当たる 1月26日マサチューセッツ州ボストンはボストン・ティー・パーティー公演のオーディエンス録音を収録した 『 Killing Floor (No Label) 』 です.
音像は近めで,座席位置の関係なのか,正直,各パートの出音のバランスは今一で,ギターが前面に出ていますが,逆に迫力と臨場感あふれる高音質のオーディエンス録音と言えますし,ギターフリークには堪らないでしょう.
メーカー情報では
『たとえ良好オーディエンスとは言えなくとも、その凄まじい演奏内容からマニアに愛されているZEPのライブ音源というのがあります。
その典型が1972年シアトルでのマラソン・ショーを収めた音源の新たな決定版である「SIZZLES IN SEATTLE」でしょう。同じようにマニアの間で高く評価されつつ、それでいて決定版と呼べるアイテムが存在しない日であったのが1月26日のボストン・ティー・パーティ。この日は古くからバイオ本などにおいて「4時間を超えた伝説の一夜」として紹介されており、その音源の登場が渇望されていました。
ZEPが初めてボストン後に降り立った1969年の1月は先の会場にて四日連続の公演が行われましたが、残念ながらサウンドボード録音は存在せず、かろうじてオーディエンス録音だけで垣間見られるものとなっていました。おまけに1969年の録音ということもあって、なかなかアイテムが登場しなかったのです。ところがLPアイテムの末期になって一月のボストン・ティー・パーティの音源がリリースされるようになり、マニアが発掘を待ち望んだ26日の記録に関しても「KILLING FLOOR」というタイトルでリリースされました。あのTMOQ系列からのリリースということもあり、いにしえのスタンプカバー風レイアウトのジャケットも印象的なアイテム。
残念ながら四時間半にも及んだというステージのすべてが記録されていた訳ではなく、オープニングから90分ほど(それでも当時のZEPのステージとしては長い部類)までの不完全版ではありました。
そもそも前年末からアメリカに上陸したZEPはウイスキー・ア・ゴーゴー、フィルモアといった名会場で毎晩全力のステージを披露しており、中でも「FILLMORE WEST 1969 DAY 2」で聞かれた1月10日のフィルモアは1月前半における名演を捉えていた定番の一つ。
この時期のZEPの凄いところは、毎晩の演奏ボルテージが当たり前のように高く、それでいて到達点というものが存在しない、つまり進化が当たり前であったことに驚きを禁じえません。ジミー以下、絶対にアメリカを虜にしてみせる…と言わんばかりの大熱演が連日にわたって繰り広げられていた。
おまけにこの日のオーディエンス録音は彼のギターの音が文字通りの爆音で捉えられており、その迫力が凄まじい。当時のアメリカにおいては駆け出しのバンドでしかなかったZEPのギグでポジション前方を確保するのは難しくなかったはず。もしかしたらステージ最前、ジミーの目の前で録音したのでは?と思えるほど凄まじい彼のギターの音圧。トータルなバランスは圧倒的にジミーで、彼のプレイが抑え気味になる個所では他のメンバーの音もかなり鳴っている。結局ロバートの歌声が追いやられている状態なのです。
こうなると普通は飽和状態となって聞き込めないはずなのですが、この日の音源はむしろこのバランスが吉と出ているから驚き。おかげでオープニングの「The Train Kept A Rollin'」からしてジミーがもの凄い気迫でステージに挑んでいる様子がはっきり伝わってくる。それまでもLA、ニューヨークと詰めかけたオーディエンスを虜にしてきただけに、ここボストン、さらには最終日となるギグに全身全霊を傾けて弾き倒す様はジミーが完全に「ゾーン」に入ってプレイに打ち込んでいるというもの。
あまりにも彼のギターの音がリアルなので、この時期のジミーのプレイはまだヤードバーズのスタイルを引きずっているのもよく解る。そんな好例が当時「Killing Floor」で後の「Lemon Song」。その基本形は既に出来上がっているものの、途中でヤードバーズ時代における彼の得意技でもあったサイレンの音を鳴らす場面などはその典型ですし、リードギターのフレーズもまたサイケ感が溢れている。ブルーズバンドとしての完成形はむしろジミーがレスポールに持ち替えた4月のフィルモアやウインターランドですので、テレキャスだからこそヤードバーズっぽさが見え隠れするこの時期ならではの貴重な記録とも。
ロバートはそのことも承知していて、この日の「Dazed And Confused」では、これまたヤードバーズ「Shapes Of Things」の一節を歌い出している。それはルーズな調子であり、これが「サイケ」から「ロック」へと向かうZEPサウンドの変化の兆しと言えるかもしれません。
同じように「How Many More Times」になると今度はジミーがバイオリンの弓で「For Your Love」のメロディを弾くというのがまた実に面白い。というのも同曲は先のウイスキー・ア・ゴーゴーやフィルモアではレパートリーの一曲として演奏されていた訳で、それがお役御免となってこのようにメロディが弾かれるだけの扱いにとどまったという。この場面だけでも毎晩が「攻め」の姿勢であったことを思い知らされます。
ところが今までリリースされてきたアイテムに使われてきたカセット・トレード時代のバージョンだと、この「How Many More Times」弓弾きの途中で録音が止まってしまう状態を隠蔽すべく、演奏から10分辺りの個所をコピペ。さらには「Killing Floor」終演後のロバートのMCまでつなぎ合わせた、うそこエンディングを演出していたのです。
もちろん今回Krw_coが公開してくれたバージョンはそうした小細工のない生のままのバージョン。しかしそれだけではありません、音質が相当に向上している。本音源のCDアイテムにおけるベストとされたCobra Standardと比べても解りやすい程のアッパー感。元々の録音状態のせいで歪みと粗さが気になる音質ではあるのですが、今回は「ジェネ不明」とのことながらも、そうした既発にあった刺々しさが自然に緩和され、はるかに聞きやすくなっている。その粗いなりに聞きやすくなった状態は絶対に驚かされるはず。もはや既発盤は明らかにアナログのジェネ落ち感が気になってしまう。
そして本音源における最大の問題だったピッチの狂い。既発盤ですとライブ前半が高くて後半は低くなるという落ち着きのなさ。そこに目を付けCobra盤からおおまかにピッチ修正した「A SUDDEN ATTACK BOSTON」なんていうアイテムもありましたし、最近になってもCobra盤をピッチ修正したバージョンがアップされたほどでした。
そこは今回のバージョンも別種の狂いがあり、今度は狂いこそ一定していたものの、何と60%も高くなってしまったという。今回の限定プレスCDにリリースに際しては、この問題を緻密にアジャスト。これまで最大の懸案だったピッチの狂いを遂に気にせずに、この伝説の名演を聞きこめるようになりました。その全編を通して聞かれる掛け値なしの名演、さらにはジョンジーがオルガンを弾くという、当時としては極めて貴重なフォーメーションで演奏される「You Shook Me」など、聞きどころ満載な1969年前半における重要音源の一つが遂に満足のいく形でリリースされます。もちろんタイトルは「KILLING FLOOR」!
(リマスター・メモ)
★半音の60%程度高いピッチを修正。
★波形が崩れない範囲で音圧を上げました。
★フェードは掛けませんでした。』
Killing Floor (No Label)

Live At Boston Tea Party,Boston,MA,USA
26th January 1969
[UPGRADE]
Disc 1
01. The Train Kept A Rollin'
02. I Can't Quit You Baby
03. Killing Floor
04. Dazed And Confused incl. Shapes Of Things
05. You Shook Me
06. Communication Breakdown
TOTAL TIME (44:33)
Disc 2
01. White Summer / Black Mountain Side
02. Babe I'm Gonna Leave You
03. Pat's Delight
04. How Many More Times
incl. Duke Of Earl,
Kisses Sweeter Than Ever,
For Your Love,
Over Under Sideways Down
TOTAL TIME (48:05)
The Train Kept A Rollin'
Dazed And Confused
How Many More Times
[参考]
North American Tour 1968–1969
1968
December
26 Denver Auditorium Arena,Denver,CO,USA
27 Seattle Center Arena,Seattle,WA,USA
28 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,Canada
29 Civic Auditorium,Portland,OR,USA
30 Kennedy Pavilion,Spokane,WA,USA
1969
January
02 Whisky a Go Go,West Hollywood,CA,USA
03 Whisky a Go Go,West Hollywood,CA,USA
04 Whisky a Go Go,West Hollywood,CA,USA
05 Whisky a Go Go,West Hollywood,CA,USA
09 Fillmore West,San Francisco,CA,USA
10 Fillmore West,San Francisco,CA,USA
11 Fillmore West,San Francisco,CA,USA
12 Fillmore West,San Francisco,CA,USA
13 Fox Theater,San Diego,CA,USA
15 Iowa Memorial Union – Ballroom,Iowa City,IA,USA
16 Baltimore Civic Center,Baltimore,MD,USA
17 Grande Ballroom,Detroit,MI,USA
18 Grande Ballroom,Detroit,MI,USA
19 Grande Ballroom,Detroit,MI,USA
21 Hunt Armory,Pittsburgh,PA,USA
23 Boston Tea Party,Boston,MA,USA
24 Boston Tea Party,Boston,MA,USA
25 Boston Tea Party,Boston,MA,USA
26 Boston Tea Party,Boston,MA,USA
27 Symphony Hall,Springfield,IL,USA
29 Electric Factory,Philadelphia,PA,USA
31 Fillmore East,New York City,NY,USA
February
01 Fillmore East,New York City,NY,USA
02 Rockpile,Toronto,ON,Canada
07 Kinetic Playground,Chicago,IL,USA
08 Kinetic Playground,Chicago,IL,USA
10 Elma Roane Fieldhouse,Memphis,TN,USA
14 Thee Image Club,Miami Beach,FL,USA
15 Thee Image Club,Miami Beach,FL,USA
North America Spring 1969
April
24 Fillmore West,San Francisco,CA,USA
25 Winterland Arena,San Francisco,CA,USA
26 Winterland Arena,San Francisco,CA,USA
27 Fillmore West,San Francisco,CA,USA
May
01 Crawford Hall,Irvine,CA,USA
02 Rose Palace,Pasadena,CA,USA
03 Rose Palace,Pasadena,CA,USA
04 Santa Monica Civic Auditorium,Santa Monica,CA,USA
05 Santa Monica Civic Auditorium,Santa Monica,CA,USA
11 Aqua Theater,Seattle,WA,USA
13 Honolulu Civic Auditorium,Honolulu,HI,USA
16 Grande Ballroom,Detroit,MI,USA
17 Convocation Center,Athens,OH,USA
18 Guthrie Theater,Minneapolis,MN,USA
23 Kinetic Playground,Chicago,IL,USA
24 Kinetic Playground,Chicago,IL,USA
25 Merriweather Post Pavilion,Columbia,MD,USA
27 Boston Tea Party,Boston,MA,USA
28 Boston Tea Party,Boston,MA,USA
29 Boston Tea Party,Boston,MA,USA
30 Fillmore East,New York City,NY,USA
⇒ [Two Shows]
31 Fillmore East,New York City,NY,USA
⇒ [Two Shows]
North America Summer 1969
July
05 Atlanta International Pop Festival,Atlanta International Raceway,Hampton,GA,USA
06 Newport Jazz Festival,Festival Field,Newport,RI,USA
11 Laurel Pop Festival,Laurel Race Course,Laurel,MD,USA
12 Spectrum Pop Festival,Spectrum,Philadelphia,PA,USA
19 Kinetic Playground,Chicago,IL,USA
20 Musicarnival,Warrensville Heights,OH,USA
21 Schaefer Music Festival,Wollman Skating Rink,New York,NY,USA
25 Midwest Rock Festival,Wisconsin State Fair Park,West Allis,WI,USA
26 PNE Agrodome,Vancouver,BC,CANADA
27 Seattle Pop Festival,Gold Creek Park,Woodinville,WA,USA
29 Kinsmen Field House,Edmonton,AB,CANADA
30 Terrace Ballroom,Salt Lake City,UT,USA
August
01 Earl Warren Showgrounds,Santa Barbara,CA,USA
02 Albuquerque Civic Auditorium,Albuquerque,NM,USA
03 Houston Music Hall,Houston,TX,USA
04 Fair Park Coliseum,Dallas,TX,USA
06 Sacramento Memorial Auditorium,Sacramento,CA,USA
07 Ice Palace,Las Vegas,NV,USA
08 Swing Auditorium,San Bernardino,CA,USA
09 Anaheim Convention Center,Anaheim,CA,USA
10 International Sports Arena,San Diego,CA,USA
11 Ice Palace,Las Vegas,NV,USA
14 Municipal Auditorium,Austin,TX,USA
15 HemisFair Arena,San Antonio,TX,USA
16 Convention Hall,Asbury Park,NJ,USA
17 Oakdale Theatre,Wallingford,CT,USA
18 The Rockpile,Toronto,ON,CANADA
⇒ [Two Shows]
20 Aerodrome,Schenectady,NY,USA
⇒ [Two Shows]
21 Carousel Theater,Framingham,MA,USA
22 Pirates World,Dania Beach,FL,USA
23 Pirates World,Dania Beach,FL,USA
24 Jacksonville Memorial Coliseum,Jacksonville,FL,USA
27 Hampton Beach Casino Ballroom,Hampton Beach,NH,USA
⇒ [Two Shows]
29 Singer Bowl,New York,NY,USA
30 Singer Bowl,New York,NY,USA
31 Texas International Pop Festival,Dallas International Motor Speedway,Lewisville,TX,USA
North America Autumn 1969
October
17 Carnegie Hall,New York City,NY,USA
⇒ [Two Shows]
18 Detroit Olympia,Detroit,MI,USA
19 Kinetic Playground,Chicago,IL,USA
⇒ [Two Shows]
24 Public Hall,Cleveland,OH,USA
25 Boston Garden,Boston,MA,USA
30 Kleinhans Music Hall,Buffalo,NY,USA
31 Springfield Municipal Auditorium,Springfield,MA,USA
⇒ [Gansett Tribal Rock Festival, Two Shows]
November
01 Onondaga Veterans Auditorium,Syracuse,NY,USA
02 O'Keefe Centre,Toronto,ON,CANADA
⇒ [Two Shows]
04 Kitchener Memorial Auditorium Complex,Kitchener,ON,CANADA
05 Memorial Hall,Kansas City,MO,USA
⇒ [Two Shows]
06 Winterland Ballroom,San Francisco,CA,USA
07 Winterland Ballroom,San Francisco,CA,USA
08 Winterland Ballroom,San Francisco,CA,USA
[関連記事]
「Carnegie Hall 1969 (No Label)」

「O'keefe Centre 1969 Late Show (No Label)」

「Fillmore West 1969 Day 4 (No Label)」

「Fillmore West 1969 Day 2 (No Label)」

「San Bernardino 1969 (No Label)」

「Olympia 1969 (No Label)」

「Texas International Pop Festival 1969 : Audience Source 3 (Gift CDR)」

「Final Winterland 1969 2nd Night : Source 2 (No Label)」

「Midwest Rock Festival 1969 (No Label)」

「Atlanta Pop Festival 1969 (No Label)」

「Newport Jazz Festival (Gift CDR)」

「Soars On : Buffalo 1969 (LZSC-1030)」

「Schaefer Music Festival 1969 (Gift CDR)」

「Sixty Nine Special : Stereo Matrix Master (EVSD-1209/1210/1211)」

「Fresh Garbage : Fillmore West January 1969 (LZSC-169)」

「Boston Tea Party 1969 1st Night (No Label)」

「Gonzaga University 1968 (No Label)」

「Fillmore West 1969 Final:Audience Recording (Gift CD)」

「Denmark 15th March 1969 (No Label)」

「Stockholm 1969 (No Label)」

「Texas International Pop Festival 1969 : Audience & Soundboard Recording (Gift CDR)」

「Texas International Pop Festival 1969 : Stereo Matrix (No Label)」

「Texas International Pop Festival 1969 (No Label)」

「Fillmore East 1969 DAY 2 (Gift CDR)」

「Fillmore West 4.24.1969 (No Label)」

「Fillmore West 1969 Final:Audience Recording (No Label)」

「Fillmore West 1969 Final:Soundboard Recording (No Label)」

「Winterland Ballroom 1969 Day 2 (No Label)」

「Fillmore West 1969 Off Reels (IMP-N-040F)」

「Newport Jazz Festival (MASTER PORT-219)」

「Olympia 1969 Pre-FM Master (No Label)」

「Chatenay - Malabry 1969 (No Label)」

「Final Winterland (TCOLZ 064/065/066/067/068/069)」

「The Complete Rock Pile Tapes (TCOLZ 031/032/033/034/035)」

#2022-05-31